海辺の学校と霊の試練
夏休みに入り、寮達はあるボランティア研修に参加する事になった。そのボランティア研修に興味を持った、陽菜も一緒に参加すると言い出した。。。
***夏休みの夕方***
寮は、いつもの様に陽菜に、学校の宿題と、霊光弾の使い方について教えていた。
その後、今度、海の学校でのボランティア研修について陽菜に話し始めた。寮の目には、いつもの真面目さと共に、何か新しい冒険への期待が宿っていた。
夏の陽射しが眩しい午後、寮は友人たちに海の学校でのボランティア研修について話し始めた。
「今年の夏休みは、海の学校でボランティア研修に参加することにしたんだ」と寮が言うと、陽菜の瞳が好奇心に輝いた。
「私も行きたい!」陽菜は即座に反応した。
寮は少し困ったように眉をひそめた。「でも、これは遊びじゃないんだ。研修だから、楽しくないかもしれないよ」
陽菜は肩をすくめた。「それでもいいの。私も行きたいわ」
「ふーん」陽菜はにやりと笑った。「海の学校だから海に入れるでしょ。それに...ひかりさんとイチャイチャしたいからじゃない?」
寮は顔を赤らめながらも、真面目な表情を崩さなかった。「イチャイチャなんてしないよ。お互いにボランティア活動の仲間としての参加なんだからな」
陽菜は笑みを浮かべながら答えた。「そう言うことにしておいてあげるわ」
結局、陽菜も海の学校のボランティア研修に参加することになった。
***海の学校でのボランティア研修***
海の学校に到着した初日、彼らは早速清掃活動に取り掛かった。汗を流しながら砂浜のゴミを拾い集める中、寮は時々、陽菜とひかりの様子を確認していた。ひかりの優雅な動きと、陽菜の元気いっぱいの姿が対照的だった。
清掃活動の後、午後からボランティア活動の心構えや、これから行う研修の説明が行われた。寮は真剣な面持ちでメモを取り、陽菜は時折退屈そうな表情を見せながらも、懸命に話を聞こうとしていた。
初日のボランティア研修のカリキュラムが終了し、自由時間に寮は陽菜に尋ねた。「陽菜ちゃん、今日はどうだった?」
陽菜は「思っていたより、難しいことでもなさそうね。明日からの研修が楽しみ」と答えた。
***海の救助訓練***
翌日から実地訓練が始まった。海に入って救助活動のサポートや溺れた人を救助するための訓練など、実践的な内容だった。
陽菜とひかりは水着に着替えて訓練の指定場所で待っていた。陽菜はひかりと胸を比べて「私、負けちゃったわ...」と呟いた。
ひかりが不思議そうに尋ねた。「え、何が負けたの?」
「い、いいえ、何でもありません。」陽菜は慌ててごまかした。「ひかりさんみたいになれたら私もいいなって...」
ひかりは優しく微笑んだ。「あ、そうか。陽菜ちゃんも今は、シャミィから霊能者のトレーニングを受けているのよね。大丈夫、シャミィが付いているから、寮君や私以上の霊能者になれるわ」
陽菜は(それは、また、別の問題だわ)と心の中で呟いた。(胸の事は、魔法で解決する事は難しいかもしれないです)とシャミィも心の中で答えた。
陽菜は顔が真っ赤になった。
さっそく、海の救難訓練が行われた。
まず、男女別に分かれて、それぞれ訓練を開始した。男性たちは、女性と別行動になった事に残念がった。
寮達は、救助ボートに乗り込み、溺れた人を救助する訓練を行った。浮き輪を投げ込む係と、溺れている
人を救助する訓練が行われた。
溺れた役の研修生を寮は後ろに回り込み、救い上げようとする。指導員から前から救助すると、しがみ付かれて一緒に溺れてしまう危険性を指摘された。ゆっくりと救助し、投げられた浮き輪まで誘導する。その後、ボートから浮き輪についているロープを引っ張り上げていった。
女性側は、海から溺れている人がいないか見守る練習を行っていた。発見者を見つけると、すぐに連絡し
救助隊に連絡する訓練を行った。
また、人工呼吸の練習や怪我の手当てなどの訓練も行った。
***海の家の怪談話***
翌日も引き続き救助訓練だったが、曇り空で次第に海も荒れてきて、雨が強まってきたことから途中で中止になった。空気が重く、何か不吉な予感が漂っていた。砂浜に上がり、みんな雨宿りに避難所で待機していると、一人が不気味な噂を語り始めた。
「この海の訓練学校の噂を知っているか?雨の日の夜、出るってうわさがあるんだ。学校の廊下で夜11時を過ぎると、ひたひたと足音がして亡霊が彷徨うそうなんだ。その亡霊に目が合い、腕を掴まれると、そのまま外に連れ出されて行方不明になるそうだ...」
「いやだ...やめてよ...」参加していた女性が怖がった。周囲に緊張が走る。寮と陽菜はこの話を黙って聞いていた。彼らの霊能力が試される時が来たのかもしれない。
その夜、寮と陽菜は噂の廊下で待っていた。心臓の鼓動が早くなる。寮は自分の能力を信じようとしていた。陽菜は少し震えているようだったが、決意の表情を浮かべていた。
寮と陽菜は、調べようと決意した。
ひかりは、霊力が無くなっているから、そのまま部屋で待っている事になった。
夜11時を過ぎ、ひたひたと足音が近づいてくる音が廊下に響いてきた。陽菜も物陰からその状況を見守っていた。空気が凍りつくような緊張感が漂う。寮はその幽霊と目が合い、幽霊はにやりと笑みを浮かべ、寮の腕を掴み、そのまま廊下を引き返し、外に連れ出していった。寮は抵抗することもなく、そのまま亡霊と一緒に歩いて行った。彼の心の中では、これが何かの試練だという確信が芽生えていた。
陽菜もその後を追った...彼女の中では恐怖と使命感が交錯していた。しばらくし砂浜を抜けて岩場を歩いて行くと、洞窟があり、寮と亡霊はそのまま洞窟の中へと消えて行った。陽菜も後を追いかけて洞窟に入った。闇の中、彼女は自分の霊感を頼りに前に進んだ。
***洞窟での戦い***
寮は洞窟の中で広場になっている所まで連れられてきた。そこでは、10人以上の亡霊が待っていた。寮を亡霊が囲んでいた。寮の心の中で、シャミィから教わった霊術の言葉が響く。寮は霊術を使い周囲に浄化のエネルギーを発した。光る球体が彼の手から放たれ、周囲を包み込む。すると、亡霊たちは浄化されて消えて行った。寮は安堵のため息をつくが、まだ何か強い気配を感じていた。
陽菜が寮の後を追ってきて声を掛けた。「寮君、大丈夫?さっき、浄化のエネルギーを感じたけど...もう、終わったの?」彼女の声には心配と安心が混ざっていた。
寮がライトを付けて、「こっちだ」と合図を送った。陽菜もライトを照らし、辺りを探った。二人の呼吸が、静寂の中で響く。
寮がさらに洞窟の奥に進む道があることに気付き、奥に入っていった。奥に入ると何か祭壇のような物が祀られており、異様な空気が感じられた。寮と陽菜は互いに顔を見合わせ、覚悟を決めた。祭壇から何か強い霊気を感じ、次第に重く強く感じられた。寮が「これは、怨霊かもしれない...」と呟いた時には、邪悪な怨霊の姿が現れていた...その姿は、悲しみと怒りが渦巻く恐ろしいものだった。
そして、怨霊は強烈な邪気を放つと、寮と陽菜はその場に蹲ってしまった。重圧に押しつぶされそうになる。
陽菜が「助けて...寮君...体が、動かない...」とかろうじて声に出した。彼女の声には恐怖と必死さが混ざっていた。
寮はまた霊力を使い浄化のエネルギーを周囲に放った。全身全霊の力を込めて。その瞬間、体が自由になり、寮と陽菜は立ち上がった。二人の目に決意の光が宿る。
寮は霊光弾を怨霊に向かって放った。光の矢が闇を切り裂く。だが、怨霊は霊光弾の光を徐々に吸収してまた闇に染まった。寮は焦りを感じつつも、冷静さを保とうとした。
寮は「陽菜、霊光弾を...」と叫んだ。彼の声には、陽菜への信頼が込められていた。
陽菜は我に返り、シャミィの指示に従い、霊光弾を最大パワーで怨霊に向けて放った。彼女の中で眠っていた力が一気に解放される。
怨霊は強烈な霊光の光に包まれて、浄化された...光の中に、解放された魂の安らぎが感じられた。
「危なかった...」と寮が呟き、「陽菜、ありがとう...」とお礼を言った。彼の声には、心からの感謝と安堵が込められていた。
陽菜は恐怖と緊張から解放されたのか、寮に抱き着き、「怖かったよ...」と震えていた。寮は優しく彼女の背中をさすった。
「陽菜、戻ろう。もう、何も居ないみたいだ」と寮が告げ、洞窟を抜け出すと、雨もやみ、星空が輝いていた。二人の心に、新たな絆が生まれていた。
「綺麗だね...」と陽菜が囁いた。その言葉には、試練を乗り越えた安堵と喜びが込められていた。
***後日談***
翌日、洞窟の事を海の学校の関係者に尋ねると、昔、海で亡くなった人の霊を慰めるために建てられた祠だったことが分かった。今はほとんど人が訪ねることもなく忘れられていた場所になっていた。
「それで、亡霊たちが雨の日の夜になると助けを求めて来ていたのかもしれないね」と陽菜が話した。彼女の目には、霊たちへの同情の色が浮かんでいた。
「怨霊は、色々な強い想いが集まり、悲しみや苦しみとして大きなエネルギーになっていったのかもしれない...」寮の言葉には、深い洞察が込められていた。
海のボランティア研修も終わり、寮たちは帰路に就いた。この経験は、彼らの心に深く刻まれていた。
バスの中で、陽菜は寮に向けて話しかけた。
「私って、本当に寮君みたいな霊能者として古代魔法使いになれるのかな?私、やっぱり幽霊が怖いよ。怨霊と対峙した時も私、腰が抜けて立てなくなっていたよ。寮君は、どうしてそんなに平気でいられるの?」彼女の声には、自信のなさと寮への尊敬が混ざっていた。
寮は優しく微笑んだ。「やっぱり、誰かを守ろうとか、強い気持ちがあるから頑張れたと思う。陽菜も、その気持ちに気付けることで強くなれると思う」彼の言葉には、陽菜への信頼と励ましが込められていた。
「実は僕も怖かったんだ」寮は少し恥ずかしそうに続けた。「でも、陽菜やみんなを守らなきゃという思いが、その恐怖を上回ったんだと思う」
陽菜は驚いた表情を浮かべた。「寮君も怖かったの?でも、そんな風には見えなかったわ」
寮はくすっと笑った。「怖いけど、それでも前に進む。それが霊能者としての強さなんじゃないかな」
「陽菜は今の僕より霊光弾ははるかに強力な力を持っている」寮は真剣な表情で続けた。「もう、霊光弾の使い方に関しては教えられることはないと思う。後は陽菜自身で実践して経験を積んでいくことが大切だろうね。もう、僕に頼らなくても陽菜は十分、霊能者としての実力は持っているよ」
陽菜は寮の話を聞いて、笑顔になり嬉しく思った。彼女の目には、新たな自信の光が宿っていた。「ありがとう、寮君。これからも一緒に頑張っていこうね」
ひかりが話を続ける。「陽菜ちゃんは、もう立派な霊能者よ」と、付け加えた。
バスは夕陽に照らされた海岸線を走り続け、彼らの新たな冒険への期待と不安を乗せて、ゆっくりと街へと戻っていった。車窓の景色が流れる中、寮と陽菜は互いに成長した自分たちを感じていた。
最近、猛暑が続いた事もあり、夏と言えば、海が気になり、海の話にしました。
さすがに、あまり無茶ぶりな話も信憑性に欠けそうなので、なんと無く、ありそうな雰囲気の話として書いてみました。次の展開の話は、まだ、あまり考えて無いので、しばらく、寮の日常で起きた心霊現象の話が続くかもしれません。
しばらく、充電中なので、のんびりペースになっています。また、色々とこれまでの物語の修正等も行っています。また、初めから、読むと、以前と違う内容になっている所もあると思います。
感想をお待ちしています。また、誤字、脱字など、報告して頂けると助かります。
購読、ありがとうございました。




