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スピリチュアルズ ジャーニー 寮  作者: waku


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新部長の指名 新オカルト研究部の道

 月日は流れ、佐藤部長も卒業を控えていた。次の新部長は、誰が務めるのか?部員たちの間で色々な憶測が飛び交っていた。

***午後のキャンパスでの出来事***


柔らかな陽光が大学のキャンパスを優しく包み込む午後のこと。オカルト研究部の部室には、いつもとは違う緊張感が漂っていた。窓から差し込む光が、部室内の古びた棚や積み上げられた怪奇現象の資料を照らし出す。その中で、部員たちは固唾を呑んで佐藤部長の言葉を待っていた。


佐藤部長の卒業が間近に迫り、新たな部長を選ぶ重大な瞬間が訪れようとしていたのだ。部員たちの間では、様々な憶測が飛び交っていた。最新のドローンやカメラの扱いに長けた水野と、膨大な資料をしっかり整理し、どんな情報でも瞬時に引き出せる沙織が候補として名前が挙がっていた。


そんな中、佐藤部長が部員たちの前に立って、静かに、しかし力強く切り出した。


「今日は、次のオカルト研究部の部長を指名します」


部室内の空気が一瞬、静まり返ったように感じた。全員の視線が佐藤部長に集中した。


「次のオカルト研究部の部長は海斗君」佐藤部長は穏やかな笑みを浮かべながら言った。


その瞬間、部室内にざわめきが起きた。誰も予想にしなかった名前に、部員たちは驚きを隠せなかった。最も驚いたのは海斗自身だった。


「え?僕が…ですか?」海斗は自分の耳を疑うかのように聞き返した。「他のみんなの方が…」


海斗の言葉が途切れたその時、水野が即座に声を上げた。


「待ってください!佐藤部長」水野の声には驚きと怒りが混ざっていた。「海斗は入部したばかりの頃、禁止されていた低山の祠に勝手に行って、みんなを危険にさらしたじゃないですか。あの時のことを忘れたんですか?」


水野の言葉に、沙織と葵も顔を曇らせた。あの日の記憶が蘇ってきたのだ。部室の空気が一気に重くなった。しかし、佐藤部長は穏やかな表情を崩さず、ゆっくりと答えた。


「確かに、あの時は危なかった。でも、海斗君はそれ以来、無謀な行動を控え、率先して他の部員の意見を尊重し、チームワークを重視するようになりました」


佐藤部長の言葉に、部員たちの表情が少しずつ和らいでいく。しかし、水野の顔にはまだ疑惑の念の色が残っていた。


「でも、また暴走したら…」水野の声には不安が滲んでいた。


「そうはならないよ」佐藤部長は自信を持って言った。「今のオカルト研究部には、それぞれ専門分野を持つ優秀な人材が揃っている。全員が同意しなければ何も始まらない。だから、海斗君の役割は絶対的な権力者ではなく調整役なんだ。今、必要な部長は、それが出来る人物です」


佐藤部長の説明に、部員たちの間で小さなざわめきが起きた。彼らの顔には、少しずつ理解の色が浮かび始めていた。


「水野君のテクノロジー、沙織さんの情報管理能力、葵さんの霊感、そして寮君の…特殊な霊能力」佐藤部長は一人一人の顔を見ながら言った。「特定の分野に偏らない海斗君こそが適任です」


海斗は戸惑いながらも、ふと寮の方に目を向けた。「寮、何か意見は?」


寮は静かに微笑みながら答えた。「海斗はあまり表には出てこないけど、裏方でいろいろと行っていたから、オカルト部全体を見ていると思う。僕も賛成するよ」


海斗は周囲を見回した。かつては自分の軽率な行動で危険にさらした仲間たちが、今は期待の目を差し向けている。その視線に、海斗は決意を固めた。


「みんなの力を借りながら、頑張ります」海斗の声には、不安と決意が混ざっていた。


「よし、これでオカルト研究部の新体制が整った。君たちなら、きっと今まで以上の成果を上げられるはずです」


部室に新たな船出を予感させる空気が満ちた。窓から差し込む夕陽が、部室内の古い資料や機材たちを赤く染め上げる。海斗を中心に、それぞれの個性を持つ部員たちが集まり、未知の現象に向けて準備を始めた。


***送迎会 - 佐藤部長とのお別れ***


春の3月、卒業式を間近に控えたある日の夕方、オカルト研究部の部室には佐藤部長の送迎会の準備が整っていた。窓から差し込む柔らかな光が部室内を暖かく包み込み、部員たちは持ち寄った食べ物や飲み物を並べ、和やかな雰囲気が漂っていた。


海斗が代表して挨拶を始めた。「佐藤部長、お疲れ様でした!お世話になりました。」部員たちは拍手で迎えた。水野は特製のドローン映像で過去の調査の思い出を振り返り、「部長、あなたのおかげで僕たちの調査は一層深まりました」と感謝の言葉を添えた。


沙織は感謝の手紙を手渡し、「佐藤部長、部の資料整理を学んだことが本当に役立ちました」と語った。葵は涙ながらに「部長、あなたの霊感の話はとても興味深かったです」と言い、寮は「部長の指導で、僕も少しずつ成長できました」と静かに感謝を述べた。


佐藤部長は目を潤ませながら、静かに語り始めた。「みんな、本当にありがとう。君たちと一緒に過ごした時間は、私の宝物です。これからも、オカルト研究部を盛り上げていってください。」


その言葉に、部員たちは一層の決意を胸に刻んだ。最後に全員で写真を撮り、佐藤部長は部室のドアをゆっくりと閉めた。新たな一歩を踏み出す部員たちの背中を、春の柔らかな夕陽が静かに見守っていた。


***オカルト研究部の岐路***


4月に入り、佐藤部長が卒業した後、オカルト研究部の部室は熱い議論で沸き立っていた。部長代理として活動を始めて間もない海斗は、重要な岐路に立たされていた。


「今度の調査は廃墟になった鉱山団地を調査しませんか?」水野が熱心に提案した。「ドローンで全体を撮影すれば、絶景スポットとしても注目を集められるはずです」


水野の目は輝いていた。テクノロジーを駆使したオカルト研究に情熱を注ぐ彼らしい提案だった。一方、沙織は静かに、しかし確固とした口調で意見を述べた。


「私は古い神社の調査を推します。長い歴史と伝説がある神社です。古い文献を調べれば、きっと新しい発見があるはずです」


部室の空気が二つに割れた。どちらの案にも魅力があり、部員たちの間で意見が分かれる。海斗は黙って両者の資料を眺め、全員の意見に耳を傾けた。そして、しばらくの沈黙の後、口を開いた。


「確かに、どちらも魅力的だ」海斗は慎重に言葉を選んだ。「でも、僕たちが考えないといけないのは、調査のための住居の確保、安全性、参加人数、そして調査期間の日程だ」


部員たちの表情が真剣になる。


「水野の提案する廃墟団地は、確かに興味深い」海斗は続けた。「でも、治安の問題やライフラインの確保が難しい。拠点として使える場所もなく、テントや車中泊に頼ることになる。長期滞在は厳しいだろうな」


水野はむっとした表情を浮かべたが、反論はしなかった。


「一方、沙織の提案する神社は」海斗は沙織に向き直った。「治安も良く、近くに宿泊できそうな場所もある。長期的な調査も少人数で行いやすい」


部室に静寂が広がる。


「それに」海斗は重要な点を指摘した。「今のオカルト研究部には、陽菜さんや由香さんのような強力な霊能者がいない。リスクを考えると、神社を選択するのが賢明だと思う」


水野の表情が変わった。「確かに…」


「もし廃墟の団地を調査するなら、陽菜さんや由香さんクラスの霊能者が必要だろうね」海斗は付け加えた。「青空大学と共同で調査するなら可能かもしれないけど」


部室に納得の空気が流れた。水野は大きくため息をついた後、笑顔を見せた。


「分かったよ、海斗。今回は廃墟の団地調査は見送るよ。的確な判断だと思う」


海斗は安堵の表情を浮かべた。初めての大きな決断だったが、チームの理解を得られたことに安心した。


「じゃあ、神社調査の詳細を詰めていこう」海斗が言うと、部員たちは新たな調査に向けて動き出した。部室の窓から差し込む夕陽が、オカルト研究部の新たな冒険の始まりを予感させるように輝いていた。


寮は、これまでの会議を聞いて、安心した。(これが、健全な活動なんだ。僕みたいな力が無いと調査できない様な所に行く事自体、異常だったんだ。)

 今回のエピソードは、比較的シンプルにまとまりました。

佐藤部長が卒業し、新しい部長と共にオカルト研究部は進む事になります。


 ご購読、ありがとうございました。

ここで、しばらく休刊にします。ストーリーの見直しや修正を行って行く予定です。

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