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悪魔が来たりてお母さん?  作者: ももらら
天使? ボコってやるぜ!
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想定外?

追い込まれるツバラ。生まれて初めて恐怖を覚えます。

 ツバラが振るうロンギヌスの槍はことごとくテシオンが構えたデモンズシールドに防がれる。テシオンは防御に徹しており、ツバラは攻撃に徹している。攻撃が当たらないことに苛立ちを感じるものの「下級悪魔は自分へ攻撃をする余裕はなさそうだ。となればこちらはひたすら攻撃するしかない。いずれ一発でも当たればそれだけで決着はつく」とツバラは考える。確かにロンギヌスの槍の性能を考えると、その一発が致命傷になることは明白である。「慌てることはない。向こうには打つ手立てがないのだから」。そう考えて槍を振るい続けるツバラ。

 しかしそう思った矢先、すごい打撃が顔面に当たる。「グハッ!」、血を吐きながらツバラが吹っ飛ぶ。「なぜだ? 向こうは防御に専念しているはずなのに」。疑問が浮かぶものの攻撃を加えられたのは事実。目線をテシオンの手元に移すと、盾が異様な形に変形している。

「なんだそれは! 先ほどまでと形が違うじゃないか」

 ツバラの叫びにテシオンが冷静に答える。

「これか? タックさんの祖先も防具と意思疎通ができていたみたいでな。そしてあたしを守るためなら形を変えることは当たり前なんだよ。まぁ長いことお盆として使っていたから、その点は不満を言われているがな」

 そう言ってテシオンがデモンズシールドへ目線を落とすと、シールドは「キュウ」と甲高い声を発した。

「さぁデモちゃん。あのバカを追い込もうかね」

「キュウ!」

 一心同体となったデモンズシールドとテシオンがツバラへと襲いかかる。デモンズシールドは攻撃を防ぎながら、形を変えてツバラへ打撃を繰り出す。その合間を縫ってテシオンもツバラへと攻撃を加える。みるみるツバラはボロボロの姿へと変わっていく。

「クソ! 下級悪魔風情が調子に乗りやがって」

 ツバラがそう漏らすと、テシオンはデモンズシールドを手放した。

「なんのつもりだ?」

 ツバラの疑問にテシオンがニヤリと笑いながら答える。その笑顔は見ている者に恐怖を与えるにはじゅうぶんな威圧感をまとっている。

「なに。このままではお前は『道具の性能で負けた』なんて考えるだろう? そういう言い訳する余地を残さないために、あたしが道具を使わずにボコってやろうかと思ってな」

 テシオンの言葉にツバラは言葉も発せないくらいの怒りを感じた。「殺す!」。ただその一念で槍を突き出す。刃を躱しながらテシオンはツバラのみぞおちに前蹴りを入れる。「グフッ!」。胃の中身がすべて吐き戻されるような苦痛を感じるツバラ。前かがみになったところでテシオンは顎を跳ね上げるように下から蹴りとばす。大きく後方に仰け反るツバラに追撃のミドルキックを放つ。その蹴りをまともに受け、ツバラは地面に横たわる。そして違和感に気づく。「なぜだ? この悪魔の攻撃から聖属性を感じる」。

 悪魔の攻撃は基本的に闇属性。それはツバラの聖属性とは相反するものであるがゆえに、攻撃の威力は多少なりとも相殺される。しかし自分と同じ聖属性の攻撃であれば、相殺されることなくその威力はそのままダメージとなって体に残る。「なぜだ、なぜだ、なぜだ」。ツバラの頭は疑問でいっぱいになる。その様子を見てサタンはアスモデに言う。

「かなり混乱しているようですね」

 アスモデもテシオンの容赦ない攻撃に感心しながら答える。

「まさか悪魔が聖属性の攻撃をするだなんて考えてもいないでしょうからね」

 実際ツバラは混乱していた。ツバラは戦闘において天才的な戦術を思いつくいっぽうで、その戦術が上手くいかなかった場合、想定外の事態で潰された場合、その対処に優れているとは言い難いのであった。

 それでもこれまでは問題がなかった。自分の予想範囲内での出来事しか起こらなかったからだ。敵の反撃や戦略、すべてに対抗策があった。「お前らがいくら知恵を絞ったところで、そんなものはお見通しなのだよ」と常に余裕を持って戦ってきた。

 しかし眼前にいるのは、魔界でも桁外れの規格外であるテシオン。自分の考えや常識が一切通じない相手に初めて遭遇したツバラは焦りとともに恐怖を感じていた。そして恐怖を感じている自分に対して怒りも覚えた。「大天使であるこの僕が、下級悪魔に追い込まれ恐怖するだって? そんなことがあっていいわけがない!」。

 恐怖を怒りと大天使の誇りで押さえつけたツバラは、立ち上がるとテシオンに向けて再び攻撃を仕掛けるのであった。

ここからツバラはどう反撃に移るのか?

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