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スピリチュアルズ ジャーニー 寮  作者: waku


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幽霊鉱山の秘密 合同調査の幕開け

オカルト研究部は、春の初めに調査を検討していた廃坑と廃墟の調査を行う事になった。青空大学の協力とオカルト編集部の涼子も取材に同行する事になる。

***夏の終わりの予感***

9月初旬、夏の残り香が漂う中、キャンパスの木々が微かに色づき始めていた。オカルト研究部の部室では、2週間前に終えた優の村での調査を経て、部員たちが新たな挑戦に向けて集まっていた。


部長の海斗が重々しく口を開く。「よし、みんな揃ったな。いよいよ明日から、幽霊鉱山、旧緑鉱山の調査に出発する」


旧緑鉱山——かつて栄華を誇った鉱山町が次第に衰退し、廃墟と化した地だ。50年前、海外からの鉱石輸入が増加し採算が取れなくなったことで突如閉鎖され、それ以来、廃れていくと同時に数々の怪奇現象と不可解な事件が続発し、禁断の地、心霊スポットとして語り継がれることになった。


「よし!」4年生の水野が抑えきれない興奮を見せて声を上げた。彼の目は輝いていたが、その奥に潜む不安を海斗は見逃さなかった。「僕のカスタムドローンで、廃墟の全貌を空撮できるなんて、夢みたいだ」


海斗は頷きながら警告する。「水野、お前の技術には期待しているが、安全第一だ。何か異変を感じたら、迷わず引き返すんだ」


「ああ、分かっている」水野は真剣な表情で応じた。


「私も準備万端です」沙織が机の上に広げた複雑な地図を指差した。「過去50年間の全ての事件をマッピングしました。ここには何か法則性がある可能性も考えられます」


部長の海斗は感心しつつ地図を覗き込んだ。緑色の点は怪奇現象の発生地点を、赤い点は失踪事件の場所を示しており、その配置はまるで何かの呪文のように見えた。「さすが沙織。君の分析力が、今回の調査の核心を突く鍵になるかもしれない」


「先輩...」1年生の麗香が躊躇いがちに口を開いた。「本当に大丈夫でしょうか?昨夜、祖母から『行くな』って...」


部室を重苦しい沈黙が支配した。麗香の祖母は地元で名高い霊能力者として知られており、その言葉の重みを誰もが感じていた。


海斗は優しく言った。「麗香、君の祖母の言葉は重く受け止めるが、我々には真実を明らかにする使命がある。君の能力も、きっと役に立つはずだ」


麗香は不安そうな表情を浮かべながらも、小さく頷いた。彼女の脳裏には、幼い頃から見続けてきた不可思議な光景が蘇り、この能力が旧緑鉱山の謎を解く鍵になるかもしれないという予感が彼女の中で渦巻いていた。


「今回の場所は霊的にも非常に危険かもしれない」オカルト部の中で最も霊感が強い葵が注意を促す。彼女の言葉に、1年生の麗香が身震いした。


瑞希が言った。「あの鉱山には、通常とは異なる強い霊的エネルギーが渦巻いている感じがします。まるで...時空が歪んでいるような」


その言葉が部室にさらに重々しい雰囲気をもたらした。瑞希の霊感はこれまでの調査で何度も的中しており、彼女の警告を軽視することはできなかった。


寮が冷静な表情で言った。「今回の調査は、なるべく危険な地域を避けるようにしよう。それに、心強い仲間も加わることになっている」


「ああ、そうだった」海斗が思い出したように続けた。「青空大学のオカルト研究会が参加し、さらにオカルト編集部『ミステリーハンター』の取材班も同行するんだ。涼子さんも直々に来てくれる」


「マジで?」徹が目を丸くした。「あの涼子さんが?」


涼子はオカルト界で絶大な影響力を持つ『ミステリーハンター』誌のカリスマ記者だ。彼女の鋭い洞察力と大胆な取材方法は、多くの超常現象の真相を明らかにしてきた。その涼子が直接取材に来るということは、今回の調査が並々ならぬものであることを示していた。


「ああ」海斗は頷いた。「だからこそ、全員に覚悟を決めてほしい。これは単なる課外活動じゃない。我々の調査が、廃坑の真相を解き明す糸口になるかもしれないんだ」


その言葉に、部員たちは互いの顔を見合わせ、決意を新たにした。


突如、ノックの音もなく部室のドアが開いた。


「こんにちは、皆さん」


甘く澄んだ声が部室に響くと、全員が驚いて振り向いた。そこにはスタイリッシュなスーツに身を包んだ美しい女性が立っていた。長い黒髪が夕陽に輝き、鋭い眼差しで部室を見渡している。


「涼子さん!」寮が息を呑んで声を上げた。


涼子は優雅に微笑み、言った。「明日からご一緒させていただきます。素晴らしい発見になりそう...でも、くれぐれも用心してくださいね」


彼女の瞳が急に鋭い光を帯びた。「あの鉱山には、私たちの理解を超えた何かが潜んでいる。それは、この世のものとは思えないほどの...」


涼子の言葉が途切れた瞬間、部室の空気が一気に緊張で満たされた。窓の外では夕暮れの空が不気味な赤に染まり、どこからともなく冷たい風が吹き抜けた。


「涼子さん、何か心当たりがあるんですか?」海斗が慎重に尋ねた。


涼子は一瞬、遠い目をした。「私が数年前に行った調査で、説明のつかない現象に遭遇したの。それ以来、あの鉱山の真相を突き止めることが私の目標の一つになったわ」


彼女の言葉に、部員たちは息を飲んだ。


「でも、今回は違います」涼子の目に決意の色が宿った。「皆さんと一緒なら、きっと真相に辿り着けるはず。私の経験と、皆さんの感性と知識。そして...」彼女は寮を見つめた。「特別な才能。これらが組み合わされば謎を解き明かせるかもしれないわ」


海斗は深く頷いた。「涼子さん、心強い言葉をありがとうございます。僕たちも全力を尽くします」


部室の空気が、緊張と期待で震えていた。


「よし、最後の確認をしよう」海斗が声を上げた。「水野、ドローンの最終チェックは?」


「バッチリです。本体とバックアップ、予備バッテリーも準備万端です」


「沙織、地図と分析データは?」


「はい、全てデジタル化して、バックアップも取りました」


「瑞希、葵、霊感や違和感があったらすぐに報告してくれ」


二人とも真剣な表情で頷いた。


「麗香、君の霊的感覚も重要だ。何か感じたらすぐに教えてくれ」


麗香は少し不安そうに見えたが、頷いた。


「そして、涼子さん」海斗が彼女を見つめた。「僕たちは皆、あなたの経験と洞察力を頼りにしています」


涼子は微笑んで答えた。「全力でサポートするわ。みんな、よろしくね」


こうして、旧緑鉱山への調査がいよいよ始まろうとしていた。未知の領域に踏み込む恐怖と興奮が入り混じり、オカルト研究部の面々は明日からの冒険に胸を高鳴らせた。


涼子の眼差しは鋭く、しかしどこか優しさを秘めていた。彼女は一瞬、遠くの山々を見つめた。「あの鉱山が、何を隠しているのか...明日、確かめに行きましょう」


部室の外では、夜の帳が静かに降り始めていた。



***鉱山への道***


 翌日、朝日が昇ると同時に、オカルト研究部のメンバーたちはそれぞれの荷物を背負い、大学の正門に集まった。集合場所には、涼子がすでに待っていた。彼女は昨日と同じく、キリッとしたスーツ姿でありながら、どこかアウトドア向きの装いにアレンジされていた。


「みんな、準備はできているかしら?」涼子は落ち着いた声で問いかけた。


「はい!」全員が力強く答えた。


「それじゃあ、出発しましょう」涼子の合図と共に、一行は、それぞれ車に乗り込んだ。


道中、車内では各々が調査に向けた心構えを確認し合っていた。水野はドローンの設定を細かく調整し、沙織は地図と事件データを再確認していた。瑞希と葵は、霊的な異変を感じ取れるように精神を集中させ、麗香は祖母から受けた忠告を思い出していた。


寮はミレニアム・ファルコン2号の運転席でハンドルを握りしめながら、心の中で静かに気を引き締めた。「今回はみんなの安全を守りつつ、真相に迫ることができるだろうか?」


涼子は助手席から、目を閉じて何かを感じ取ろうとしているようだった。「寮くん、今のところ異常はないようだけど、あの場所に近づくにつれて気配が変わるかもしれないわ」


寮は軽く頷いた。「わかりました、慎重に進みます」


車は山道を上り始め、やがて旧緑鉱山へと続く細い道に差しかかってきた。周囲の木々は深い緑に包まれており、太陽の光が木漏れ日となって地面に落ちていたが、どこか薄暗く、不気味な雰囲気を感じさせた。


「ここから先は、どんどん道が荒れていくから、注意して進めてくれ」海斗が地図を見ながら声をかけた。


涼子は後部座席のメンバーに振り返って言った。「このあたりから、何か異常を感じたらすぐに報告してね。特に葵さんの霊感に頼らざるを得ない」


葵は頷きながら目を閉じ、集中力を高めた。「今のところはまだ大丈夫です。でも、この先に何かが潜んでいる...そんな気がします」


葵も同じく集中し始めた。「確かに、空気が少し重くなってきた気がするわ。何か大きな力が待ち構えているような...」


 車が更に進むにつれて、周囲の雰囲気がますます不気味になっていった。森の中は静まり返り、風の音さえも聞こえなくなっていた。突然、葵が鋭い声を上げた。「待って!ここで車を止めて」


寮は即座にブレーキを踏み、車を路肩に停めた。全員が静まり返り、葵に注目した。


「どうした、葵?」海斗が尋ねた。


「この場所...何かが通った跡があります」葵は窓の外を指差した。そこには何かが這ったかのような、草木が押し倒された痕跡が見えた。


寮も外を見て、険しい顔をした。「これ、人間じゃない。何か大きなものがここを通ったみたいだ。」


涼子が眉をひそめた。「ここは、動物の通り道かしら?でも、それにしては...」


寮は言葉を失いながらも、冷静に判断しようとしていた。「このまま進むべきでしょうか?」


涼子は一瞬考え込んだ後、決意を固めたように言った。「進みましょう。この場所には必ず何かがある。私たちはその真相を突き止めなければならない」


全員が深呼吸し、再び出発の準備を整えた。寮は慎重にアクセルを踏み、車をゆっくりと進めた。


やがて、旧緑鉱山の入り口が見えてきた。巨大な岩壁にぽっかりと開いた洞窟のような入り口は、まるで闇の中へと誘う口のように見えた。


「ここが旧緑鉱山...」葵が小さな声でつぶやいた。


海斗が地図を広げ「到着だ」と声をかけた。


涼子は最後に全員を見渡し、静かに言った。「この先には、私たちがこれまで経験したことのない何かが待っています。でも、皆で力を合わせれば、必ず乗り越えられるはず。行きましょう」


こうして、オカルト研究部と涼子は、旧緑鉱山の深奥へと足を踏み入れる事になった。未知なる恐怖と真実を求めて、彼らは闇の奥へと進んでいった。



***現地に到着***


曇り空の下、旧緑鉱山の入口に二つの大学のオカルト研究グループが集結した。錆びついた看板が風に揺れ、かつての栄華を物語っていた。緑大学の海斗と青空大学の星野が固く握手を交わした。


「よく来てくれた、星野。」海斗は少し緊張しながらも、落ち着いた声で言った。


「こちらこそ、この調査の機会を楽しみにしていた。さて、調査の方針をどうする?」星野が尋ねた。


海斗は地図を広げ、全員が輪になって議論を始めた。地図には鉱山と廃墟、そして周辺の地形が詳細に描かれている。


「青空大学の提案ですが、廃坑の調査は我々がメインで行いたいと思います。最新の探査機器を持ってきていますので、それを活かしたいのです。」星野が話し始めると、他のメンバーたちもうなずいた。


議論の末、以下の方針で合意がなされた:


廃坑チーム:青空大学がメイン緑大学から3名が同行(葵、沙織、鈴木)

廃墟チーム:緑大学がメイン青空大学から3名が同行(佐々木、中村、小林)

サポート:編集部の涼子は両チームの取材


「これで決まりだ。何か異常があればすぐに報告すること。」海斗が全員に確認をする。


全員がそれぞれの調査地点に向かい、緊張感を持ちながらも、期待に胸を膨らませた。


***廃墟の調査拠点***


 旧緑鉱山の街外れにある公園に、オカルト研究部のメンバーたちが集まった。寮が車を停め、周囲を見渡す。

「ここを拠点にしよう。トイレや水道、電気もあるし、許可も取れてる。」海斗が宣言した。

徹と麗香は少し不満そうな表情を浮かべる。

「え?テント生活と車中泊になるってこと?」徹がぼやいた。

麗香も同調して、「長期滞在するなら、もう少し快適な場所はないのかな...」と呟いた。

その言葉を聞いた水野が「どこか廃墟の中で寝泊まり可能な所があれば、そこを宿泊施設に使うのも良さそうだ。」と提案した。

「それはいいアイデアだね。」寮が頷く。「でも、安全性の確認が必要だ。」

水野は即座にドローンを取り出し「さっそく、ドローンを飛ばして調査してみる。」

瑠偉も自分のドローンを準備し始めた。「僕は反対方向の調査をドローンで行ってみます。」

二人のドローンが空へ舞い上がり、廃墟と化した街を探索し始めた。モニターには、朽ち果てた建物や荒れ果てた道路の映像が次々と映し出される。


 しばらくすると、水野が声を上げた。「あそこだ!古い旅館みたいな建物がある。屋根も壁もしっかりしてるみたいだ。」

瑠偉も続けて報告した。「こちらにも使えそうな建物があります。元は小さなホテルだったみたいです。」


涼子がモニターを覗き込んだ。「二つとも興味深いわね。直接確認する価値はありそう。」

海斗が決断を下した。「よし、一番近い旅館を確認しよう。水野、旅館の方へ案内してくれ。もしダメだったら、瑠偉、ホテルの案内を頼む。」



寮、水野、瑞希、徹は、寮の軽バン、ミレニアム・ファルコン2号に乗り建物へと向かった。


***旅館の調査***


今は、緑鉱山町の町全体が廃墟になっており全体が心霊スポットと噂されていた。


寮の運転する軽バン、ミレニアム・ファルコン2号が、錆びついた看板の前でゆっくりと止まった。「湯乃花旅館」と書かれた文字が、かすかに読み取れる。

水野が車から降りながら呟いた。「ここか...」

朽ち果てた木造の建物が、夕暮れの薄暗い空の下でシルエットを作っている。かつての優雅さを感じさせる屋根の曲線が、今は不気味な影を落としていた。

葵が身震いし、「なんだか...冷たい風が吹いてきませんか?」と言った。

鈴木はカメラを構えながら、「確かに...ここ、普通じゃない雰囲気がするな」と応じた。

寮は慎重に周囲を見回し、「よし、中に入ろう。だが、気をつけろ。床が抜けているかもしれない」と指示を出した。


四人は恐る恐る玄関に足を踏み入れた。廊下に一歩踏み出すと、床が不気味に軋んだ。

「うわっ!」水野が思わず声を上げる。

徹が懐中電灯で照らすと、壁には古びた浮世絵が掛かっていた。その絵の中の女性の目が、彼らを見つめているように感じられた。

「みんな、各部屋を確認しよう。でも、絶対に一人にならないように」寮が指示した。

瑞希が畳の上に足を踏み入れると、湿った畳の匂いが鼻をついた。「この匂い...なんだか懐かしいような...でも、同時に寂しい感じがします」

水野がふと立ち止まり、「聞こえた?誰かが...泣いているような...」と言った。

全員が息を殺して耳を澄ませたが、聞こえてくるのは風の音だけだった。

徹が古い箪笥を開けると、中から一枚の写真が落ちてきた。「見て、これ...50年前の宿泊客の写真みたいいだ」

その写真には、笑顔の家族が写っていたが、不思議なことに、背景がぼやけていて、まるで別の空間にいるかのように見えた。


突然、2階から大きな音が響いた。

「な...何だ!?」水野が驚いて叫んだ。

寮が冷静さを保ちつつも、緊張した面持ちで言った。「落ち着け。きっと朽ちた柱か何かが崩れただけだ。でも、ここはもう危険すぎる。調査は中止だ」

全員がほっとした表情を見せつつ、急いで外へ出た。


車に戻りながら、瑞希がつぶやいた。「あの旅館...私たちが知るべきじゃないことかもしれません」


徹も続けた「電気や水道、トイレも使えませんでした。まだ、公園の方が快適です」


水野は車に乗ると深くため息をついた「そうだな。今回の件は公園を拠点にする決定的な理由になったな」

ミレニアム・ファルコン2号は、夕闇に包まれ始めた旧緑鉱山の街を後にした。バックミラーに映る旅館の姿は、まるで彼らを見送っているかのようだった。


 寮たちは公園に戻り海斗に報告した。


「分かった。拠点の強化にリースで新たに追加しよう」

海斗は、リースで追加の仮設シャワールームと仮設住宅を設置する事に決めた


 また公園に防犯カメラのカメラの照明やカメラの増設など行いセキュリティを高める事にした。


 寮はミレニアム・ファルコン2号に戻り、車中泊の準備を行っていた。

ソーラーパネルを広げ、ポータブル電源の充電も行っていた。


 「寮先輩。ちょっといいでしょうか?」と麗香が声を掛けて来た。

 

「なんだい、麗香?」と、寮は話を聞く事にした。車内には静かにクラシック音楽が流れていた。


 寮は、段ボール箱の中からクッキー缶を取り出しポータル冷蔵庫からミルクティーを取り出し麗香に勧めた。


「ありがとうございます。」麗香はお礼を言って「寮先輩の車には、本当に色々な物があるんですね。この前、陽菜ちゃんから色々聞きました」寮は、まさかスターウォーズのDVDの事も?と思ったが何も知らない振りをしながら「陽菜ちゃんは今、思春期だからね」と笑って答えた。


 「あの、寮先輩、今回の調査は、本当に危険かも知れません。海斗部長は、大丈夫と言っていましたが、、、何か胸騒ぎがするんです。これまでの調査と違う何か嫌な感じがします」と寮に告げた。


 寮も真剣に「確かに、これまでの調査の中でもかなり危険かも知れない。なるべく、慎重に行動しよう」と答えた。


***廃坑チーム***


 青空大学のオカルト研究会は、廃坑の入り口近くにある広場を拠点にしていた。


星野が最新の探査機器を手に、朽ちかけた坑道の入口に立っていた。「これから未知の世界に足を踏み入れる。」彼は重厚な声で言い、全員に目を向けた。


坑道に足を踏み入れると、冷たい風が全員を包み込んだ。壁面には、時を経て朽ち果てた採掘機器が所々に残っている。佐々木が壁面のサンプルを採取しながら、周囲を見回した。


「沙織さん、この壁の模様、どう思いますか?」田中が不思議そうに壁を指さした。


「確かに不思議な模様ね。鉱脈の痕跡というより、何かの遺跡のようにも見えるわ」沙織が答えた。


突然、遠くから金属が擦れるような音が響き渡り、全員が一瞬息を飲んだ。星野は素早く最新の音響分析装置を取り出し、音の出所を確認しようとした。


「自然音ではないですね…何かが…動いている?」星野が低い声でつぶやくと、一行は慎重に進んでいった。


やがて、彼らは巨大な採掘場にたどり着いた。中央には直径10メートルほどの円形の穴が口を開けており、その周囲には見たことのない文字が刻まれている。


「驚異的な発見だ!」星野が興奮した様子で言った。


「まずは、電磁波を測定しましょう。」沙織が指示すると、田中が素早く装置をセットした。測定の結果、異常な数値が検出された。


「これは普通じゃないわ…」沙織が言葉を漏らすと、葵が突然叫んだ。


「何か動いたみたい!」葵の指さす先、穴の縁に人影のようなものが一瞬見えた。しかし、懐中電灯を向けると、そこには何もいなかった。


***廃墟チーム***


一方で、寮たちが調査を開始した廃墟の町は、静寂に包まれていた。かつては賑わっていたであろう商店街は、今や雑草に覆われ、建物は朽ち果てていた。


「この町は、鉱山の閉鎖と共に急速に衰退してしまったんだろうな。」寮が呟くと、麗香が周囲を見回しながら答えた。


「ここにはまだ、強い感情が残っている感じがします。」麗香が不安そうに言った。


瑞希もまた、その感覚を共有していた。「何か、この場所全体が過去に縛られているような感じがします。」


一行はさらに進み、閉鎖された映画館、錆びついた遊具のある公園、そして風化した壁画を発見した。壁画は、この町が栄えていた時代の様子を描いていたが、最後のシーンだけが薄くなっていることに気づいた。


「最後のシーンが消えかかっている…これが何かを示唆しているのか?」青空大学の山田が疑問を投げかけた。


その時、麗香が突然身震いした。「何か…聞こえる。」


全員が耳を澄ますと、かすかに歌のような声が聞こえてきた。


「音のする方へ行ってみよう。」寮が提案し、全員が慎重に進んでいくと、古びた教会の前にたどり着いた。扉を開けると、中は驚くほど保存状態が良く、祭壇の上には一枚の絵が掛けられていた。


その絵には、巨大な穴と、そこから這い出してくる得体の知れない影が描かれていた。


「これは…」涼子の顔から血の気が引いた。「数年前に見たものと同じだ…」


突然、教会の外で物音がした。振り返ると、やせ細った老人が立っていた。「あんたたち、ここで何をしている?」老人は疑い深そうな目で彼らを見つめた。


寮が前に出て、調査の目的を説明しようとしたその時、無線機から海斗の声が聞こえた。「寮、聞こえるか?こちらで不思議な発見をした。すぐに合流しよう。」


 そろそろ、寮の大学生活も終盤に入って来たので、

最後の大型調査のエピソードとして考えてみました。よく漫画のシーンで過去の振り返りとか思い出のシーンとか回想シーンとかで10話くらい引っ張るのも面白そうですが、やり過ぎると未完のままネタ切れになる可能性もあるので、程々に考えてみます。ご購読、ありがとうございました。


 夏休みモードですが少し暇に任せて書いてみました。

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