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悪魔が来たりてお母さん?  作者: ももらら
ぼっち高校生アキラ
17/128

教え上手?

連休中に書き溜めた分を投稿します

「そういえばそんなこともあったね」

 昔のことを思い出してアキラが言った。

「でもアレはマサト兄ちゃんがいたからできたことで、僕が役立ったわけじゃないよ」

「何言ってんだよ、上條! どれだけ助けられたと思ってるんだ」

 さらに池森は続ける。アキラが助けてくれたのはそれだけではないというのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 池森家に遊びに行く当日、アキラは緊張していた。「どんな格好していけばいいのかな?」。まるで一般家庭にドレスコードが存在するかのように頭を悩ませていた。「失礼にあたってはいけないよね。あと手土産はどうしよう? 父さんに相談しておけばよかった」。

 なにしろクラスメートの家に行くのは初めてのこと。アキラは真剣に悩んでいた。「うん、とりあえず学生服で行こう。それならば少なくとも失礼ではないよね」。そう決断して家を出る。道すがら見つけたケーキ屋で焼き菓子を買って、池森の家に向かった。

「おぉ、上條。よく来てくれたな。散らかっているけど、上がってくれよ」

 笑顔で池森が出迎えると、アキラは焼き菓子を渡した。「お前は出世する見込みたっぷりのサラリーマンか!」とツッコミつつ「これ弟たちが好きなんだよ」と嬉しそうに受け取ってくれた。

「それでな上條。先に謝らないといけないことがあるんだ。これまでのことをおふくろに話したら、ぜひ上條にお礼したいと言っていたんだ。それでおふくろが手料理を作ることになっていたんだけど、急な仕事が入っていまいないんだ。申し訳ないけど出前でも頼もう」

「そんな気を使わなくてもいいってば」

「そういうわけにはいかねえよ」

 2人でそういう話をしていると、池森の弟たちが声をかけてきた。

「ねえ、この人がタカ兄の話していた上條さん?」

 そう話しかけてきたのは池森の弟・ユキヒロだった。

「おう! 上條はな勉強もできるし、喧嘩もムチャクチャ強いんだぞ」

「すげえ!」

「ちょっと池森くん、やめてよ」

 顔を真っ赤にしてアキラが答えていると、池森の妹・久仁子も声をかけてきた。

「へえ、タカ兄と違って勉強もできるんだね。頭良さそうな顔してる」

「上條と比べられたら、ほとんどの奴は勉強できねえよ!」

 そうしたやりとりを「兄弟っていいなぁ」とアキラは微笑ましく見ていた。

「ねえ、久仁子わからないところがあるから勉強、教えてほしい!」

「おい、久仁子。今日は上條にお礼をするために呼んだんだぞ。お前の相手をしにきたわけじゃないんだ」

「え〜」

 久仁子が不満そうな顔をしたところで、アキラが口を挟む。

「いいよ池森くん。久仁子ちゃん、僕でよかったら勉強見てみるよ」

「やったー!」

「上條、すまん。助かる。俺には教えられないからさ」

「いいよ」

 笑顔でそう答えると、さっそく久仁子の宿題を手伝うアキラ。しばらくすると久仁子が歓声を上げた。

「タカ兄! 上條さん、めちゃくちゃ教えるの上手だよ。これまで全然わからなかった問題、解けるようになっちゃった」

「さすがは上條だな」

「久仁子ちゃんの理解力がすごいんだよ」

「上條さん、僕にも教えて」

「はいはい。2人ともどれがわからないの?」

 そうして池森の兄弟に勉強を教えていたのだが、気づけば数時間が経過していた。弟、妹が口を揃えて空腹を訴え始める。

「タカ兄、お腹空いた」

「タカ兄、私たち勉強頑張ったから美味しいもの食べさせて」

 仕方ないなと笑いながら池森はアキラに尋ねた。

「上條、出前ラーメンでいいか?」

「うん。なんでもいいよ」

 そのとき、テーブルの上に出された食材にアキラの目が止まった。

「あぁ、これか。おふくろが上條に出すはずだった料理の材料だよ」

 そう池森が教えると、久仁子がほっぺを膨らませて言う。

「あ〜あ、今日はハンバーグ食べられるはずだったのに」

「仕方ないだろう。おふくろ仕事なんだから」

「だって〜」

 あまりにも久仁子が残念そうなので、思わずアキラは言ってしまう。

「ハンバーグ。僕、作ろうか?」

「「「え?」」」

 兄弟3人の見事なハーモニーが部屋に響いた。

教え上手で料理上手。アキラは池森家の胃袋を鷲掴み?

ご意見やご感想を頂戴できると励みになります。よろしくお願いいたします。

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