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スピリチュアルズ ジャーニー 寮  作者: waku


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スピリチュアルズ ジャーニー 寮 陽菜編『霊視の少女 - 陽菜の新たな使命』

 以前の事件か数カ月以上過ぎた。その間に陽菜は色々な霊的相談に乗ったり、修行を続けていた。


 桜吹雪が舞う4月、新学期の始まりとともに、陽菜の心にも新たな決意が芽生えていた。教室の窓辺に立ち、満開の桜を眺めながら、彼女は冬休みの経験を振り返る。観音寺での2週間の合宿、そして初めて直面した本格的な霊障事件。あの出来事が、彼女の中に大きな変化をもたらしたことは間違いなかった。

「おはよう、陽菜ちゃん!」春香の明るい声に、陽菜は我に返った。

「おはよう、春香ちゃん」陽菜も柔らかな笑顔で応える。

放課後や休日、陽菜は観音寺に足繁く通い、写経や座禅を通じて自身の能力を磨いていった。ある穏やかな春の午後、親友の真紀を誘って寺を訪れた彼女たちは、境内の掃除を手伝った後、縁側で一息ついていた。


 木漏れ日が差し込む中、真紀が不意に尋ねた。「ねえ、陽菜ちゃん。将来の夢って決まったの?」

陽菜は空を見上げ、少し考え込んでから答えた。「正直、まだよくわからないんだ。霊能者になりたいわけでもないし、かといって春香ちゃんみたいにずっと修行を続けたいとも思わない」

真紀が冗談めかして言った。「もったいないなぁ。陽菜ちゃんなら、有名霊能者になって大金持ちになれそうなのに」


陽菜は苦笑しながら首を振った。「お金が目的じゃないよ。今の私にとって大切なのは、目の前の出来事に真摯に向き合うこと。これからどうなるかはわからないけど、一歩ずつ前に進んでいくことが大切だと感じているんだ」


春香が興味深そうに聞いた。「そういえば、陽菜ちゃんって前に心霊スポットの調査に行ったんだよね?どんな感じだったの?」

陽菜の瞳に、遠い記憶が蘇る。「うん、本当に大変だったわ。たくさんの霊がいて、正直怖かった。でも同時に、私にしかできないことがあるんだという使命感も感じたの」

「へぇ、すごいね」真紀が感心したように言った。「私なら絶対に怖くて逃げ出しちゃうよ」

陽菜は優しく微笑んだ。「最初は私も怖かったよ。でも、その経験が今の私を作っているんだと思う。このお寺での修行も、きっと次の試練のための準備なんだろうね」


***村落調査の誘い***


 その言葉が予言であったかのように、ゴールデンウィーク前のある日、陽菜の携帯電話が鳴った。画面には寮の名前が表示されている。

「もしもし、寮君?」

「ああ、陽菜か。相談があるんだ...」寮の声には、かすかな緊張が混じっていた。

陽菜は息を呑んで聞き入った。寮の説明によると、再び大学の調査として心霊スポットの調査を行うことになったという。前回の調査は陽菜の不在もあり、思うような成果が得られなかったらしい。

「今回も青空大学と共同調査なんだ。陽菜、力を貸してくれないか?」


陽菜は迷わず答えた。「もちろん、参加するわ。シャミィさんも、こういった経験から学ぶことが大切だって教えてくれたし」

電話を切った後、陽菜は春香と真紀に状況を説明した。

「えー!また心霊スポットの調査?」春香が驚きの声を上げる。

「うん、そうなの」陽菜が頷くと、春香が突然言い出した。

「私も行きたい!」

陽菜は驚いて春香を見つめた。「え?でも、危険かもしれないよ?」

「大丈夫!私にも霊感はあるし、陽菜ちゃんと一緒なら怖くないもん」春香は強く主張した。

陽菜は迷った。確かに春香にも霊能力があることは知っていた。しかし、未知の危険に友人を巻き込むことへの躊躇いは拭えない。


 「春香ちゃん...」陽菜が言葉を探していると、真紀が静かに口を開いた。

「私は行けないけど、春香ちゃんなら大丈夫じゃない?陽菜ちゃんもいるし、むしろ心強いんじゃないかな」


陽菜はしばらく考え込んだ後、ようやく頷いた。「わかったわ。でも、何かあったらすぐに言ってね」

「うん!ありがとう、陽菜ちゃん!」春香は嬉しそうに飛び跳ねた。

その後、陽菜は慎重に調査の準備を進めた。心霊現象に関する書籍を読み漁り、瞑想の時間を増やし、心身を整えていった。


 出発前日、陽菜と春香は寮の家を訪れた。チャイムを鳴らすと、すぐに寮が姿を現した。

「陽菜!この子は?」寮は二人を見て、好奇心に満ちた表情を浮かべた。

「私の霊能力を持つ友達よ。今回、春香ちゃんも一緒に行くことになったの」陽菜が説明すると、寮は少し驚いた様子だったが、すぐに「入ってよ」と二人を招き入れた。

リビングに通された陽菜と春香に、寮は調査の詳細を説明し始めた。


「今回の調査地は、山奥の廃村なんだ。村落全体が心霊スポットとして知られているらしい」

陽菜と春香は真剣な面持ちで耳を傾けた。

「出没する悪霊はかなり強力で、簡単には対処できないみたいだ。前回の調査でも、何人かが体調を崩してしまったんだよ」


「大丈夫、私たちならきっと...」陽菜がそう言いかけたとき、不思議な温もりを感じた。ポケットに手を入れると、住職から貰った数珠が僅かに光を放っているような気がした。

「これは住職さんから頂いた数珠よ。霊験あらたかだって」陽菜は静かに説明した。「きっと、私たちを守ってくれるはず」

春香も力強く頷いた。


 その夜、陽菜は自室で最後の荷造りをしながら、窓から満月を見上げていた。月明かりに照らされた街並みは、昼間とは違う神秘的な雰囲気を醸し出している。

不安と期待が交錯する中、陽菜は深いため息をついた。そよ風が窓から忍び込み、彼女の髪を優しく撫でる。

突然、シャミィの声が心の中に響いた。(陽菜ちゃん、恐れることはありません。あなたには力があります。そして、大切な仲間もいます)

(でも...)陽菜が心の中で言いかけると、シャミィの声が続いた。(試練は、あなたを強くするためにあるのです。今回の経験も、きっとあなたの成長につながります。ただ、忘れないでください。霊を恐れるのではなく、理解しようと努めることが大切です。そして、時には助けを求めることも勇気なのです)

陽菜は静かに頷いた。シャミィの言葉に、心が少し軽くなる。

(ありがとう、シャミィさん)

再び窓の外を見る陽菜。満月が雲に隠れ、また姿を現す。その光が、まるで未来を照らすかのように感じられた。

(きっと大丈夫。私には仲間がいる。そして、この力がある)


 陽菜は静かに目を閉じ、明日から始まる新たな冒険に向けて、心を落ち着かせて眠りについた。

翌朝、陽菜は早起きして最後の準備を整えた。リュックに必要なものを詰め、もう一度中身を確認する。寮から貰った魔法のペンダントと数珠を身に付けた。

部屋を出ると、既に春香が待っていた。

「おはよう、陽菜ちゃん!」春香の声には、緊張と期待が混ざっていた。

「おはよう、春香ちゃん。準備はできた?」陽菜も微笑みを浮かべる。

「うん、バッチリ!」春香は大きなリュックを背負い、自信に満ちた表情を見せた。

寮の声が階下から聞こえてきた。「そろそろ、迎えの車が来る頃だ。今回は由香も一緒だから、心強いよ」


しばらくすると、お迎えのステーションワゴンが寮の家の前に滑り込むように止まった。新しいオカルト研究部の部長になった佐藤先輩が、車から降りて挨拶する。


「寮君、お待たせ。今回は、陽菜ちゃんや由香さんも同行することになって心強いよ。詳しい話は車の中でしよう。さあ、乗り込んで」

陽菜と春香、寮が最後に乗り込んだ。車が動き出すと、佐藤先輩と寮が村落の調査について、これまでの経緯を説明し始めた。

「まずは、その悪霊を浄化してしまえば、調査もスムーズに進みそう」陽菜が静かに言った。

「そうだです。障害となる悪霊や怨霊を浄化できれば、本当に調査したい場所まで辿り着けるはずです」佐藤先輩が頷きながら答えた。


車は心霊スポットの峠の入り口に差し掛かり、長いトンネルを抜け、高台を通り過ぎ、やがて廃村となった村落に到着した。

「良かった。以前のままだ。ここまでは、浄化された状態が保たれている」寮が安堵の表情を浮かべながら言った。

オカルト研究部が拠点としている古民家に辿り着き、全員で荷物を運び込んだ。陽菜は深呼吸をして、心を落ち着かせる。これから始まる未知の冒険に、期待と緊張が胸の中で交錯していた。新たな試練の幕が、今まさに上がろうとしていた。

 本編の心霊スポット村落編の再調査がはじまるエピソードとして、書いてみました。

あれから時が経ち陽菜も成長している事から、心霊スポットの調査に参加する事になります。


 と、いってもまだ、ノープランです。


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