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スピリチュアルズ ジャーニー 寮  作者: waku


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さらなる試練

 葵たち数人は、トンネルの浄化を行いさらに奥へと進んで行く、それぞれの修行の成果を試す為、霊山に再び挑む為に。

 3人がトンネルの奥へと進むと、気温がさらに下がり、息が白くなるほどだった。瑞希がふと立ち止まり、護符を手にしながら周囲を警戒する。「この先、何かすごく強い気配がします…。これまでの霊とは全く違います…」


葵もその場に立ち止まり、眉をひそめた。「確かに…。怨念の力が桁違いね。これ以上進むには気を付けないと。由香さんから貰った新しい浄化スプレーを使ってみましょう」と周囲に撒きながら進んだ。


 浄化スプレーの効果により周囲の重い空気が軽くなって行くのが感じられた。

山田「この調子なら、先に進めそうです」


 3人は緊張しながらも覚悟を決め奥に進む。トンネルの奥が開けた場所に差し掛かると空間全体が異様な雰囲気に包まれている事を感じられる。壁には血のような赤黒い手形が残され、足元には冷たい水が滲んでいた。


 葵「この辺りに強い邪気が感じられるわ。みんな気を付けて」


***現れる強敵***


 3人は周囲を注意深く、調べながら進んで行くと突如、奥の闇から低いうなり声が響いてきた。その音はまるで何人もの人間が一斉に呻いているかのように不気味に響いて来る。



「みんな、何か来ます…!」瑞希が祓い棒を握りしめ警告した。


闇の中から現れたのは、人間の形をしていながらも全身がねじれ、顔には目鼻のない黒い影のような悪霊だった。3人は身体に強い悪意のある圧力を感じとった。


山田が悪霊に向かってすぐに霊府を投げつけたが悪霊の周囲を取り巻く黒い霧に阻まれてしまう。「全然効いてない…!」


瑞希は呪文を唱え祓い棒に神気を込め放つ。黒い影は神気に当たると一部が浄化されたが完全には浄化しきれなかった。「術が完全に通じない……!」


葵が冷静に指示を出した。「瑞希さん、私と山田くんで結界を張り時間を稼ぎます。瑞希さんは霊府に霊力を込めて」


 葵と山田が急ぎ結界を展開し悪霊の動き封じる。

葵「瑞希さん、今のうちに」


 瑞希が護符に神気を込めて行くと霊府は神気を帯びて行き強い神気を発して行く。

瑞希は、霊府を高く掲げ、集中力を最大限に引き出して、さらに神気を込めて行く。


***霊の正体と決着***


 その間、悪霊はなおも抵抗を続け、結界に黒い霧をぶつけ破ろうとした。

山田「瑞希さん、早くしないと、もう結界が限界だ。」


瑞希が悪霊に向かって霊府を放つと悪霊に向かって行き全体を浄化の神気で包み込んだ。


 悪霊は苦しむようにのたうち回りながら姿が次第に薄れて行き消えて行った。


瑞希が息を切らしながら「新しい技は成功したみたいね…」と呟いた。


葵が冷静に周囲の気配を感じ取る「どうやら、完全に浄化されたみたい。このまま周囲を浄化しながら先に進みましょう」と、浄化スプレーを撒きながら3人はトンネルの出口まで進んだ。


***浄化と成長***


 トンネルの中の霊的な気配は完全に消え、

空気が澄み、瑞希、葵、山田は疲れ切った表情ながらも達成感を感じていた。


「みんな、よく頑張った」山田が微笑みながら2人に言った。「これで、僕たちの霊力強化の成果があったんじゃないかな」


 瑞希は手にした祓い棒を見つめながら頷いた。「あの霊はすごく強かったけど…私たちも少しは成長できた気がします。」


葵は静かに「この経験を次につなげることが大事ね。これで終わりじゃない。まだもっと力をつけて、あの霊山にも挑まないと。この先の公園も調べてみましょう」と、トンネルを抜けて先にある公園の浄化に向かって行った。


***公園の浄化***


 トンネルを抜けて先に進むと公園が見えて来る。公園の中に入ると、邪気を感じられた。葵はバッグから、浄化のお香と香炉を取り出し火を点ける。香炉から煙が広がって行き、周囲の邪気が浄化されて行くのが感じられた。


 山田「これまで使っていたお香より、浄化力が高い様です。これで公園の邪気も速く弱まって行きそうです」次第に邪気が薄れて行き、奥に進むと女性の霊が現れた。


女性の霊は、ぼんやりとした姿で立っていたが、どこか悲しげな表情を浮かべていた。瑞希は霊の存在に敏感に気付き、一歩前に進む。「この霊は怨念ではないようです…何かを訴えようとしている感じがします。」瑞希の声には警戒と優しさが混じっていた。


葵は慎重に観察しながら頷く。「彼女は迷ってここに留まっているのね。まず話を聞いてみましょう。山田くん、準備はできてる?」


山田は頷きながら、お守りの数珠を手に取った。「ええ、いつでも動けます。でも、攻撃的な霊ではないといいですね。」


葵が女性の霊に向かって声をかけた。「あなたはここに何か理由があって留まっているのですか?私たちはあなたを助けるために来ました。何があったのか教えてくれませんか?」


霊はしばらく沈黙したが、やがて口を開いた。声は薄く、風に溶けていくような響きだった。「…私は…子供を探しています…。ここで迷ってしまって…それから…ずっと帰れないのです…」


瑞希の表情が曇る。「子供を探している?何か手がかりになるものがあればいいのですが…」


女性の霊は手を伸ばし、指差した。公園の奥にある古びたベンチを指しているようだ。「あそこ…子供と最後に…座っていたのです…」


3人は霊の指示に従い、ベンチに向かった。ベンチの周囲には、古いおもちゃの車とぬいぐるみが落ちていた。瑞希がそれを拾い上げ、祓い棒で浄化しながら霊に見せると、霊の目が大きく見開かれた。


「それ…それは私の息子のものです…!」霊は急に泣き出し、周囲の空気が一瞬で温かくなったように感じられた。「ありがとう…でも、どうしても息子に会いたい…彼がどこにいるのか…」


葵がふと思案し、瑞希に目配せをした。「この霊がここから解放されるには、息子さんが今どうしているかを伝える必要があるわね。」


山田がスマートフォンを取り出し、公園周辺の古い記録を調べ始めた。「少し時間がかかるかもしれませんが、地元のニュースや記録に何か載っているかもしれません。」


時間が経つにつれ、霊は少しずつ弱っていく様子を見せた。瑞希は焦りを隠せず、「山田さん、何か見つかりましたか?」と声を掛けた。


山田が目を輝かせ、「ありました!約20年前、この公園で迷子になった男の子が保護され、その後無事に両親のもとに戻ったという記事です。その男の子、今は別の町で幸せに暮らしていると書かれています!」と言った。


葵がすぐに霊にその話を伝えると、霊は穏やかな表情を取り戻し、静かに微笑んだ。「そうですか…無事で幸せに…本当に良かった…これで私は心残りなく行けます。ありがとう…」


霊が消えゆくと同時に、公園の邪気も完全に消え去った。3人は達成感を胸に抱きながらも、新たな謎と使命を予感していた。


「私たちの力がさらに必要になりそうね。」葵が静かに言うと、瑞希と山田は力強く頷いた。


***次の挑戦へ***


浄化を終えた3人は、次に向かう霊山の試練に備え、さらなる準備を決意した。次なる敵が待ち構えていることを予感しながらも、彼らは一歩一歩、確実に前進していく。



 天狗山から戻った寮は葵は、葵たちに連絡し現在の状況を報告した。

緑大学の近くにあるカフェに寮、葵、鈴木が集まり報告をした。

寮「みんなトレーニングは上手く行っているかい?」

葵「まずまず、順調ね。瑞希さんや山田君も、霊山に訪れた時と比べて格段にレベルアップしているわ」

寮「陽菜ちゃんと春香ちゃんも、お寺で瞑想したり写経を続けて霊力を高めているそうだ。」

鈴木「僕は、次の霊山の調査に備えて装備品の見直しを行っています。調査の為のツールやジャケット、靴など総合的に見直しています。」


寮は満足げにうなずき、テーブルに置かれた地図に視線を移した。「みんな、それぞれ力をつけているのは頼もしい。でも、あの霊山は桁違いに危険だと言われている。心の準備だけじゃなく、情報や装備の準備も徹底しよう。」


 葵が地図を見つめながら口を開いた。「この霊山は、古くから『黄昏の山』と呼ばれているそうね。地元の伝承では、山の奥深くに“黄昏の社”があって、そこに近づいた者は皆、行方不明になっているそうよ」


 鈴木が「一之瀬先輩の情報では、やはり奥地まで行って戻って来れた情報は無いそうです。今の段階では、まだ、霊山に挑むのは厳しい可能性が高いです」


寮は険しい表情を浮かべ「つまり、ただ霊を浄化するだけじゃなく“黄昏の社”の調査も必要と言う事になりそうだ。その為には、もっと専門的な知識が必要になりそうだな」


葵は少し考え込んだ後に提案した「それなら、卒業生のみんなにも連絡してみましょう。具体的なアドバイスや情報がを貰えるかもしれない」


鈴木が「それと、ドローンでの現地調査も必要ですね。黄昏の山の周辺で霊的な活動がどのくらい活発になっているか確認しておきたいです。事前に危険度を把握できれば、準備がしやすくなります。」


寮は頷きながらまとめた。「じゃあ、僕たちは役割を分担しよう。鈴木は装備の準備と現地調査の準備、葵さんは、卒業生のみんなに連絡し情報を集めて貰おう。僕は緑大学の資料室の調査と、取材をし黄昏の山に関する古い記録を集めてみる。それと、瑞希さんたちとも情報共有して連携を強めよう。」


葵が立ち上がり、微笑んで手を伸ばした。「じゃあ、また一致団結して挑みましょう。きっと乗り越えられるわ。」


3人は手を重ね、次なる挑戦に向けて気持ちを新たにした。


***霊山、黄昏の山への謎***


 寮が仕事の合間、古い文献を見つけ、調べていると、一冊の埃をかぶった書物に目が留まった。それは「黄昏の社」にまつわる失われた伝承を記したものであり、そこには警告のような言葉が刻まれていた。


“封印が破られしとき、社に眠る影が目覚める。その影は昼と夜の境界を曖昧にし、この世とあの世を交わらせる。”


寮の背筋に冷たいものが走る。「…この影って、一体何なんだ?」


 葵も自宅で大学卒業生たちのSNSで交流を終え、窓の外を見ていた。黄昏時の空が、いつもより赤黒く不気味に染まっているように見えた。その空を見つめながら、彼女は静かに拳を握りしめた。「霊山に再び挑む事は本当の試練ね…。絶対に乗り越えなきゃ」


 それぞれの思いを胸に、彼らは次の大きな挑戦に向けて動き出した。黄昏の山に待つ未知の脅威に立ち向かうため、仲間たちはさらに団結し、力を結集させる必要があると確信していた。


 ご購読、ありがとうございました。霊山シリーズとして、今回も話が長くなりそうです。


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