花子さんと口裂け女とゲストさん⑤
「ハナクチ!」
「ハナクチ~♪」
「今回も奇想天外、破天荒なラジオ番組!花子さんと口裂け女とゲストさん始まるわよ!集まりなさい!魑魅達!」
「早速、視聴者を魑魅達呼びしてるね~」
「当たり前でしょ!せっかく決めたんだから!これで視聴者共はこの番組に釘付けね」
「う~ん、視聴者はそんなに甘くないと思うよ~?」
「あんたに正論言われるなんて思わなかったわ。まぁそうね…他に何かやってみましょうか」
「あ、視聴者プレゼントとかは?」
「何をプレゼントするわけ?予算ないわよ」
「う~ん…このトイレにあるテレビは?」
「ダメよ、私の情報源なんだから」
「じゃあ、冷蔵庫は?」
「冷蔵庫には油揚げ保管してるのよ。今後、コックリの機嫌を取るのが面倒になるわ」
「それは大変だね!冷蔵庫もナシ……う~ん、じゃあ、この石鹸とか?」
「ダメよ!この子は!絶対渡さない!誰にもよ!」
「え?あ、うん、わかった。なんか、ごめんね。花ちゃん」
「ま、まぁ、この話はこれくらいにしてゲストを呼びましょうか」
「そだね~♪今回のゲストはこの番組の最大の功労者なんだよ~。花ちゃんもお世話になってるし」
「あいつが勝手にやってる事よ。私は世話になってるなんて微塵も思ってないわ」
「もう花ちゃんってば~、そんなこと言ったら番組が打ち切りになっちゃうよ~」
「はいはい、それじゃあ、ゲストに登場してもらうわ。どうぞ」
「…………あれ?花ちゃん、ゲストが居ないよ?」
「あんたの後ろにいるのよ」
「花子ー!わたしのセリフを奪わないでよ!」
「あ、メリーちゃん後ろに居たのか~」
「そうよ、せっかく準備が整ってたのに台無しだわ」
「それは残念だったわね。可哀想だから自己紹介は邪魔しないであげる」
「ふん!わたしはメリーさん。あんたら……えっと、魑魅達だっけ?わたしからの着信はちゃんと出なさいよね!」
「あ~♪花ちゃん、思いついたよ!」
「なにを?」
「新コーナーだよ!名付けて[メリーちゃんのお電話]。番組放送中に魑魅達に電話をかけるの!」
「ボツね」
「なんで~?」
「そんなコーナー作ったらこいつをレギュラーとして扱う事になるじゃない。イヤよ」
「花子ぉ?この番組がわたしのおかげで放送出来てるって事を忘れてない?」
「だからなに?私はそんなんで怯まないわよ!」
「……まぁいいわ、別に興味ないから」
「あっそ」
「それにしても電々導度は良好のようね」
「花ちゃん、“でんでんどうど”って何?」
「知らないわよ。とりあえず、“でんでんどうど”って言ってるんだから次いきましょ」
「待ちなさいよ!わからないなら聞けばいいでしょ!」
「面倒ね、ちゃんと意味あるんでしょうね?ただ滑舌が悪かったで済まさないでよ」
「ちゃんと意味あるわよ!あのね、わたしの電波達を伝達する感度の事よ」
「そういう意味なんだ~。あ!花ちゃん、魑魅達はメリーちゃんが何をしてくれてるか知らないと思うから説明した方がよくない?」
「そうね、本人にしてもらうわ」
「いいわ!わたしの凄さを教えてあげる。魑魅達は花子と首なしのスマホを使えるようにしてるのはもう知ってるわよね?察しのいい魑魅達なら気づいてると思うけど、このラジオもわたしの力で放送できてるってわけ!電波やネット関係は任せなさい!」
「つまり、こいつは電波系少女ってこと」
「余計な肩書き付けないでよ!だいたい、わたしの電波を使ってるんだから、スポンサー紹介みたいのしなさいよね」
「はいはい、わかったわ。ていうか、あと1人ゲストいるの忘れてたから呼ぶわ……ブラッディメアリー、ブラッディメアリー、ブラッディメアリー」
「あああぁぁあぁ」
「きゃあああぁ」
「きゃあぁぁぁ」
「あんたはいちいち驚くな!」
「だって、花ちゃん。すごい怖いよ~」
「メアリー?あんたもあんたよ。驚いた相手に驚いてどうすんのよ?」
「ごめんねぇ、メリーちゃん」
「来て早々で悪いけど自己紹介してちょうだい」
「あ、はい。私はブラッディメアリー、マリーやメリーって呼ばれる事があるからブラッディて呼んでください」
「補足だけど、メアリーはね、花子と同じで移動制限があるのよ。鏡の中だけしか移動できないわ」
「リーちゃんはメリーちゃんと仲良いの?」
「リーちゃん?」
「ゲストを困惑させんじゃないわよ!ブラッディ、あんたの事よ。たぶん」
「そうなんですね。えっと、仲良いよね?メリーちゃん?」
「まぁそうね」
「そうでもないみたいね」
「もう!花ちゃんはすぐそういうこと言う~」
「メリーちゃん、そうなの!?」
「誤解よ!ただ仕事以外で話す機会がないからよ」
「そっかぁ、よかった♪じゃあ、今度、一緒に出掛けようか!鏡の中ならいろいろ連れていけるよ♪」
「そうね、頼むわ」
「仲を確かめ合った所で質問コーナーいくわよ」
「いちばん楽しみなコーナーだね♪花ちゃん」
「私は楽しみじゃないわよ!バカみたいな質問しか来ないんだから!一通目いくわよ…」
[妾はどうしたらよいのじゃ? PN.殺生石に戻りたい]
「深刻な悩みなのかな~」
「知らないわよ!何に悩んでるかもわからないし。とりあえず、強く生きなさい。生きてれば良い事があるわ、きっと。はい、次!」
[おとなってみんなこうなのか? PN.ざしきわらし]
「なに?この心にグサッてくる質問は?」
「花子にもそういう感情あるのね」
「失礼ね、私にだってあるわよ!ていうか、この質問は具体的に大人をどういう風に思ってるのか書いてないし下手なこと言えないわね。スルーしましょ。次は…」
[なんで大人は皆あんななの!? PN.貧乏じゃないもん!]
「ほぼ同じ質問ね…スルーよ」
「花ちゃん、質問者が可哀想だよ~、答えてあげよ?」
「じゃあ、あんたが答えなさいよ」
「おっけ~♪それじゃ……う~ん、大人ってね、子供の頃に出来なかったオシャレがいっぱい出来て楽しいよ♪」
「どう?期待通りの回答じゃないかもしれないけど、こういう26歳の大人も居るんだから大人もそう悪くないと思わない?」
「あ~、花ちゃんにいいトコ取られた気がする~」
「気のせいよ、次は…」
[メリーさんはどうやって実体のある人形ごと密室に進入できるんですか? PN.T.T]
「それは簡単よ、ゆ…」
「ちょっと!花子!黙ってなさい!手品の種はバラしたらおしまいなのよ!」
「どうせ、いつかバレるわよ。それにしても人形は実体があって不便よねぇ、いろんな失敗談があるし」
「性格悪いわよ!花子」
「なによ、あんたが勝手に愚痴ってきたんじゃない。愚痴られた側として喋る権利があってもいいと思うんだけど?」
「愚痴ってのはね、信頼してる人以外には聞かれたくないものなのよ。そんな風にイジられるのはイヤよ!」
「私はあんたが皆に親しみやすくなるようにイジってあげてるんじゃない。感謝しなさい!」
「感謝なんてするわけないでしょ!」
「なにが不満なのよ?」
「全部よ!全部!」
「ジェラシ~ビ~ム!!」
「ちょっと、あんたの相方どうしちゃったの!?」
「知らないわよ。どうせビーム撃つならセクシーにすればいいのに」
「ジェラシ~だよ!ジェラシ~!私の方が花ちゃんと付き合い長いのに~!」
「はいはい、あんたは2番目に仲が良い友達よ」
「花ちゃん、だ~いすき~♪」
「あなた、2番目でいいの?」
「うん♪だって、1番は…」
「はい、次の質問いくわよ」
「そだね~♪」
[ブラッディ殿の鏡の中を移動できる能力…欲しいのじゃ! PN.バンちゃん]
「はい、次!」
[俺ちゃんには必要ないけど、鏡の中を移動できるってのは羨ましいぜ PN.アイアム インビジブルヒューマン]
「…次」
[鏡の中、羨ましいぞ☆ PN.サッキー]
「なんなのよ!なんで、この3人は同じ思考回路なのよ!」
「花ちゃん、なんで怒ってるの?」
「この3人はね、鏡の中を移動できるようになったら絶対同じ事するわよ」
「ん~?なにするの?」
「ノゾキよ、ノゾキ」
「それはダメだね」
「花子…あんたの番組、いつもこんななの?」
「否定できないのが、悔しいわ。だから、質問コーナーは憂鬱なのよ。ちなみにブラッディ、あんたはその能力を悪用してないわよね?」
「はい、してないです」
「0点。あんたは見た目的にはなかなかインパクトあるのにキャラがあまり立ってないのよ。このままじゃ、次の出番はもうないかもね」
「そんなぁ……じゃあ、ノゾキしてます!毎日してます!」
「そうよ、それよ!あんたはノゾキ魔キャラで決まりね」
「よかったぁ」
「メアリー、あんた花子にいいように遊ばれてるのよ。あんたはそのままでいいの」
「メリーちゃん、ありがとう♪」
「2人は仲良いね~、花ちゃん♪」
「私にああいうの求めてもムダだからね」
「もう花ちゃんのばか~」
「はいはい、今回はこれで終わるわよ!今回のお相手は花子さんと…」
「口裂け女~」
「メリーさんと」
「ブラッディメアリー」
「でお送りしたわ。次回も見なきゃ、トイレに引きずり込むわよ」
「込んじゃうぞ~♪」
「あ、忘れる所だった。この番組はご覧のスポンサーの提供でお送りしたわよ」
提
供 メリーさん
元
はい!今回は重要な事が判明しましたね。なんと!花子さんと口裂け女の番組はメリーさんの提供で放送してたんですよ!そして、メリーさんが言っていた電々導度ですが、どうしても使いたかった言葉だったんで自分で勝手に作った言葉です!電導度という言葉はあったと思いますが、やはり電々導度が……いや、“でんでんどうど”が使いたかったんです。あるアイドルの滑舌をイジった時に出た言葉が元ネタですね(ノ´∀`*) あと花子さんと石鹸の関係性ですが、本編で書くのを忘れていたのでいずれ書かせてもらいますね♪ それではまた