陽菜の心霊調査
今回は、陽菜が初めて霊と対峙する話になります。
陽菜は転校した中学にもようやく慣れてきた頃だった。
転校前の中学と比べて生徒の数も少なく、校舎も古い建物だった。田舎町の中学に馴染めるのか少し不安な気持ちもあったが、いざ通ってみると想像していたより気さくな生徒たちで、すぐに打ち解けることができた。
中学の校門前を、すらっとした姿の陽菜が歩いて行く。(シャミィさん、今日も学校が終わったら霊光弾の特訓だね)と陽菜が心の中で話しかける。
シャミィが陽菜の心に応える。(陽菜ちゃん、この学校には何かおかしなエネルギーを感じます。何かあるか、調べてみましょう)
陽菜は少し慌てて、シャミィに返答する。(でも...まだ私、幽霊を見たこともないし、突然そんなことを言われても...心の準備がまだできていないです。)
(大丈夫。私が付いています。これまで何か感じられましたか? )シャミィが心の中で返す。
(うーん、私には何も感じられなかったけれど、シャミィさんがそう言うんだったら、調べてみます。)
そう答えながら、陽菜は中学2年生の教室に入って行った。陽菜は転校してすぐに仲良くなった美紀、香、由奈、直哉に、この学校の噂話がないか尋ねてみることにした。
***学校の不思議***
休憩時間中、陽菜は明るく尋ねる。「ねえねえ、みんな、この学校って、何か怖い話とかあるの?よく、学校の不思議話や怖い話とか、あるでしょ?」
友達の中で一番元気な由奈が答えた。「うーん、こんな田舎の中学校だから、そんな噂はないよね。」
美紀も由奈と同じく元気に「YouTubeで見た怪談話みたいなのは、ないわね。」
香は、すこしおっとりした口調で「そんなの見ているんだ。怖くないの?」
すこし真面目そうな直哉が「あんなの作り話だから怖くなんかないさ」と笑った。
「そうなんだ、平和なんだね...」と陽菜は笑って答えた。
シャミィが陽菜の心の中に話しかける。(誰か、スピリチュアルに詳しい子は、いないか?尋ねてみると良いかも知れないです。)
陽菜は「だれか、こういった話に詳しい子っているかな?」と、友達みんなに尋ねると、美紀が「そういった話に詳しいのは、知佳ちゃんね。ちょっと待っていて。私、呼んでくるわ。」と言って知佳を呼びに行った。
陽菜が「ねぇ、知佳ちゃんって、どんな子なの?」と尋ねると、由奈が小さな声で答えた。「知佳ちゃんってね、ここだけの秘密なんだけど霊が視えたり聞こえたりするんだって。ちょっと怖いから、みんなあまり近寄りたくないみたい。」
直哉が付け加えた。「1年生の時、幽霊が先生の後ろに憑いていると告げたことで、騒ぎになったんだ。その後、その先生は、病気になってしばらく休むことになったんだ。」
そのとき、元気な声がして「陽菜ちゃん、お待たせ。知佳ちゃんを連れてきたよ。」と美紀の声がした。陽菜が振り向くと、美紀の隣に少し小柄で大人しそうな知佳が立っていた。
***知佳との秘密***
陽菜は優しく話しかけた。「はじめまして、最近転校してきた陽菜です♪私も知佳ちゃんと同じで、ちょっとだけ霊感があるみたいだから話してみたいかな?と思ったんだけど、いい?」
知佳は少し驚いた様子で「あの...陽菜さんも分かるんですか?」
陽菜は少しぼやかして答えた。「なんとなく、ちょっとだけ...みたいな感じだけどね...」
「そうだ、こっちで知佳ちゃんと二人だけで話したいから、みんなごめんね。」陽菜が知佳を連れて教室の廊下に出た。
知佳は小声で話し始めた。「陽菜ちゃんも感じられるんだね。先生や他の子は何も見たり感じられないみたいだから、私が変だって思っているみたい...先生に注意されてから、視えても、なるべくみんなに言わないようにしているの。」
陽菜は慎重に尋ねた。「さっき、ちょっとだけ聞いたんだけど、先生に憑いていた幽霊さんはどうなったの?どんな幽霊さんだったの?」
知佳はあたりを見回して、小声で答えた。「今日は大丈夫みたいだから秘密だけど、私が視た幽霊は、女性で長く黒い髪が腰の辺りまであったわ。目が大きく真っ黒だった。鼻も目も真っ黒だった。白い着物を着ていたわ...私が視たその幽霊が先生や他の生徒の後ろに憑くと、何故か病気になったり怪我をして、しばらく学校を休む事が多いの。だから、その幽霊が後ろに憑いていのを見ることが怖いの...でも、誰にも言えないし...」
陽菜は静かに聞いていた。「そうなんだ...ありがとう...その幽霊さんは普段、どこにいるの?」
「うん...学校の体育館にいることが多いみたい。全校生徒が集まっている時、舞台の上から先生やみんなをじっと眺めているの...だから、目を付けられると怖いよ...」
「ありがとう、勉強になった。」陽菜は感謝の言葉を述べた。
「このことは秘密だよ。」と知佳が念を押した。
「うん。約束する。」と陽菜が答えた。
学校の昼休みに、陽菜は早速体育館に行ってみたが、そこには何も居なかった。陽菜は心の中でシャミィに話しかけた。
(シャミィさん、いつもいるわけでもないみたい。)
その時、突然冷たい風が吹き抜け、陽菜の背筋が凍った。舞台の上からかすかな声が聞こえたような気がしたが、それはすぐに消えてしまった。
(今度の体育館の集まりの時まで待ってみる必要がありそうです。)とシャミィが答えた。
***幽霊対策の相談***
陽菜は帰宅後、寮が帰ってから、学校の噂話について話した。
「寮君、相談があるの。今日、学校で知り合った知佳ちゃんの話を聞いたの...」陽菜は詳しく寮に伝えた。
寮はしばらく考えた後、答えた。「悪霊か怨霊の可能性があるかもしれないね。普通の霊であれば、そういった悪さをしない筈だ。また、色々、相手を選んで憑くのもやっかいな相手だ。そうだ、僕が身に付けている、このペンダントを身に付けると安心だ。オンライン魔法学校で作られた特別なお守りさ。」と、付け加えて手渡した。
「ありがとう。凄い、魔法のペンダントなんて、初めて見たわ。」陽菜は目を輝かせて、お礼を言った。
「どちらにしても、しばらくは様子見になりそうだ。もし、今度、霊が現れたら霊光弾を放つんだ。」と、寮はアドバイスをした。翌日、陽菜は寮からもらったペンダントを首に掛けて登校した。不思議と心が落ち着くのを感じる。教室に入ると、知佳が心配そうな顔で近づいてきた。
「陽菜ちゃん、昨日の話...誰にも言わなかった?」知佳の声は震えていた。
陽菜は微笑んで答えた。「大丈夫、約束したでしょ。秘密は守るわ。」
知佳はほっとした表情を浮かべたが、すぐに真剣な顔に戻った。「実は...昨日の帰り、あの幽霊を見たの。体育館じゃなくて、校舎の廊下に居たわ。」
陽菜は驚いて目を見開いた。「え?でも、いつもは体育館にいるんじゃないの...」
「そうなの。だから不安で...」知佳の言葉が途切れた。
その時、校内放送が鳴り響いた。「全校集会を行います。生徒の皆さんは体育館に集合してください。」
陽菜と知佳は顔を見合わせた。これが、あの幽霊を確認するチャンスかもしれない。
体育館に向かう途中、陽菜は心の中でシャミィに話しかけた。(シャミィさん、もし何かあったら...)
(大丈夫よ、陽菜ちゃん。私がついているわ。それに、寮くんのペンダントもあります)シャミィの声に力強さを感じた。
体育館に入ると、既に多くの生徒が集まっていた。陽菜は知佳と一緒に後ろの方に座った。舞台の上には校長先生と数人の教師が並んでいる。
集会が始まり、校長先生が話し始めた。その時だった。
知佳が陽菜の腕をぎゅっと掴んだ。「来た...」知佳の顔は青ざめていた。
陽菜は舞台を見つめた。そこには、長い黒髪を持つ白い着物の女性の姿が...。しかし、他の生徒たちは何も気づいていない様子だ。
突然、冷たい風が体育館を吹き抜けた。生徒たちがざわつき始める。
(陽菜ちゃん、今よ!)シャミィの声が響く。
陽菜は立ち上がり、寮から教わった通りに手を前に突き出し(霊光弾、行け!)と心の中で念じた。
まばゆい霊光が陽菜の手から放たれ、光が幽霊を包み込んで行ったのと同時にギャーーーー。と、言った断末魔の悲鳴のような声とともに、幽霊の姿が消滅して行った。。。。
体育館は一瞬静まり返った後、混乱に包まれた。生徒たちは何が起きたのか分からず、騒ぎ始めた。
「皆さん、落ち着いてください!」校長先生の声が響く。
陽菜は座り込んでいた。知佳が心配そうに覗き込んでくる。「大丈夫?」
陽菜はかすかに笑みを浮かべた。「うん...なんとか。」
***帰宅後の報告***
陽菜は寮の帰りを待ち、今日の出来事を伝えた。
寮は冷静に状況を分析して答えた。「よくやったね、陽菜ちゃん。これで終われば、良いけど。まだ、何かないか調べてみる必要もあるかもしれない。その幽霊だけが全てでも無い可能性もあるからね。」
「え?じゃあ、どうすればいいの...」陽菜は、少し不安な表情に変わっていた。
寮はペンデュラムを取り出して見せた。「ペンデュラムを使ってエネルギー源を探るんだ。はじめから練習しよう」と告げた。
ペンデュラムは水晶に鎖が付いた振り子で鎖の部分を持って、触れる方向や回転で調べる方法だ。
「まず、私は女性です。『はい。』だったら右回り。『いいえ』だったら、左回り。に回ります。と、設定しよう」陽菜は寮の言われるままに練習を繰り返した。
「本当だ。私が質問したら、『はい』か『いいえ』で回るよ」と陽菜は驚いた声をあげる。
寮は地図を取り出しながら「次は、地図を使って、探す方法だ。。。。どの地点にエネルギーがあるか調べる方法だ」と、説明した。
こうして、由香はエネルギー反応がある場所を探し出す方法を身に付けて行った。
陽菜が初めて心霊調査を行ったエピソードです。
こっちの方が、面白そう。。。と閃いたら別ストーリーで考えてみるかも知れません。
ここまで、陽菜のストーリーが進展する予定はありませんでしたが、もう少し続くかもしれません。
感想、おまちしています。また、誤字、脱字などあれば、報告して頂けると助かります。
ご購読、ありがとうございました。
ここで、少し休む予定もあります。
毎回、言っていますが、色々、学んだり勉強する時間を作りたいと思っています。




