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ぼくと花子さん  作者: 大器晩成の凡人
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18話 ぼくと花子さんとメリーさん②

「それにしても、そんなに嬉しいんですか?仕事とかやり遂げたとか言ってましたけど」


「ええ!嬉しいわ♪ここ数年は最後まで出来なかったんだもの」


「理由とか聞いてもいいですか?」


「きみはわたしに優しくしてくれたからね!話してあげる」


 そう言うとメリーさんはテレビの前に腰掛ける。


「あのね、単純な話なのよ。1回目以降、電話に出ないのよ。最近の子達は嫌な事があるとすぐ拒絶する!ホント悪い癖よ!ケータイが普及して遂にわたしの時代が来たと思ったのに」


「簡単に対処できるんですね」


「そうなのよ、逆にわたしに挑戦してきたヤツもいたわ」


「そんな人が!」


「どこで知ったのか知らないけど、わたしの電話番号が出回ってるのよ」


~~~回想~~~


 メリーさんはやることがなく寝転がりひなたぼっこの最中。すると急に起き上がる。


「なにかしら?こんなこと初めてだわ。わたしに電話がかかってくるなんて」


 どうやらメリーさんに着信があったようだ。


「…もしもし?」


 警戒しつつ電話に出ると


「お!出た」


 相手は若い男性のようだ。


「なにかしら?」


「メリーさんだよね!」


 メリーさん相手に怯える様子はない。むしろ有名人に遭遇して喜ぶ一般人のように思える。


「そうよ、わたしメリーさん」


「お!ホントにメリーさんかよ!しかも自分でメリーさんって言ったし」


「なに?バカにしてるの?」


「いまから俺と勝負しようぜ!俺を追いかけてみろ!」


 そう言うとプープープーと電話が切れた。


「ガキのくせに…いいわ!わたしの怖さ思い知らせてあげるわ……あいつの居場所は…」


 メリーさんは動きを止め電話相手の居場所を探る。


「見つけた!この場所って…そういうことか!時間が無さそうね」


 メリーさんはすごい速さで空の彼方に飛んでいった。数分後、たどり着いたのは空港だった。空港の屋根の上に降りると先ほどの相手に電話をかける。


 相手は電話に出た。そしてメリーさんは喋り出す。


「わたし、メリーさん。いま空港にいるの」


「ああ、俺、俺!いま飛行機乗るの」


 挑発のつもりかメリーさんの喋り方をマネする。メリーさんは電話を切った。


「やっぱりか!」


 メリーさんは空港の滑走路を見回す。


「あった!あれに乗ってるはず」


 男の乗ってる飛行機を見つけたが一足遅く飛行機は離陸するところだった。飛び立った飛行機を追いかけるメリーさんは男に電話をかける。男は電話に出た。


「いまどこぉ?」


「あんたねぇ……飛行機の中で電話に出るんじゃないわよ!」


 そう言って電話を切り追いかけるのをやめた。


~~~回想おわり~~~


「そんなことが」


「ホント迷惑よねぇ、飛行機になにかあったら困るし注意だけして帰ったわ」


「他にも失敗談あるわよ」


 花子さんは意地悪な顔で話に入ってくる。


「ちょっと!花子、やめなさいよ!」


 メリーさんの制止を意に介さず花子さんは


「[メリーさん 夜道 大泣き]で検索してみなさい」


 ぼくはスマホで[メリーさん 夜道 大泣き]と検索。花子さんはスマホを覗き込み


「これよ!これ!」


 1つの動画を指差した。


「見ないでぇ」


 メリーさんの願い虚しく動画は再生された。その動画には夜道、1人の女性が自撮り棒で自分を撮影してる動画だった。


『ウチは散歩とか好きじゃないんだけど、いまぁ1時間くらい歩き回ってるんだぁ♪なんでだと思う?』


 なにか面白い事でもあったのか女性は笑いながら話す。


『いま教えてあげる』


 そう言うと女性は自撮り棒を横にずらし女性の背後が映る。そこにはフランス人形…いやメリーさんがいた。


『ウチ、ちょっと黙るね♪』


 女性が黙ると他にも声が聞こえてきた。メリーさんの声だ。


『わぁぁぁん、うしろ振り向いてよぉぉぉ、うしろうしろあなたのうしろにいるのぉぉ、わぁぁぁん』


 人形だからか表情からは感情が読み取れないが泣いてるようだ。女性はその状況を楽しんでる。


『仕方ない、うしろ向くか』


『ホント♪』


『やっぱやーめた』


『びえぇぇぇん』


 メリーさんは大泣き。女性は大爆笑。


「これ結局どうなったんですか?」


「え?ええと、振り向いたわよ。たぶん、そろそろだと思うわ」


 メリーさんは恥ずかしそうに顔を覆ってた手を下ろし答える。その後ろで花子さんは笑い転げてる。


「笑いすぎよ!花子!」


 メリーさんは怒ってるようだ。動画と同じで表情は変わらず彼女の感情を読み取るには声や仕草で読み取るしかない。


「いいじゃない、笑える所はもう終わりなんだから…イヒヒヒ」


 花子さんは人差し指で涙を拭うがまだ笑いは収まらないみたいだ。花子さんの『笑える所はもう終わり』という言葉も気になり、ぼくは動画の結末を見届けるためにスマホの画面に視線を戻す。


 するとすぐに異変が起きた。急に動画の女性の顔が青ざめる。女性の視線は自撮りしてるスマホではなく、その向こう側のようだ。


『え?なにあれ?ヒィッ!いや、いや、いやあぁぁ』


 女性の悲鳴とともに今まで安定して撮影してた動画が乱れる。


『わぁ♪振り向いてくれたぁ♪』


 メリーさんの嬉しそうな声が聞こえたが、女性はメリーさんに目もくれず必死になにかから逃げる。


「あんな必死に逃げてるくせに動画撮影を続けるなんて、ほんとバカよねぇ」


 笑いが収まった花子さんはぼくの背後からスマホを覗き込む。


(たしかに…)


 ぼくが苦笑いしてると動画は今まで以上に乱れた後にピタッと止まった。どうやら女性は転び自撮り棒を手放してしまったようだ。少し離れた所に女性がうつ伏せで倒れてるのが映る。女性はゆっくり半身を起こし後ろを振り返ると


『いやあぁぁ』


 悲鳴を上げ走り去っていった。


『待つのじゃ、お嬢さ~ん』


 最後に女性の後を追うなにかが映っていた。動画はそこで終わりぼくは顔を上げる。


「なんですか?最後のは」


 花子さんに疑問を投げかける。


「今度、ヒマがあれば、いつか、余裕があれば、なにもすることがなければ、覚えていれば話すわ」


「いまでもいいんじゃないですか」


「話したくないってことよ!あいつは女の敵よ」


 花子さんはあからさまに嫌悪感を示す。


「あんなヤツに助けられたなんて屈辱だわ」


 メリーさんも嫌悪感を示し花子さんと顔を見合わせると「はぁ~」とため息を吐いた。

 どうですか?メリーさんの可愛さをちゃんと表現できてますか?皆さんは飛行機内で電話に出ちゃダメですよ( *´艸`) それとぼくが見てた動画の最後に謎のキャラが居ましたが近い内に登場しますよ!待っててください!それでは今日はこの辺で

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