花子さんと口裂け女とゲストさん⑥
「ハナクチー♪」
「ハナクチ~♪」
「疲れたあなたに活力を!をモットーに今回も始まるわよ!」
「そんなモットーがあったなんて知らなかったよ~」
「そんなのないわよ。ただ、オープニングで掴みのセリフ的なのが欲しいと思っただけよ」
「花ちゃんはまだこの番組を改善しようとしてるんだね~、偉い!」
「当たり前でしょ!日々精進、幽霊界のトップをキープするのにこれくらいの努力は当然よ!」
「そういえば、今回のゲストはもし幽霊だったら花ちゃんの地位も危なかったかもしれない有名人なんだよ~♪」
「そうね、あの子の知名度はなかなかよね………ふぅ、それにしても台本を暗記するくらいは出来るのね。感心したわ」
「し~!花ちゃん台本とか言っちゃダメだよ~」
「別にいいわよ、あんたを試しただけだし。魑魅達!今回のオープニングトークは台本があったのよ」
「も~、せっかく暗記したのに台無しだよ~」
「あの程度の量の暗記なんて誰でも出来るわよ」
「もし出来なかったら、どうするつもりだったの?花ちゃん」
「私はね、暗記できるかを試したんじゃなくてアドリブ力を試したのよ」
「アドリブりょく~?」
「そう!アドリブってのはね、ちゃんと行き先を理解できてるかが重要なのよ。さっきの台本だとゲストの紹介までの流れだったけど、もし途中で痺れを切らしてゲストが会話に入ってきたらどうする?」
「ハナクチ」
「え?あ、ゆきちゃん、ハナクチ…じゃなくて、いま花ちゃんと話してるから待って…」
「ぽーぽぽっぽ♪」
「え!?やっちゃんまで!どうしよう?花ちゃん」
「こういう事よ。この制御不能な連中を捌けるかどうかを試したかったのよ。そしたら私の負担も減ると思ったけどムリそうね」
「私にはむぅりぃ」
「まぁ、あんたは台本があったからこそ混乱してるんでしょうね。というわけで、これからも台本ナシでやっていくわよ。そんじゃ、もう一度挨拶よろしく!2人共」
「ハナクチ、私、ゆきおんな」
「ゆきちゃん、ハナクチ~♪」
「あんた、他にアピールする事ないの?」
「ない」
「あっそ、自分の名前に自信があるわけね。それじゃ、次はあんた」
「ぽぽぅぽっ」
「あらら~噛んじゃったね~」
「噛んだって、こっちには何を噛んだのか全くわからないんだけど」
「えっとね、ハナクチを噛んだんだよ」
「あっそ」
「ぽぅぽぅぽぅぽっ」
「あ~惜しい」
「惜しいって、あんたね、さっき言ってた言葉と違うじゃないのよ!」
「でも、ホントに惜しかったんだよ~。がんばれ!やっちゃん」
「ぽっぽっぽっぽ、ぽー♪」
「よく出来ました~♪」
「……念のために聞くけど今度は言い切れたの?」
「うん、バッチリ♪」
「苦労が尽きないわ…」
「花ちゃん、どうしたの?」
「なんでもないわ。さぁ、恒例の質問コーナーいくわよ」
[ゆき殿、今後は白の水着一択で頼むのじゃ PN.バンちゃん]
「この人も恒例になっちゃったね~」
「ホント、セクハラで訴えたいわね」
「白の水着ってなに?」
「ゆき、あんたは気にしなくていいの。次は…」
[ゆきおんなちゃんの白の水着……俺ちゃん親近感だぜ PN.アイアム インビジブルヒューマン]
「なに言ってんの?こいつ」
「ねぇ、花ちゃん。この2人って事は…」
「そうね、もう1人…似たような思考のヤツから来てるわ」
[ゆきおんなちゃんの白の水着をツンツンしたいぞ☆ PN.サッキー]
「私、白の水着なんて持ってない」
「気にしなくていいの。ていうか、あんたはこの3人に関わっちゃダメよ!汚れるわ」
「わかった」
「次は…」
[私の時計返してー! PN.時計返して]
「花ちゃん、人の物盗ったの?」
「そんな事するわけないでしょ!次」
[八殿の体捌き……いつか、手合わせしたいでござる PN.二宮くん]
「たしかにあんたよく動けるわよね。そんなにデカイのに」
「ぽぅぽぽぽ♪」
「やっちゃん、照れてる~」
「そういえば、ゆき。あんたら2人、異世界に放り出されたけど大丈夫だったの?」
「うん、いろんな妖怪?とか襲って来たけど八が倒した」
「ぽーぽぽぽ!」
「やっちゃんすごいね~。ここにはどうやって戻って来たの?」
「電車に乗って帰ってきた」
「なんか理屈とか考えたら負けな気がしてきたわ。という事で今回はここまで!」
「あ~、花ちゃん、めんどうになってる~」
「うっさいわね、全権限は私にあるのよ!それじゃ、今回のお相手は花子さんと」
「口裂け女」
「ゆきおんな」
「ぽー♪」
「でお送りしたわ。次回も見なきゃ、トイレに引きずり込むわよ」
「込んじゃうぞ~♪」
いつも通り物語と物語の間のミニコーナーです。さて、ゆきおんなと八はどうやって異世界から帰って来たんでしょうね?ゆきおんなの言葉を信じるなら電車でしょうね( *´艸`) 私的には異世界に電車や公衆電話……はたまたコンビニがあってもいいと思ってます。私が小学生の青春を捧げた作品にもありましたし♪ それでは