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スピリチュアルズ ジャーニー 寮  作者: waku


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最後の戦い『ポータルの封印』 オカルト編集部編 第一部 完結

 寮たちは、トンネルの奥へと向かって行った。内部で待ち受けている者は一体何か?

古びたトンネルの暗闇に、寮たちはゆっくりと足を踏み入れた。重々しい空気が全員の肌にまとわりつき、誰もが息を呑む。


「明かりは用意してきました」

鈴木が手際よくLEDライトを取り出し、トンネルの壁に沿って設置していく。青白い光が古い壁面を照らし出す中、一行は慎重に進んだ。


先頭を行く寮のすぐ後ろで、由香が水晶のペンデュラムを掲げる。

「反応が…トンネルの中心部で強くなっているわ」


霊感の強い葵が、浄化スプレーを撒きながら応じた。

「思ったより悪霊の気配は少ないわね」


橘美紀が周囲を見渡しながら、冷静に言葉をつけ加える。

「それは封印の効果です。ですが、油断は禁物です」


後方から國府田の震える声が響いた。

「もし、奥で悪霊に囲まれたらどうするんですか?」


「その時は私が霊光弾で対処するから大丈夫」

陽菜が即座に返答し、春香も頷く。

「私も読経で支援します」


瑞希と山田は無言で後方の警戒を固め、全員が息を潜めたまま、トンネルの奥へと進んだ。


***ポータルとの遭遇***


 先頭を行く寮の後ろで、由香が水晶のペンデュラムを掲げる。

「反応が...トンネルの中心部で強くなっているよ」


 その声に霊感の強い葵が周囲に浄化スプレーを撒きながら応じた。

「意外ね。思っていたより悪霊の気配が少ないわ」


 橘 美紀は周囲を見渡しながら、

「これは封印の効果です。ですが...油断は禁物です」

後方から國府田の震える声が響く。

「も、もし奥で悪霊に囲まれたらどうするんですか?」

「その時は私が霊光弾で対処するから大丈夫」

陽菜が即座に返答し、その横で春香も頷く。

「私も読経で支援します」


瑞希と山田は無言のまま、後方の警戒を固める。全員が息を潜めてトンネルの中心部へと向かった。


やがて、トンネルの中心部に辿り着くと、そこには異様な光景が広がっていた。壁面に現れたのは、巨大なポータル。鈴木が声を潜めて呟く。

「これがポータルか…」


橘美紀が静かに説明を加えた。

「かつて橘家はこのポータルを通じて式神を使役していました。しかし、次第に式神たちのコントロールが難しくなり、封印せざるを得なかったのです。このトンネル自体が結界を弱め、ポータルの完全な封印ができなかったため、一部の式神や魑魅魍魎が溢れ出していたのです」


寮が眉を寄せて考え込む。

「それじゃあ、なぜ今になって封印が著しく崩れ始めたんだ?」


橘美紀は古い文様に手を添え、深刻な表情で答えた。

「おそらく、ポータルの力を狙う者が現れたのでしょう。伝承によれば、ポータルの向こうには式神と契約を結ぶための祠があるとされています。しかし、その力をコントロールするのは並大抵のことではありません」


その時、ポータルの表面が不気味に震え始めた。由香のペンデュラムが激しく揺れ、危険を知らせるかのように反応する。

「これは…危険なエネルギーが現れて来るよ」


警戒を強める寮たち。次の瞬間、ポータルから紫がかった黒い靄が漏れ出し、空気が一気に重くなる。


「みんな、後ろに下がるんだ!」

寮が叫ぶ中、陽菜が前に出て霊光弾を放った。霊光は黒い靄に突き刺さり、一部を浄化するが、靄は勢いを増し渦を巻き始める。

「この程度じゃダメだった?」陽菜が悔しげに呟いた。


春香の読経が響き渡る中、鈴木が急いで由香に問いかけた。

「霊力の中心はどこでしょうか?」


由香のペンデュラムは激しく反応し、震える声で答えた。

「ポータルの中じゃない…後ろ!」


皆が振り返ると、トンネルの奥から黒い人影が静かに立っていた。その目は不自然に赤く輝いている。

「ここまで来たか…」橘美紀が震える声で呟く。

「まさか、あなたは…」


男は不気味な笑みを浮かべた。

「橘家の末裔よ。私はこの力を手に入れる者だ」

声がトンネル内に反響する。

「式神の力を封じ込めたまま、何百年も無駄にするつもりですか?」

葵が浄化スプレーを構えながら叫ぶ。

「あなたは誰なの!?」

「私は...かつてこのポータルを管理していた者の一人です。橘家が力を恐れて封印を始める前の...ね」

男の周りに黒い靄が渦巻き、その姿が徐々に変容していく。

人の形から、巨大な影のような存在へと。

「式神の力は人の為に使うべきもの。封印などすべきではない」

歪んだ声が続く。

「さあ、橘美紀。あなたの血に眠る力を解放しませんか?」


橘 美紀が両手を前に差し出し、古の呪文を詠唱し始める。

「天地の力よ、我が血に応えよ...」

空気が震え、金色の光が渦巻き始める。その中から、炎をまとった鳳凰が現れ、凛々しい鳴き声を響かせた。

「橘家の式神、鳳凰か...」影の存在が低く笑う。


「懐かしい光景だ」

鳳凰が影に向かって突進する。しかし、影の存在は片手を上げただけで、その炎の翼を消し去った。

まるで、ろうそくの火を吹き消すように。

「そんな...」


橘美紀の声が震える。


寮が前に出る。國府田が恐怖で震える中、瑞希と山田は無言で護符を取り出し、全員の周りに防御の結界を展開し始めた。


寮は状況を素早く判断し、

「美紀さん、このポータルを完全に封印する方法は?」

橘美紀は一瞬躊躇したが、決意を固めて答えた。

「...あります。でも、時間が必要です」

「了解。みんな、美紀さんを守って」橘美紀が封印の準備を始める中、陽菜の霊光弾と春香の読経が闇の存在を牽制する。

だが、男...いや、既に人の形を失った影の存在は、その防御を少しずつ侵食し始めていた。

時間との戦いが始まった。橘美紀の封印の儀式を完遂できるか、それとも闇の存在に飲み込まれるのか。

トンネルの中で、決戦の火蓋が切られた。


***闇の者との攻防***


「我ら神の使徒、穢れを祓い給え!」

続いて瑞希が「邪気払い!」、葵も「浄化の風!」と、それぞれの力を放つ。

三つの浄化の波が影に迫るが、黒い靄がそれらを呑み込んでいく。

「その程度では、私には敵いませんよ」


 影の声があざ笑うように響く。

「ふっ、橘家の末裔も、こんなに弱くなったものか」

黒い触手のような影が伸び、寮たちを取り囲んでいく。逃げ場が徐々に狭まっていく。

その時、春香の声が静かに、しかし力強く響き始めた。

「おん べいしらまんだや そわか...」

読経の声が空気を震わせ、金色の光の帯が空間を包み込む。影の動きが一瞬、停滞する。

「今だ!」

寮の声を合図に、陽菜が跳び出した。


 手にした霊光弾が刃となって輝きを放つ。

「はぁっ!」

陽菜の一撃が、影の中心を貫いた。

光の刃が影を切り裂き、一瞬、轟音が響いた。

「まさか...」

影の声が驚きに満ちている。

「この程度の力で...」

しかし、その言葉は途中で途切れた。影の体が光に貫かれ、亀裂が走り始める。


「美紀さん、今のうちに封印を」

寮の声に、橘美紀が頷く。

再び詠唱を始める彼女の周りに、強い光が渦巻き始めた。

影は最後の抵抗を試みるが、春香の結界と陽菜の一撃で動きを封じられている。

光の亀裂が広がり、影の姿が崩れ始める。

「私の夢は...まだ...」

その声は次第に弱まり、最後には闇の中に消えていった。

トンネル内に静寂が戻る。


しかし、これで全てが終わったわけではなかった。

ポータルの封印を完全なものにする為、橘美 紀は深く息を吸い、両手を広げ最後の儀式の準備を始めた。



***封印されたポータル***



「我が祖より受け継ぎし力よ、今こそ...」


彼女の声が響く中、ポータルの周囲に光の文様が浮かび上がる。古い梵字と陰陽の印が、空中に幾重にも重なって現れた。


「由香、気配は?」

寮が確認すると、由香はペンデュラムを見つめながら答える。

「消えかけているわ。でも...」


その時、最初の地鳴りが響いた。


「これは...」

鈴木が天井を見上げる。

「トンネルが...!」


「儀式の反動です!」

橘美紀が叫ぶ。

「このポータルの完全な封印には、この場所自体を封じる必要があるんです!」


轟音とともに、天井から小石が落ち始める。


「全員、急いで外に!」寮の号令が響く。

「美紀さんは?」


「あと少しです...」

橘美紀の額には汗が滴る。

「最後の封印を...」


ポータルが強い光を放ち、その光が周囲の壁に染み込んでいく。

同時に、トンネル全体の揺れが激しさを増した。


「美紀!」

葵が彼女の腕を掴む。

「もう十分よ。急いで!」


橘 美紀は最後の印を結び、頷いた。

「走って!」


全員が一斉にトンネルの出口へと走り出した。

後ろでは天井が崩れ落ち始め、轟音が追いかけてくる。


「急いで!」

國府田が転びそうになるが、瑞希と山田が両脇から支える。


LEDライトが次々と崩落に巻き込まれ、暗闇が迫る。


「もう少し!」

出口の光が見える。


 全員が這うようにして這い出た直後、轟音と共に巨大な土煙が吹き出した。

振り返ると、トンネルの入り口が完全に崩れ落ち、巨大な岩で封印されていた。


しばらくの間、全員がその場に座り込み、荒い息をついていた。


「これで...終わった?」

寮が橘美紀に尋ねると、彼女はゆっくりと立ち上がり、崩れたトンネルの入り口に向かって合掌した。

「はい。二度と開かれることのない封印が完成しました。」


夕暮れの空が赤く染まる中、風が吹き抜けていく。

それは、まるで長い歴史の一つの章が終わりを告げるかのようだった。


「皆さん、ありがとうございました」橘 美紀が深々と頭を下げた。

「橘家の長年の課題を、これで解決することができました」


「これで、封印は完全にできたみたいです。」と寮が微笑んだ。

國府田が心配そうに「でも、また何か異変があったら...」


「ええ。」橘美紀も笑顔で返し、「その時は、また皆さんのお力を借りしたいです」


 夕陽に照らされた岩壁を最後に確認し、一行は帰路についた。

もう二度と開かれることのない封印と共に、古の力は永遠に眠りについたのだった。


***編集部にて***


 後日、寮たちは、その後、編集部に戻り涼子編集長にこれまでの経緯を報告した。

涼子「今回の取材と調査、お疲れ様。でも、今回はかなり危険な所もあったみたいね」

前田も頷きながら「今回は僕や國府田さんには、荷が重い案件だったと思います。寮先輩たちの様な霊能力が集まらない務まらない問題でした。」


 國府田も「今回の出来事は、本当に現実に起こった事だったのでしょうか?私たちは夢を見ていたみたいな気持ちもあります。それと、橘美紀さんは、これからどうされるんでしょうね?」


 寮「封印の使命を果たす事が出来たけど、封印が弱まって現れた魑魅魍魎の浄化を行う使命が残っている。と、言っていました。」


 前田「その時は、また、僕達も協力しましょう」と答えた。


 涼子編集長が「前田君、その時は足を引っ張らないでね」


 編集部内で明るい笑い声が響き渡った。


***エピローグ あたたかな帰り道***


 夕暮れ時、寮は自宅のドアを開けた。玄関を上がると、小さな足音が響いてきた。

「パパ、おかえりー!」

あかりが両手を広げて走ってくる。寮は疲れた体で、でも優しく娘を抱き上げた。

「ただいま、あかり」

台所からひかりの声が聞こえる。

「お帰りなさい。今日は遅かったわね」

リビングに入ると、ひかりが夕食の支度を終えたところだった。

「ただいま」

寮は娘を下ろしながら、妻に微笑みかける。

「ちょっと大変な仕事だったんだ」

「またおばけ?」

あかりが大きな目で父を見上げる。

寮は娘の頭を優しく撫でた。

「うん、まあね。でも、もう大丈夫」

「パパ、つよいもんね!」

ひかりがテーブルに夕食を並べながら、

「あなた、今度の週末どうする?」

「ああ、そうだった」

寮は急に思い出したように、

「今度の日曜日、水族館に行かない?あかりも行きたがってたよね」

「わーい!さかなさん!」

あかりが飛び跳ねて喜ぶ。

「いいわね」

ひかりも嬉しそうに頷く。

「あかり、お魚さん、どれが好き?」

「ペンギンさん!」

「ペンギンは魚じゃないんだよ」

寮が笑いながら説明すると、

「えー?でも、およぐもん!」

家族の笑い声が部屋に響く。窓の外では、街灯が次々と灯り始めていた。

寮は食卓に座りながら、今日の出来事を振り返る。古のポータル、命がけの戦い、そして永遠の封印。しかし今、目の前にあるのは、何より大切な日常だった。


「いただきます!」

家族三人の声が重なる。温かな夕食の匂いが、部屋いっぱいに広がっていった。


 寮のオカルト編集部の仕事は、これからも長く続いて行く。仲間との絆と共に、人生を歩んで行くだろう。


 オカルト編集者編 1部完



 ご購読、ありがとうございました。

今回で一旦、オカルト編集部編 一部終了です。


想定していたより話が長くなってしまいました。


 ここまでで、内容の見直しや修正等行って行く予定です。

また再開するかも知れませんが色々と忙しい時期に入る事から一旦完結になります。


 スポット的にスピンオフエピソードを書いてみる予定です。


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