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袖振り合うも多生の縁

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

私にとっては半年越しの伏線回収です。

何時も旅行に行く場所は決まっている。それが今年は全く違う場所になった。旅行自体は色々あった。お参りした神社の御祭神もその方はいらっしゃらなかった。でもその方を象徴する紋だけはそこかしこに広がっていて、それだけが唯一の楽しみだった。

ある時博物館に訪れると、能面の展示が催されていた。能面について、全くと言っていい程知識はなかったけれども、その掘られた小面も、翁も、意思が宿っている様で強く惹き込まれた。

奇遇にも、旅行に訪れた場所を収めた華族と縁があるようだった。

気になっているけれども、プレイしてない乙女ゲームの聖地巡礼を行った。明治の世界観をそのまま移して来たような建物は、何時までも浸っていたい程に美しかった。これで金貨の一枚も取らない事が少し不安になるほどに。

そして奇遇にも、博物館の能面と縁のある華族の名を見た。


「最近よく、○○家伝来、由来、縁の場所に訪れるんですよ。旅行といい、縁があるんですかねぇ」

知人に話そうとしたら、華麗に流されてしまったが為に、週間である社に訪れて、ポロッとそんな事を口にした。

私が旅行に行った時、紋を見てこの方、梅香の君を連想した。残念ながら、祀る社には出会えなかったけれども、その紋だけは傍に居て下さった。見守っているよ。と称されている様だった。

「ふふふ。そう……」

梅香の君はただ何も仰らず、ただ全てを見透かした様に、口角をお上げになった。

何だろう。この、全てを知った上で行動し、後に全てを知って驚く私を観察する様なこのご様子は。前にもあったんだけどね? ご好意に甘えまくってるんだけどね?

「まぁでも、私の縁って捻れるので、初めてお迎えした子は、その双子の片割れちゃんでしたけどね」

此処でゲームの話をしたところで絶対に伝わらないので、言葉を丸めておく。あの子が来るなら、○○家伝来の方が来そうだったけど。

聞いて欲しい話が終わった。後はまぁ、家でごろんと横になろう。

「本日もお話聞いて戴き、誠に有難う御座います」

「どういたしまして」

そうして家に帰って日課の動画巡りをしていると、ついついつい、気になって、御祭神の名前を検索してしまう。色々な方が取り扱って下さるので、まぁ飽きない。どれ見ても楽しい。そこで新しく投稿されている動画を見た。

「……っ!!」


桜の花が散るその季節、私は汗を飛ばしながら先日訪れた社へ走って行く。桜に負けじと汗も散るが、そんな事今はどうでも良い。

息を切らして鳥居を潜ると、私の慌て振りを笑う様に強く風が吹いた。

「何だ。次に会うのは一週間後かと思っていたよ」

「○○家と御関係、滅茶苦茶あるじゃないですか!!」

○○家が貴方様直々の苗字を名乗ったのも、紋を使用したのも、奉納したのも、全部、全部、全部。細かく計算され尽くされたかのように縁があった。

袖振り合うも多生の縁なんて言うけれど、それを身を持って感じた。

「うん、あるよ。私の信仰の強さも、紋も、ただの縁じゃない。長らく○○家が紡いで来たものだ」

「……旅行行った時……社あったのに……貴方様のお名前がなくて……」

「うん」

「入った店の蟹が兎にも角にも酷くて……」

「うん」

「なんかもう……旅行の救いが、紋だけだと思っていたんですけど……。でもその割にご縁が多くて……。うぅ……」

私の行く旅行先に全然興味とかないんだなぁ。まぁ、一介の参拝者だしね。とか思って過ごしていたのに。今になって今になって……。

「泣かないで」

気を逸らす様に風が頬を撫でる。桜の花弁が真上から降り注ぐ。見上げると、ただ穏やかな麗人の顔がそこにはあって、じっと私の顔を覗き込んでいた。

「君、梅の花みたいに泣くんだね」

桜は散る、椿は落ちる、牡丹は崩れる、そして梅は零れる。それを思い出しながら、口を噛む。ずっと傍に要らした。ずっと、ずっと。

私にとっては半年越しの伏線回収です。


突発的に何時もと違う場所へ旅行したのも、

博物館でお面を見たのも、

乙女ゲームの聖地巡礼で屋敷を見たのも、

全部伏線だった様に思えます。


初めての旅行先で推しの概念見掛けたら、推しと関係のないであろう華族の名前をよく見る様になった。

調べたらめっちゃ関係あった。

居ないと思っていたのは自分だけで、本当は最初から居たんだと気づいた話。

泣いてしまったのは、ヒントは出ていたのに、サプライズ的な事をするのが好きだと知っていたのに、それに気付けなかった認識の浅さから、です。


梅香の君の真名にお気づきの方は、きっと『○○家』がどの華族を差すのかお分かりかと思います。

有名なゲームでご存知の方が多いと思います。

私はそっくりな子が来ました。お付の子です。


追伸

お付の子も○○家伝来じゃん!!


※こんなんだから気が付かないんですよ。


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