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スピリチュアルズ ジャーニー 寮  作者: waku


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スピリチュアルジャーニー スピンオフ 陽菜編 「封印の儀 - 霊感少女の使命」

 今回のエピソードは、

陽菜が寮から離れた後の話になります。学校で起きた、ある事が発端になります。


 陽菜が元の中学校に戻って2ヶ月が過ぎた頃、クラスの雰囲気が少しずつ変わり始めていた。特に、心霊現象に興味を持つ麗奈を中心としたグループが、何か秘密めいた様子で固まって話をしているのが気になった。


 朝、登校する前、陽菜はいつものように首にペンダントを掛けた。それは、寮から贈られた魔よけのペンダントだ。シルバーの小さな五芒星の形をしており、中央には青い宝石が埋め込まれている。陽菜は指で優しくペンダントを撫で、心の中で祈った。「今日も、守ってください」


「ねえ、真紀」その日の昼休み、陽菜は親友の真紀に声をかけた。「最近、麗奈たちの様子がおかしくない?」


 真紀は少し考え込んでから答えた。「そういえば...麗奈、すごく成績が上がったって聞いたよ。それに、憧れの先輩と仲良くなったみたいなの」


 陽菜は眉をひそめた。確かに、麗奈たちの周りには何か異質な空気が漂っていた。霊を見る能力を持つ陽菜には、彼女たちの周りにうっすらと黒い靄のようなものが見えていた。その靄は、まるで生き物のようにうごめいており、陽菜の背筋が寒くなった。


「何かがおかしいわ」陽菜は真紀に向かって小声で言った。「あの黒い靄...普通の霊気じゃない」


真紀は首を傾げた。「黒い靄?陽菜ちゃん、私には何も見えないよ」


陽菜は苦笑いを浮かべた。「そうよね。ごめん、つい忘れちゃった」


その瞬間、陽菜のペンダントが微かに温かくなった。陽菜は驚いて胸元を見つめた。「これって...」


***儀式の誘い***


数日後、陽菜と真紀は図書室で勉強していた。そこへ麗奈たちがやってきた。


「ねえ、陽菜ちゃん、真紀ちゃん」麗奈が笑顔で声をかけてきた。「私たち、すごいことを見つけたの。興味ない?」


陽菜は警戒心を抱きながらも、冷静に尋ねた。「どんなこと?」


「霊を降ろす儀式なの」麗奈は興奮した様子で答えた。「試してみたら、本当に効果があったのよ。今度、一緒にやらない?」


陽菜は麗奈の目を見つめた。そこには、普段の麗奈には見られない異様な輝きがあった。まるで、別の何かが彼女の中に潜んでいるかのようだ。


真紀は少し怖がった様子だったが、陽菜は冷静さを保ちながら答えた。「考えておくよ。ありがとう」


麗奈たちが去った後、真紀が小声で言った。「陽菜ちゃん、怖いよ。どうしよう?」


陽菜は真紀の手を握りしめた。「大丈夫。でも、何か変だと思う。様子を見てみよう」


その夜、陽菜は不安な気持ちを胸に秘めながら、日記を書いた。


『11月15日。麗奈ちゃんが霊を降ろす儀式をしているらしい。でも、何か危険な気がする。麗奈ちゃんたちの周りに、得体の知れない霊的エネルギーを感じる。早く真相を突き止めないと...』


日記を閉じると、突然、陽菜の心の中で優しい声が聞こえた。


(陽菜ちゃん、気を付けてください)


陽菜は驚いて周りを見回した。部屋には誰もいなかったが、心の中でシャミィの存在を感じた。シャミィは陽菜の指導霊で、時折このように語りかけてくることがあった。


「シャミィさん!」陽菜は小さな声で呟いた。(どうして...)



シャミィの声が再び心の中に響いた。(あなたの不安を感じたの。陽菜ちゃん、危険が近づいています。でも、恐れることは、ありません。あなたには霊光弾があります)


陽菜は深い息を吐き出し、ペンダントを強く握りしめた。(シャミィさん、わかったよ。気をつける。友達を守るためにも、頑張るよ)


***心霊調査***


 翌日から、陽菜と真紀は麗奈たちの様子を注意深く観察し始めた。確かに、彼女たちは急に成績が上がり、人気者になっていった。しかし同時に、顔色が悪くなったり、些細なことで怪我をしたりと、不吉な兆候も現れ始めていた。


ある日の放課後、陽菜と真紀は麗奈たちの後をこっそりとつけた。彼女たちは誰もいない教室に入り、円になって座った。陽菜と真紀は窓の外から様子を窺った。


 麗奈たちは何かを唱え始め、突然、部屋の空気が凍りつくような寒気に包まれた。陽菜の目に、黒い霧のような存在が現れ、麗奈たちの周りを取り巻いていく様子が見えた。


「まずいわ」陽菜は小声で呟いた。「あれは、ただの霊じゃないかもしれないわ。もっと危険な存在みたい」


真紀は陽菜の腕をつかんだ。「陽菜ちゃん、怖い...あの子たち、本当に大丈夫かな」


陽菜は真紀を安心させるように微笑んだ。「大丈夫。私が何とかするわ」


しかし、その言葉とは裏腹に、陽菜の心臓は激しく鼓動していた。これまで経験したことのない強大な霊力を感じ取っていたからだ。


数日後、麗奈が学校を休み始めた。続いて、グループの他のメンバーも体調を崩していった。陽菜は事態の深刻さを感じ取り、真紀と相談した。


「もう、これ以上、見過ごせない」陽菜は決意を込めて言った。「私たちで、この問題を解決しないと手遅れになってしまうかもしれないわ」


真紀は不安そうな表情を浮かべながらも、頷いた。「うん。私も協力するよ」


二人は、麗奈たちのグループに近づき、儀式に参加する意思を示した。麗奈たちは喜んで二人を受け入れた。しかし、その目は虚ろで、まるで操り人形のようだった。


儀式の日、陽菜と真紀は緊張しながら教室に向かった。そこには、すでに麗奈たちが円になって座っていた。二人も輪に加わり、儀式が始まった。


麗奈が呪文のような言葉を唱え始めると、部屋の空気が急激に変化した。陽菜の目の前に、優しげな表情の霊が現れた。しかし、その姿の背後に、恐ろしい形相の影が見え隠れしていた。


「みんな、気をつけて!」陽菜は叫んだ。「これは罠よ!」


しかし、麗奈たちはすでに霊に魅了されていた。彼女たちの目は虚ろで、まるで操り人形のように動いていた。


突然、優しげな霊の姿が歪み始め、醜い怨霊の姿に変わっていった。その姿は、人間と動物が融合したような異形の姿をしており、黒い靄を纏っていた。


「愚かな人間どもよ」怨霊は低く唸るような声で話し始めた。「お前たちの生命力が、私を蘇らせるのだ」


陽菜は恐怖で震える真紀の手を握りしめた。「みんな、目を覚まして!」


しかし、麗奈たちは怨霊の言葉に操られ、陽菜たちに向かって歩み寄ってきた。


***悪霊との対峙***


 陽菜は深呼吸をし、両手を胸の前で合わせた。「光よ、闇を照らし、迷える魂を導きたまえ...」と祈った後、「霊光弾」と呟いた。


彼女の回りに青白い霊光の球が複数、現れ麗奈たちを霊光の光で包み込んで行った。


光に包まれた瞬間、麗奈たちは悲鳴を上げた。そして、彼女たちの体から黒い靄のようなものが抜け出し、空中で渦を巻き始めた。


「真紀、みんなを守って!」陽菜は叫びながら、渦巻く黒い霧に向かって更なる霊光弾を放った。


しかし、怨霊は陽菜の攻撃をものともせず、黒い障壁を張り巡らせた。霊光弾は、その障壁に阻まれ、消えていってしまう。


「なんて...強大な力...」陽菜は息を切らしながら呟いた。


その時、陽菜の心の中でシャミィの声が聞こえた。「陽菜、恐れることはないわ。あなたの中にある力を信じてください」


陽菜は無意識のうちにペンダントを握りしめていた。すると、ペンダントが強く輝き始め、陽菜の体に温かいエネルギーが流れ込んでくるのを感じた。


「そうか...」陽菜は目を閉じ、深く集中した。


両手を前に突き出すと、まばゆい光の球体が形成された。それは、これまでの霊光弾とは比べものにならないほど大きく、強い光を放っていた。槍のイメージをすると、光の玉が槍の形に変化していった。


「行け!」陽菜は叫び、光の槍を怨霊に向かって放った。


ひかりの槍は、怨霊の張り巡らせた障壁を易々と貫き、怨霊の胸を直撃した。


「ぎゃああああ!」怨霊は苦悶の叫びを上げ、その姿が歪み始めた。


陽菜は更に集中し、次々と光の球体を放った。怨霊の姿が徐々に崩れていく。


最後の一撃で、怨霊は光に包まれ、消滅した。教室に静寂が戻った。


麗奈たちは、まるで長い夢から覚めたかのように、ゆっくりと目を開いた。


「あ...私たち、何を...」麗奈が弱々しい声で言った。


陽菜は安堵のため息をつきながら、みんなの様子を確認した。幸い、大きな被害はなかったようだ。


「ねえ、麗奈ちゃん、この儀式のこと、もっと詳しく教えてくれないかな」陽菜は優しく、しかし真剣な表情で尋ねた。


麗奈は涙ぐみながら話し始めた。「私...自信がなくて、何か力になるものが欲しかったの。そしたら、ネットで見つけた儀式があって...」


話を聞くうちに、陽菜は事態の全容を把握した。麗奈が家に作った小さな祠が、この世とあの世を繋ぐポータルになっていたのだ。


「みんな、聞いて」陽菜は全員に向かって言った。「これは単なるいたずらじゃないわ。本当に危険な行為だったの。でも、もう大丈夫。これからは、こういうことに手を出さないでね」


全員が深く反省し、二度とこのような危険な行為はしないと誓った。


***封印の儀***


その夜、陽菜と真紀は麗奈の家を訪れた。麗奈の両親に事情を説明し、協力を得て、問題の祠に向かった。


祠の前に立つと、陽菜はその異様な霊気を感じ取った。「ここね」彼女は真紀に目配せした。


二人は手を取り合い、寮から教わった封印の儀を始めた。「光よ、闇を封じ、穢れを祓いたまえ...」


儀式が進むにつれ、祠から黒い霧が立ち昇り始めた。しかし、陽菜と真紀の力強い思いが、その霧を押し返していく。


突然、祠から強大な霊力が噴出し、陽菜と真紀を押し戻した。黒い霧が渦を巻き、その中心から怨霊の姿が現れ始めた。


「まさか...まだ消滅していなかったの?」陽菜は驚きの声を上げた。


真紀は恐怖で震えながら、陽菜の腕にしがみついた。「ど、どうしよう...」


陽菜は深呼吸をし、冷静さを取り戻そうとした。「大丈夫。私たちには、これを封じる力があるわ」


陽菜は真紀の手を取った。「真紀ちゃん、私と一緒に唱えて」


二人は声を合わせ、封印の呪文を唱え始めた。陽菜は決意を固めるように、ペンダントを強く握りしめた。


怨霊は苦悶の叫びを上げ、その姿を歪ませながら抵抗した。「愚かな...人間ども...この程度の力で、私を封じることなどできぬ!」


怨霊の放つ黒い霧が、陽菜たちに襲いかかる。しかし、二人の強い意志が、それを跳ね返した。


「もう一度!」陽菜は叫んだ。


陽菜と真紀の掛け声と共に、祠を包み込むように光が広がった。怨霊の姿が光に包まれ、徐々に消えていく。


「ぎゃあああああ!」


怨霊の悲鳴が夜空に響き渡る。最後の一撃で、怨霊は完全に消滅した。祠から立ち昇っていた黒い霧も、跡形もなく消え去った。


陽菜と真紀は、疲れ果てて地面に座り込んだ。


「終わったのかな...?」真紀が小さな声で尋ねた。


陽菜はうなずいた。「うん、やっと終わったね」


陽菜の心の中で、シャミィの声が聞こえた。(陽菜ちゃん、よくやりました。この祠は完全に浄化され、もうポータルとしての機能を失いました」


***お寺のお祓い***


 翌日、陽菜たちは近くの観音寺を訪れ、儀式に使った道具や書物をお焚き上げしてもらうことにした。住職の深谷さんは事情を聞くと、厳かな表情で頷いた。


「よくぞ、ここまで持ち堪えてくれました」深谷住職は言った。「では、お焚き上げの準備をいたしましょう」


麗奈たちのグループも一緒に来ており、全員でお焚き上げを見守った。煙が立ち昇る中、みんなが安堵の表情を浮かべた。


お焚き上げが終わると、深谷住職は麗奈たちにお祓いを施した。「これで、あの怨霊の影響は完全に消えたはずです」


その時、寺の奥から若い女の子が現れた。


「お父さん、お客様ですか?」


深谷住職は微笑んで答えた。「ああ、春香。こちらは陽菜さんたちだ。大変な経験をしたんだよ」


春香は陽菜たちに向かって深々と頭を下げた。「初めまして。深谷春香です。お疲れ様でした」


陽菜は春香に微笑みかけた。「ありがとう。私は陽菜です。こちらは真紀ちゃん」


春香は興味深そうに陽菜を見つめた。「もしかして...あなたも霊感があるの?」


陽菜は少し驚いた表情を浮かべたが、すぐに柔らかな笑顔に戻った。「うん、そうなの。春香さんも?」


春香はうなずいた。「ええ、少しだけど。でも、まだ修行中なの」


深谷住職が二人の会話を聞いて、穏やかな表情で言った。「春香、陽菜さんたちとお茶でも飲みながら話をしたらどうだ?きっと、互いに学ぶことがあるだろう」


陽菜と春香は顔を見合わせ、笑顔で頷いた。


お茶を飲みながら、陽菜たちは春香と霊能力について語り合った。春香は寺で修行を積んでいる身であり、陽菜とはまた違った視点を持っていた。


「陽菜さんは、生まれながらにして霊感があったんですね」春香は感心したように言った。


陽菜は少し照れながら答えた。「うん。でも、ちょっと違うかな。偶然、そうなったみたいな感じかな。。。。」


春香は真剣な表情で頷いた。「突然、霊能力に目覚める方の話も伺います。陽菜さんは、何か使命を持っているのかも知れませんわね。」


真紀は二人の会話を興味深そうに聞いていた。「私には何も見えないけど、陽菜ちゃんと春香さんの話を聞いていると、不思議な世界があるんだなって感じるね」


春香は真紀に微笑みかけた。「霊感がなくても、真紀さんには真紀さんにしかできないことがあるはずです。陽菜さんを支えているのも、真紀さんなんでしょう?」


真紀は嬉しそうに頷いた。「うん、そう言ってもらえると嬉しいな」


陽菜は二人の会話を聞きながら、心が温かくなるのを感じた。確かに、霊能力は時に重荷になることもある。しかし、こうして仲間と語り合えることで、その重荷も少し軽くなる気がした。


話が尽きないまま、日が暮れ始めた。陽菜たちは帰り支度を始めた。


「また来てくださいね」春香は笑顔で言った。「次は私の修行の様子も見てもらえたら嬉しいです」


陽菜は嬉しそうに頷いた。「うん、絶対来るわ。私も、まだまだ修行が必要だから、一緒に頑張ろうね」


帰り道、陽菜と真紀は静かに歩いていた。突然、真紀が口を開いた。


「ねえ、陽菜ちゃん。私も、何か役に立てることないかな」


陽菜は驚いて真紀を見た。「真紀ちゃん...」


真紀は真剣な表情で続けた。「私には霊感はないけど、陽菜ちゃんのそばにいて、支えになりたいの」


陽菜は優しく微笑んだ。「真紀ちゃんは、もう十分私を支えてくれてるよ。あなたがいるから、私は強くなれるの」


二人は手を取り合い、夕暮れの街を歩いていった。


その夜、陽菜は日記にこう記した。


『11月30日。大きな試練を乗り越えた。私の能力は、時に重荷に感じることもある。でも、今回のように誰かを助けることができるなら、それは素晴らしい贈り物だと思う。真紀との絆も深まったし、みんなの大切さを改めて感じた。そして、新しい仲間・春香とも出会えた。これからも、この力を正しく使っていきたい。』


陽菜はペンダントを握りしめ、静かに呟いた。「寮君、これからも頑張るよ」


窓の外では、満月が優しく輝いていた。陽菜は深呼吸をし、心地よい疲労と充実感を感じながら、静かに目を閉じた。



 今回の話は、よく学校でありそうな出来事をテーマにしてみました。

寮の物語と比較すると、身近な出来事としてありそうな心霊現象を扱ってみました。


 陽菜のエピソードとしては、まだ中学生なので、

いきなり飛躍した展開にするのも極端になるかも知れないので、

近所や身近な事件をテーマに書いてみました。


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