心霊スポット、亡霊の謎
昨夜の亡霊出現の出来事から、一之瀬先輩は原因究明に臨みます。
冴え渡る朝日が山の端から顔を覗かせる中、一夜の恐怖を乗り越えたチームのメンバーたちは、疲労困憊しながらも安堵の表情を浮かべていた。
陽菜は震える手で額の汗を拭いながら呟いた。「こんなに霊光弾を使い続けたのは初めて...。亡霊の数が尋常じゃなかったわ」
寮は優しく微笑み、陽菜の肩に手を置いた。「本当によく頑張った、陽菜。君のおかげで助かった」
由香も疲れた顔で頷きながら言った。「私も浄化スプレーをこんなに使ったのは初めてよ。あの緑公園の時なんて可愛いものだったわ」
海斗は顔色が青ざめたまま、声を震わせて話した。「外を調べましたが山小屋に手形の跡や掻きむしった後が無数に刻まれています。こんなにはっきり、後が残っているなんて...信じられません」
一之瀬先輩が全員を集め、落ち着いた声で指示を出した。「皆、昨夜はよく頑張った。まずは休息を取ろう。午前10時に再集合だ」
メンバーたちは疲れ切った体を引きずるように仮眠をとりに向かった。しかし、その短い休息の間も、夜の恐怖は彼らの心から離れることはなかった。
午前10時、全員が再び集合した。寮が窓の外を見やりながら、不思議そうに言った。「昨夜あれだけの亡霊がいたのに、今は何も無いみたいです」
一之瀬先輩は眉をひそめ、考え込んだ。「確かに奇妙だ。何もなかったところに突然、亡霊が現れるのは不自然すぎる」
***霊道と祠の封印***
その時、陽菜が小さな声で意見を述べた。「あの...中学校の時の霊道の封印のことを思い出したんです。もしかして、この山小屋の周辺にも霊道があるのかもしれません」
その言葉に、チーム全員が目を見開いた。由香は即座に行動を起こし、地図を広げてペンデュラムを使い反応のある場所を探し始めた。「見つかったわ!近くに祠や無縁仏のお墓がたくさんあるの。数十カ所もあるわ」
一之瀬先輩は決断を下した。「よし、二つのグループに分かれて調査と封印を行おう。時間との戦いだ」
チームは迅速に行動を開始した。一之瀬先輩のグループは山小屋に近い場所から、寮のグループは最もエネルギーの強い場所から封印を始めた。
昼過ぎ、援軍が到着し作業ペースが上がった。しかし、それでも日は容赦なく沈んでいく。
夕方5時、一之瀬先輩が全員を集めた。「30カ所中18カ所の封印が終わった。しかし、まだ12カ所も残っている」
新たに加わった部員から「また、今夜も亡霊が現れたら、対処する術があるのですか?一旦引き上げましょう」と、撤退の提案が出たが、一之瀬先輩は難色を示した。「今から下山しても安全とは言えない。むしろ、この山小屋に留まる方が賢明だ」
夕方6時、チームは山小屋に戻った。一之瀬先輩は厳しい表情で言った。「仮眠を取ろう。亡霊が現れたら即座に知らせるように。連絡係は交代制だ」
疲れ切ったメンバーたちは早めに休んだが、誰もが心の中に不安を抱えていた。窓の外では再び霧が立ち込め、不気味な木々のざわめきが聞こえ始めた。
深夜0時を過ぎた頃、由香の慌てた声で陽菜は目を覚ました。「陽菜ちゃん、起きて...また、亡霊が現れたの」
陽菜は急いで窓際に駆け寄った。昨夜と同様、無数の亡霊が小屋の周りに集まっていた。しかし、今回は何かが違っていた。
寮が緊張した面持ちで言った。「昨日より2時間遅い...。封印した霊道の影響かもしれない」
海斗は自信なさげに付け加えた。「結界を強化しました。2時間は持つはずです」
沙織も計算を始めた。「小屋の結界が破られるまで考えると5時間...夜明けまで持てば大丈夫です」
一之瀬先輩は厳しい表情で全員を見回した。「油断は禁物だ。最後まで気を抜くな」
しかし、彼らの予想は外れた。たった1時間で土地の結界は破られ、寮は以前にない邪悪なエネルギーを感じ取った。
寮、陽菜、由香は小屋の外に出て、準備していた魔法陣の中に入った。寮は陽菜に指示を出し、由香は浄化スプレーと結界術で防御に専念した。
陽菜は巨大な髑髏のような形をした怨霊に向かって、集中して霊光弾を放った。小屋の中にいた葵は恐怖で凍りついていた。
一之瀬先輩も状況の予想外の展開に戸惑いを隠せなかったが、冷静さを保とうと努めた。「数は昨日より少ない。なんとか持ちこたえれば...」
3時間が経過した頃、怨霊の数が減り始め、その力も弱まってきた。寮たちも限界に近づいていた。
一之瀬先輩の指示で、三人は急いで山小屋に戻った。陽菜は最後の力を振り絞り、数十の霊光弾を放って亡霊を浄化して退路を確保した。
「あなたたちは立ち入り禁止です」陽菜の声が夜空に響いた。
そして、また1時間が過ぎた頃、朝日と共に亡霊たちの姿が消えていった。
疲労困憊のチームメンバーたちは、互いの顔を見合わせ安堵した。
***残りの祠と霊道の封印***
朝日が山々を照らし始める中、疲労困憊のチームメンバーたちは互いの顔を見合わせ、安堵のため息をついた。しかし、その安堵感も束の間のものだった。
一之瀬先輩が静かに、しかし力強い声で言った。「よく頑張った。だが、我々の仕事はまだ終わっていない。残りの12カ所の祠と霊道を封印しなければ、今夜も同じことが繰り返されるだろう」
その言葉に、メンバー全員の表情が引き締まった。
一之瀬先輩は全員を見回し、「二手に分かれよう。私と葵、由香、沙織、それに連絡係の部員で一組。寮、陽菜、海斗でもう一組だ。常に連絡を取り合いながら作業を進めるんだ」
チームは素早く準備を整え、それぞれの担当エリアへと向かった。山中を進みながら、彼らは前夜の恐怖を振り払おうと必死だった。
寮のグループが最初の祠に到着した時、彼らは息を呑んだ。祠の周りには、無数の手形とかき傷が残されており、木々は不自然に歪んでいた。
陽菜が震える声で言った。「これは...昨夜の霊たちの痕跡と同じだわ」
寮と陽菜は祠の前に立ち、目を閉じて集中し始めた。彼の周りに淡い光が現れ、徐々に強くなっていく。
「陽菜、霊光弾を準備して。何か出てきたら即座に対処するんだ」寮が指示を出した。
封印の儀式が始まると、突如として周囲の空気が重くなり、木々が激しく揺れ始めた。祠から黒い霧のようなものが噴き出し、恐ろしい呻き声が聞こえてきた。
陽菜は素早く反応し、霊光弾を放った。「戻りなさい!ここはもうあなたたちの居場所じゃない!」
寮の詠唱が高まるにつれ、黒い霧は徐々に薄れていき、最後には一筋の光とともに消えていった。
一方、一之瀬先輩のグループも苦戦を強いられていた。由香の浄化スプレーが尽きかけ、沙織たちの結界も限界に近づいていた。他の部員も盛り塩て結界を作ったり、お札を貼るなどしてサポートを行った。
「みんな、もう少しだ!」一之瀬先輩の声が響く。
両グループは互いに連絡を取り合いながら、一つずつ封印を進めていった。時には予期せぬ強い霊の抵抗にも遭遇し、全員で応援に駆けつけることもあった。
日が傾き始める頃、ようやく7カ所目の封印が完了した。全員が集まり、疲労の色を隠せない。
一之瀬先輩は厳しい表情で言った。「よくやった。だが、まだ5カ所残っている。今日はここまでだ。山小屋に戻ろう」夕暮れの中、疲れ果てたチームメンバーたちは互いを見つめ少し案著していた。
陽菜が「今日の封印も大変だったね。後、5カ所も残っているのね。」と、ぼやいた。
一之瀬先輩が「想像している以上に手ごわい場所だ。まだ、トンネルの向こう側の調査を開始する前に、ここまで消耗するとは、考えても無かった」と、伝えた。
他の部員達も話し合っていた。調べた結果、次の事が分かった。
葵「低山の祠みたいなのが、こんなにたくさん集中していること自体、異常な場所です。」
沙織「色々と過去の歴史を調べて見て分かった事が数多くあります。」
戦国時代、山城の戦いで多くの人々が犠牲になった事。
トンネル工事の事故で多くの人が犠牲になって亡くなった事。
過去、土砂崩れで村落が生き埋めになった事。
これまで、数多くの事件や事故が多発している事など報告した。
海斗が一之瀬先輩に質問した。「今夜も、また、亡霊が現れるでしょうか?」
一之瀬先輩は「まだ5カ所も祠が残っている。可能性は高い。」と告げた。
次回も心霊スポットの話になります。このまま、解決する事ができるのか?謎が深まって行きます。
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