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悪魔が来たりてお母さん?  作者: ももらら
ぼっち高校生アキラ
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なんで間違うんだろう?

美男美女夫婦から産まれたアキラ。じつは整っているのです。

 勉強会の開催が決定したのは嬉しいが、奇跡は少し引っかかるところがあった。「お世話になりっぱなしというのはダメだよね。きちんとお返ししたい」。そう考えたのだが、なかなか良いお返しが思いつかない。ひとり頭を悩ませていたが、そのとき何気ないタカオとアキラの会話が聞こえてきた。タカオは写真立てに飾られた一枚の家族写真を見ながらアキラに尋ねた。

「これがアキラのお母さん?」

「うん。僕が赤ちゃんのころに亡くなったから記憶はないんだけどね」

「そうか。美人だな」

 そう話しているとカオルが会話に参加してきた。

「タカオくん、じつにお目が高い! アオイは本当にステキな女性だったよ。自慢の奥さんだったんだ」

 父が母をベタ褒めしているのをアキラは少し気恥ずかしい気持ちで見ていた。カオルの顔を見たタカオがさらに言う。

「でもおじさんもいわゆるイケオジですよね? おばさんと美男美女の夫婦だったんですね」

「おいおいタカオくん、照れるなぁ」

 それを聞いた奇跡がハッと何かを思いついたようで、アキラの顔をジッと見る。

「何?」

 女性に顔をマジマジと見られた経験がないアキラはドギマギしてしまった。

「アキラっちて、いつも目が隠れるくらい前髪を垂らしているからわかりづらいけど、イケメンだよね」

「え! そんなことないよ」

「いや、そんなことある! おばさんは美人だし、おじさんはイケオジ。その子供のアキラっちがイケメンなのは当然だよ」

 その意見にタカオも同意する。

「俺も最初にアキラが助けてくれたとき、こいつ整った顔してるなって思ったよ」

「でも僕、彼女いないし、そもそも女の子に告白されたこともないよ。タカくんやミラちゃんは友達だから、僕のことを良い評価してくれるけど世間的にはイケメンじゃないよ」

 カオルも「俺にとってアキラは世界一のイケメンだけどなぁ」と言っている。「タカオくんは2番目な!」と付け足すと、「逆! タカが1番です」と奇跡が答えて、みんなが笑った。

「アキラっち、いまの髪型ってこだわりがあるの?」

「別にないよ。ただ最近忙しくて床屋さんに行けてなかったから、いつもより伸びてしまっているだけなんだよね」

 ここで奇跡はアキラへのお返しを提案する。

「よし、アキラっち。勉強を教えてもらうお礼にうちの店で髪を切ってあげる!」

「え!」

「せっかくのイケメンがもったいないじゃん。アキラっちに似合う髪型に絶対するから! 大丈夫、うちのパパとママ腕は確かだから」

「よかったじゃないかアキラ。ここは素直に奇跡ちゃんからのお返しを受け取りなさい」

 戸惑っているアキラにカオルが続けて言う。

「アキラ。お前がタカオくんや奇跡ちゃんのために何かしたいと思うのと同じように、タカオくんや奇跡ちゃんもお前に何かしたい。そう思ってくれているんだよ。それって本当の友達じゃないと持たない思いなんじゃないかな。それを受け取るのも友達としての思いやりだ」

 つい先ほどまで「フランス人形にしてやろうか」と言っていた中年とは思えない良いことを言うカオル。テシオンも「甘えておけ!」と追撃してきた。

「そう……。ミラちゃん、じゃあお願いしてもいいかな?」

「もちろん!」

 アキラは奇跡の思いやりが嬉しくて仕方なかった。

「そうだ! おじさんも良かったらどうですか?」

「え! おじさんも奇跡ちゃんのお店に行っていいのかい? でもこんなおじさんが美容室に行ったら他のお客さんの迷惑にならないかな?」

「うちはパパが男性客、ママが女性客を基本的にやってて、男女どちらもお客さんにいるから大丈夫です。近所の男の子やおじいちゃんも来てくれてて年齢もいろんな人がいますよ」

「そうなんだ。じゃあお願いしようかな。最近白髪が増えているから、その相談もしたいな」

「なんでも言ってください!」

 いつの間にか親子揃ってお世話になることが決定した。しかしここでタカオが表情を曇らせていることに奇跡が気づいた。

「タカ、どうしたの? 浮かない顔をして」

「いやアキラがミラの家で髪型を変えたとしてさ、当然周りもイケメンだってことに気づくよな」

「うん、いいことじゃん」

 アキラの「だからイケメンじゃないから!」という言葉は無視されて会話が続く。

「いやいいことだよ。だけどそれでアキラの周りに女の子が寄ってきたら、俺久仁子に殺される……」

「あ! それがあるか」

 テシオンに聞いて、タカオの妹・久仁子がアキラを好きだということはカオルも把握している。そのため一連の会話を下世話な表情丸出しでカオルとテシオンは聞いていた。

「いや〜若いっていいですなぁ。カオルさん」

「アイさん。わしらにもああいう時代があったのかのう」

「もう父さんも母さんもやめてよ!」

 アキラがそう叫んだ後、「あれ? 母さんってなんで言ったんだろう?」と不思議に思う。

 みんなも不思議そうな顔をしている。そこでテシオンがアキラに尋ねた。

「そういえばアキラ。あたしに街路樹のところで会ったときも母親と勘違いしたよな。なぜなんだ?」

「え? なぜだろう……」

 カオルがフォローするように「遠いとはいえ、アオイの親戚だからどこか似たところがあるんじゃないかな」と言う。その意見にタカオや奇跡も賛同しているが……。

 もちろんテシオンが母の親戚でもなんでもないことをアキラとテシオン本人は知っている。それだけに2人の頭には「なぜ?」が渦巻いていた。

 その場は「言い間違えて学校の先生にお母さんと言ってしまうのと同じようなものだろう」と無理やり納得した。しかしアキラは「なぜお母さんと言ってしまったのか」と疑問を持ち続けるのだった。

アキラのイメージチェンジはどうなるのか? そのお話をもう少し後で書きます。

ご意見、ご感想など頂戴できると励みになります。よろしくお願いいたします。

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