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スピリチュアルズ ジャーニー 寮  作者: waku


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オカルト研究部の帰還と未来に向かって 最終話

心霊スポットの廃村を調査し、一旦引き上げる事になったオカルト研究部。

山岳部の廃村である為、冬の到来を避ける為の決断もあった。

10月下旬、山深い廃村での心霊調査も終盤を迎えていた。オカルト研究部の部員たちは撤収作業に取り掛かっていた。


 大学の部室で後方支援を行っていた水野は、帰還してきた佐藤に尋ねた。「僕たちが作ったドローンは役に立ちましたか?」


佐藤は無言で壊れたドローンを水野に手渡した。「途中で電波障害にあい墜落してしまったんだ」

水野は落胆しつつも、「でも、役に立ちましたよね?このドローンは。オカルト部の調査の糧になりましたよね?」と、希望を込めて聞いた。


佐藤は悔し涙を流しながら答えた。「何の成果も得られませんでした!」

水野はうずくまり、「僕の作ったドローンが役に立たなかったなんて...」と落ち込んだ。


 そこへ一之瀬先輩が現れ、水野の肩を叩いた。「十分に役立ったよ。いつもの佐藤のジョークさ」

その言葉に、部室の空気が和らいだ。


 翌日、部室で一之瀬先輩たちと話し合う機会があった。一之瀬先輩は寮に向かって言った。「寮君、今までありがとう。僕も来年の春には卒業だ。今後、こういった大規模な心霊スポットの調査はできなくなると思うと残念だ」

寮は悔しそうに答えた。「僕の霊能力がもっとあれば、もっと先に進めたかもしれません」

一之瀬先輩は真剣な表情で寮に向かって言った。「折り入って頼みたいことがあるんだ。できたら、オカルト研究部に入部してほしい。残念ながら、今のオカルト研究部には、寮君ほど霊的なことに詳しい部員はいないんだ。お願いするよ」


 寮はしばらく考え込んだ後、口を開いた。「今の僕が入部しても、根本的な解決にはなりません。でも、一之瀬先輩の気持ちを汲み取って入部します。多分、その方が、他の部員の無茶な心霊スポット調査を止められると思います」


一之瀬先輩は笑いながら答えた。「僕の気持ちが分かっているのは寮君だけだ。もう、これ以上、心霊スポットの調査は止めようと考えていたんだ」


寮は続けた。「陽菜ちゃんがいたら、また違っていたかもしれません」

一之瀬先輩は深く頷いた。「陽菜ちゃんは特別すぎるよ。多分、今の日本中を探しても、あれだけの力を持っている子はいない。何しろ、我々が研究した浄化方法でも太刀打ちできない悪霊や怨霊を次々と浄化してしまうんだからね。驚異的な力だよ」


寮は新しい提案を持ち出した。「これまで調査してきた情報をまとめたり検証したりすることを行います。それと、オンライン魔法学校にオカルト研究部員たちの何名かに入会してもらって勉強をしてもらおうと考えています」

一之瀬先輩はその提案を聞いて笑顔になった。「新しい人材育成につながる。これで、僕がいなくなってもオカルト部は存続するね」

こうして、寮はオカルト研究部員として正式に認められた。


数日後、水曜日のオカルト研究室は興奮と期待で溢れていた。寮が提案したオンライン魔法学校への参加について、具体的な話し合いが行われたのだ。

寮は部員たちの前で説明を始めた。「みんな、オンライン魔法学校の申し込み期限が近づいているんだ。この機会に知識と能力が深まると思う。どうする?」

葵が目を輝かせて手を挙げた。「私、申し込みます!魔法を学ぶことで、もっと霊能力を活用できるようになりたいです」


沙織も興味を示した。「私も参加します。少しでも学んでオカルト部の役に立ちたいです」

海斗も手を挙げた。「僕も立候補します。山小屋でただビビっているだけじゃカッコ悪いからね」

他にも数名が参加を希望し、登録することになった。

一之瀬先輩は満足げに頷いた。「これで、オカルト部も新しい人材が育つね。部の活動幅も広がり、個々の能力向上も期待できる」


寮はノートパソコンの画面を開き、笑顔で説明した。「じゃあ、参加で決まりだね。ここから個人登録をして、毎日のメールセミナーを受けるんだ」


***新しい試み***


 その後、寮の頭の中はさらに先を考えていた。これまでの調査データを整理しながら、オカルト研究部の真の目的とは何か、どうしたら活動が役立つのか、深く考えを巡らせた。

そしてある日、寮は一つの提案をした。「一之瀬先輩、オンラインで相談窓口を開設しませんか?」

この提案は、オカルト研究部を大きく変えることとなった。一之瀬先輩や他の部員も良いアイデアだと賛成し、さっそく実行に移された。

ウェブサイトの立ち上げ、SNSでの広報活動、YouTube配信、匿名で相談できるシステムの構築など、精力的に準備が進められた。


すると、予想以上の反響があった。身の回りの不可解な現象、心霊スポットの情報、霊感に悩む人々からの相談、怪奇現象の目撃情報など、数多くの問い合わせが日に日に増えていった。

また、オンライン魔法学校で学んだ知識を活かし魔除けのアイテムやアクセサリーも提供するようになった。

オンライン相談については、オカルト研究部員の活動調査のデータを駆使し、科学的アプローチと霊的視点の両面から丁寧にアドバイスを行った。


その評判は広く浸透し、一部のメディアにも紹介されるようになった。


3月に入り、一之瀬先輩の卒業が近づいてきた。部員たちによる卒業懇親会が開かれ、寮は感謝の言葉を述べた。「一之瀬先輩、これまでの活動、お疲れさまでした。社会人になってからも頑張ってください」

一之瀬先輩は笑顔で答えた。「ありがとう。君たち後輩が育ってくれて僕も嬉しいよ。これからは新部長の佐藤に任せる。寮君は副部長として頼んだよ」さらに続けて、「海斗くん、葵さん、沙織さん、君たちはそれぞれの班長として各部署を頼んだよ。こんなに部員が増えるなんて僕は嬉しいよ」

卒業式の日、部員たちは早朝から集まり、先輩を祝福する準備に余念がなかった。式が終わり、キャンパスの門で最後の別れの時、寮が前に出て決意を述べた。


「一之瀬先輩、私たちはこれからも先輩の教えを胸に、オカルト研究部を発展させていきます。そして、人々の悩みに寄り添い、不可思議な現象の解明に努めます」


一之瀬先輩は深く頷き、「君たちなら、きっとできる。オカルト研究部の未来は明るいよ」と言って去っていった。


見送りを終えた部員たちは、部室に戻り円陣を組んだ。新部長となった佐藤が中心に立ち、「これからは僕たちの番だ。さらに素晴らしいオカルト研究部を作り上げよう!」と呼びかけた。


 全員で「オー!」と気合いを入れる中、寮は静かに微笑んだ。心の中で、一之瀬先輩への誓いと、いつか戻ってくるかもしれない陽菜への思いを新たにしていた。

そして、春休みのある日、予期せぬ来訪者が寮のもとを訪れた。

「寮くん、久しぶり」

その声に振り返ると、そこには懐かしい笑顔の陽菜が立っていた。


 「陽菜ちゃん!」寮は驚きと喜びで声を上げた。「どうしたの?突然」

陽菜は少し照れくさそうに答えた。「うん、ちょっと寄ってみようと思って。寮くんたち、すごく頑張ってるって聞いたから」


 二人は近くのカフェに入り、これまでの出来事を語り合った。オカルト研究部の新しい取り組みや、陽菜の修行の話など、時間を忘れて話が弾んだ。


そして、陽菜が突然言った。「ねえ、寮くん。今度の春休みか、連休、夏休み辺りに、また心霊スポットに行かない?私も、あれからちょっとだけ強くなったよ」

寮は驚きつつも、嬉しさを隠せなかった。「本当に?それは楽しみだな。僕たちも、いろいろと成長したんだ。今度は違った調査ができるかもしれない」


陽菜は目を輝かせながら頷いた。「うん、きっと素晴らしい発見があるはず。楽しみにしてるね」

その後、寮は新しいリーダーとしての役割を果たしながら、大学3年生になっても精力的に活動を続けた。オンライン相談システムは多くの人々に支持され、地域社会からも高い評価を受けるようになった。


***新たな挑戦と未来への一歩***


春のある日、オカルト研究部の部室に興奮が走った。

「みんな、聞いてくれ!」佐藤部長が声を上げた。「僕たちの活動が認められて、大学から正式な研究グループとして認定されることになったんだ」

歓声が上がる中、寮が前に出た。「それだけじゃないんだ。僕たちのオンライン相談システムが、地域の心理相談センターと提携することになった。科学的アプローチと霊的アプローチの両面から、悩みを抱える人々をサポートできるんだ」


葵が興奮気味に付け加えた。「私たちが作った護符が、実際に効果があったという報告も増えてきているわ!」

海斗も笑顔で報告した。「ユーチューブチャンネルの登録者数が10万人を突破したぞ!オカルト現象の科学的解明動画が大人気なんだ」

沙織は静かに、しかし確信を持って言った。「私たち、本当に人の役に立っているんだね」

寮は窓の外を見つめながら、心の中でつぶやいた。


(一之瀬先輩、見ていてください。私たちは、あなたの思いを受け継ぎ、さらにその先へ進みます。そして陽菜ちゃん、君との新しい冒険も楽しみにしている)


その後、寮はふと思い出した。「そういえば、今日はひかりと約束があったんだ」

「どんな約束?」と佐藤が尋ねた。

寮は少し照れくさそうに答えた。「実は、占いサロンマリアに行くことになっているんだ。これからの活動や未来についてのアドバイスを受けようと思って」


「へえ、それいいわね!」葵が目を輝かせた。「後で占いの結果、教えてね」


***占いサロンマリアへの訪問***


寮が先に待っていると、ひかりの声が聞こえてきた。「寮君、お待たせ」

「一緒に行こう」寮が返す。二人で占いサロンマリアに向かった。

占いサロンに着くと「いらっしゃいませ」と由香の声が響いた。

由香は、専門学校を卒業し占いサロンのスタッフとして働くことになっていた。

「寮君、ひかりちゃん、元気にしてた?」


「由香も元気そうだね」と寮が返す。

由香は二人を奥の個室に案内した。「今日は特別に、私が占わせていただきますね」

寮とひかりは緊張しながらも、期待に胸を膨らませた。


由香はタロットカードを広げ、真剣な表情で占いを始めた。しばらくして、彼女は微笑んだ。

「寮君、あなたの未来は光に満ちています。これまでの努力が実を結び、多くの人々の心に寄り添える存在になるでしょう。ただし、時には自分自身のケアも忘れずにね」


寮は深く頷いた。由香の言葉は、彼の心に強く響いた。


「そして、ひかりちゃん」由香は続けた。「あなたは寮君の大切な支えになります。二人で力を合わせれば、乗り越えられない壁はないでしょう」

占いを終えて外に出た二人は、新しい決意に満ちていた。


「ねえ、寮君」ひかりが言った。「私も、もっとオカルト研究部の活動に協力したいな」

寮は嬉しそうに笑った。「ありがとう、ひかり。一緒に頑張ろう」


春の風が新緑の葉を揺らす中、オカルト研究部の新たな章が始まろうとしていた。彼らの前には、未知なる謎と、救いを求める人々が待っている。科学と霊能力、理性と直感を武器に、彼らは人々の希望となるべく歩み出す—。


そして、夏休みが近づくにつれ、寮の心は高鳴っていた。陽菜との約束の心霊スポット調査が現実味を帯びてきたからだ。新たな発見と冒険が、彼らを待っているに違いない。


オカルト研究部の物語は、ここで一旦の区切りを迎える。しかし、彼らの真の冒険は、まだ始まったばかり。未知の現象と向き合い、人々の心に寄り添いながら、彼らは成長を続けていく。

そして誰もが知っている。この物語は、まだまだ続いていくということを—。

(終)


今回で、一旦、最終回になります。


新シリーズの可能性もありますが、

これまでアップした文書の調整を行って行きたいと考えています。


 ネタ切れと言う事も無く、どちらかと言えばもっと濃い内容にしたい所もあり、敢えて最終回にしています。タイムラインでは、大学を卒業後、社会人としての活動も考えています^^


さらにその先も考えていますが、ここまで書き続けるとなると、かなり時間もかかるので、今の段階では難しいと思います。けっこうスピリチュアル観が強くなる可能性もあり思想的な事も入るので難しいかな?と、思う所もあります。なるべくエンターテーメントとして楽しめる話を目指していたので、あまり複雑にしない形では、今の感じの方が分かりやすいと思いました。

 

 スピンオフ的に、短編として関連を持たせた話を書く予定もあります^^


 ご購読、ありがとうございました。



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