16話 ぼくと花子さんと八②
「あんた、帰りなさいよ」
「ぽぽ」
花子さんの言葉に対し首を横に振り拒否する八。
「せっかく遊びに来たんですから追い返すのは可哀想ですよ」
「ぽーぽぽっぽ(少年は優しいね)」
八はぼくに頬擦り。
「遊びに来た?違うわね!こいつはあんた狙いよ!こいつはショタコンなの!」
「でも、悪い人じゃないと思いますよ」
「ああそう!男はみんな大きい女が好きなのよね!あんたも例外じゃないわけね」
「大きい…たしかに大きいですね」
ぼくは八を見上げる。八の身長はジャンプしたら3メートル程あるトイレの天井に頭をぶつけてしまいそうだ。
「ぽぽぽぽぽぽぅ(少年はあんなちんちくりんより私の方がいいに決まってるよねぇ)」
八はしゃがみ込みぼくに言い寄る。
「なんか、バカにされた気がするわ」
「ぽっぽ」
八は違う違うと手を横に振る。
「いいわ!遊びに来たなら遊びましょ!私が勝ったらあんたは帰りなさいよ。あんたが勝った場合は…」
「ぽぽぽ、ぽぽぽ、ぽー(私が勝ったら花子さんは土下座しながら3回まわってワンね)」
「…なに言ってるかわかんないけど、それでいいわよ」
花子さんはテレビ台の引き出しから紙を出し宙できれいに6枚に切った。
「この紙に私とあんたでやりたい遊びを3つ書くの。それで折り曲げて中身が見えない状態にして1枚引いて、その紙に書いてある遊びをする。先に2勝した方が勝ち。わかった?」
「ぽ」
敬礼し理解したようだ。
「八さんて文字書けないんじゃ」
「ああ、そうだったわ。あんたが代わりに書きなさい。ジェスチャーとかでわかるんじゃない。わからなければ適当でいいわよ」
そう言うと花子さんはペンを操り紙に書いていく。
(ふふん、見てなさい!私は3枚とも全部に縄跳び二重跳びって書くわ。あの身長にあの胸!小柄な私が圧倒的に有利…ふふふ)
不敵な笑みを浮かべる花子さん。
(なんか、意地悪なこと考えてるなぁ)
「ぽ」
八はズイッとぼくに顔を近づける。
「あ、すいません。こちらも書きましょうか。なににしますか」
「ぽー」
八は腕を組み考える。
「ぽ!」
手をポンッと叩きなにか閃いたようだ。
「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ」
ぼくに顔を近づけものすごい早さで“ぽ”を連呼。
「う~ん…あ!もしかしてこれかな?」
ぼくは紙に書きそれを八に見せる。
「ぽ~ぅ」
八は手でオッケーサイン。
「2つ目はなににしますか?」
「ぽぽ」
八はぼくのお尻を取るような仕草。
「これですね!」
「ぽぽぽっぽ」
八は拍手。
「最後は…」
「ぽっぽっぽっ」
八は手をグー、チョキ、パーと繰り返す。
「これですよね」
紙を見せると嬉しそうにぼくに抱きつく。
「あんたら、イチャつくんじゃないわよ!」
「ぽぽっぽ、ぽぅぽぅ(私と少年は心が通じ合ってるの!私…いいえ、私達に負けはない!)」
「なに言ってるかわかんないけど、いいわ!始めましょ」
ぼくは花子さんの分の紙を回収する。手の平には四つ折りにされた紙が6枚、それを両手で包み手を振りシャッフル。十分に混ざった所で手を開いた。
「私は優しいからあんたに先に選ばせてあげる」
「ぽー」
八は口に人差し指をあて、どれにしようか悩んでる。
「ぽ!」
1枚の紙を取り開けて中身を確認。紙には[早口言葉]と書いてあった。
「チッ」
花子さんのリアクションでわかる通り、八がぼくに伝えて書いたものだ。
「まあいいわ、お題はなにかしら?」
「オーソドックスに生麦生米生卵でどうです?1回言えれば成功ってルールで」
「そうね、それでいいわ。紙を引いたあんたから先攻よ」
(あれ?八さんって“ぽ”しか喋れないんじゃ…)
ぼくは心配と興味が入り交じった感情で見守っていると八は口を開き…
「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ」
見事な“ぽ”の連呼。
「成功してるのかわからないじゃないのよ!」
ごもっともだ。
「それに明らかに文字数と合ってないわよ」
「う~ん、誰か翻訳できればなぁ」
「そうよ!翻訳といえば!」
花子さんは五円玉と紙を取り出した。ぼくはその2つのアイテムを見て察した。
「手伝いなさい!」
ぼくは紙の上に置かれた五円玉に指を置く。
「コックリさん、おいでませぇ」
ポンッと煙とともにコックリさん登場。
「なによ!」
明らかに不機嫌そうなコックリさん。
「なによ!」
『なによ!』を『なによ!』で返す花子さん。
「私はヒマじゃないのよ」
コックリさんは背を向け帰ろうとする。
「油揚げ」
花子さんの一言にコックリさんの耳はピーンと立ち振り返り戻ってくる。
「し、仕方ないわね。なんの用?」
「こいつがなんて言ってるか翻訳してほしいのよ」
コックリさんは花子さんが指を差した方を見る。
「なによ!このデカイのは!?」
コックリさんの全身の毛は逆立ち誰が見てもわかる程に驚いていた。
「ぽぽぽ?ぽぽぽ?(花子さんの友達?もふもふ触っていい?)」
八はずいずいとコックリさんに顔を近づける。
「わああぁ、来るなー」
必死に腕を振り八を追い払おうとするが…
「ぽ♪」
腕を掴まれた。
「だ、だべないでぇ」
コックリさんの顔は涙でグシャグシャ。八は優しくコックリさんの頭を撫でる。撫でられたことで恐怖が和らいだコックリさんは八の顔を見る。
「たべない?」
「ぽ♪」
コックリさんの問いに笑顔で頷く。
「ぷくく…あははははは」
花子さんは我慢できず爆笑。
「な、なにがおかしいのよ!」
「だって、だって!『だ、だべないでぇ』って…あはははは」
花子さんは誇張してコックリさんのマネをし再び笑う。
「目的はなんなのよ!」
「ヒィ…フフフ、イヒヒ」
「あの、この大きい人は八さんって名前でさっきのように“ぽ”しか喋らないんです」
なかなか笑いが収まらない花子さんの代わりにぼくは説明する。
「いま花子さんと八さんは早口言葉で勝負してるんですけど、八さんがちゃんと言えてるかわからないので翻訳してほしいんです」
「そ、そういう…フヒヒ、ことよ」
「なんで私が?」
「あんた…ぷぷ、実績があるじゃない」
「実績?」
コックリさんは記憶を思い起こす。
「あ!馬の時のこと言ってるの?あれ1回だけで実績って言われても困るわよ」
「あら、出来ないなら手ぶらで帰りなさい」
「わかったわよ!やってみるわよ」
勝負を仕切り直し、花子さんと八の間にコックリさん。
「お題はさっきと同じ生麦生米生卵でいいわね?」
「ぽ!」
花子さんの問いに八は頷く。
「今度は私から言うは…」
花子さんは深呼吸すると
「なまむぎなまごめなまたまご!」
気合いが入ってたのか言い切った後に「はぁ」と息を吐いた。
「どう?次はあんたよ」
八は緊張が表に出ないのか表情は変わらない。そして口を開き…
「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ(なまぶぎなまぐみなまななこ)」
ぼくと花子さんはコックリさんに視線を向けジャッジを待つ。
(どーしよ、なに言ってるか全然わかんない…2人こっち見てるし、あれ?そもそも2人は言葉がわからないから私に翻訳を頼んだわけよね…それなら)
コックリさんは八の言葉が理解できなかったことを気づかれないように表情を殺し最善策を選んだ。
「ちゃんと言えてるわ」
「チッ、じゃあ次ね」
「じゃあ次もオーソドックスですけど東京特許許可局局長でどうですか?」
「やってやろうじゃない!私からいくわ!プレッシャーを与えてやる」
花子さん先程より深く深呼吸し…
「とうきょうとっきょきょかきょきゅきょちょ」
失敗。
「つ、次はあんたよ!」
噛んだのが恥ずかしかったのか少し顔を赤らめながら八を指差す。
「ぽー」
八も花子さんと同じように深く深呼吸してから…
「ぽぽっぽぽっぽぽっぽぅぽぅぽぽぽ(ときよときよかきかききゃっきゃっ)」
再びぼくと花子さんはコックリさんのジャッジを待つ。
「すごいわね…成功よ。花子の負けね」
「ふ、ふん!まだ1敗よ、次と次2回連続勝てばいいのよ」
「次の勝負ですね」
ぼくは手の平の紙を差し出す。
「次は私が選ぶわ」
真剣に悩む花子さん。
「これよ!」
花子さんの選んだ紙は宙に浮き開かれる。
(縄跳び二重跳び、縄跳び二重跳び、縄跳び二重跳び)
花子さんの思い虚しく紙に書かれていたのは[しりとり]
「じゃあ、審判の私が最初の言葉を指定するわ!最初の言葉はこの私、“コックリさん”よ!」
「………」
「………」
花子さんと八は揃ってだんまり。
「どうしたの?あ!そうか!どっちが先攻か決めてなかったわね。じゃあ先攻は花子からよ」
「あんたバカでしょ」
「花子?しりとりなんだから単語を言いなさいよ。そんなんだったら終わらないでしょ!それになんで“あ”から始まってるのよ。ちゃんと聞いてた?私の名前コックリさんよ。だから“ん”で始まる言葉を………」
ようやく気づいたようだ。自分で自分の間違いに気づくことほど恥ずかしいものはない。
「んにゃあああぁぁ」
コックリさんは恥ずかしさの余り絶叫。長い耳を手で前に倒し目を隠す。
「なにが『んにゃあああぁぁ』よ、あんたイヌ科でしょ」
「うるひゃい」
「はいはい、それじゃあ“バカ”のカから始まるわよ。“カニ”。あんたの番よ」
「ぽぅぽぅ(にんじん)」
3人はコックリさんに視線を向けた。コックリさんは恥ずかしそうに顔を上げる。すると八が花子さんに気づかれないように自分にウインクしてることに気づいた。
(ふふ、そうね…いまこの場で花子の勝利は天と地がひっくり返ってもありえない!見てなさい!あんたは今日、完全敗北するのよ)
コホンッと咳払いをして平静を装う。
「ええ、彼女はちゃんと答えれてるわ。次は花子の番よ」
「ちょっと待ちなさいよ!あいつがなんて返したか教えなさいよ!」
「それは出来ないわ。だって私は審判。公平にジャッジしなければならないの!片方を助けるようなことは出来ないわ!花子、あんたが予想して返しなさい。」
もっともらしいことを言ってるが、この勝負はすでに公平さに欠けている。
「ぐぬぬ、情報が少なすぎる…間違いなく“に”から始まってる単語のはずよね。そんなに難しいことは言ってないわよね。バカだし」
思考を巡らせ出た答えは…
「きっと“にわとり”って答えてるはず!だから、私は“りんご”」
花子さんはコックリさんを見る。コックリさんは無言で頷く。
「よし!」
八は「ぽー」と声を出しながら考える。
「もう、終わりかしら」
そういう訳ではない。八はコックリさんの協力があることをいいことにわざと最後に“ん”が付く単語を考えてるのだ。
「ぽぽっぽ(ゴーゴン)」
またコックリさんを見る。コックリさんは頷く。
「まぁ、あんたは単純そうだから“ゴリラ”って答えたんでしょうね。だから、私は“ラッパ”」
「ぽぅ(パン)」
八は即答。コックリさんは頷く。
「なら“月”」
「ぽー(危険)」
「フッ、“き”攻めで来る気かしら?“着物”」
「ぽーーー(ノーリアクション)」
「“リンボーダンス”」
「ぽーぽぽ(スウェーデン)」
「“からあげ”」
「ぽ~ぅ(現金)」
「また“き”できたわね。“きくらげ”」
「ぽーぽーぽー(芸能人)」
2人の間でコックリさんはただただ頷くだけの人形になってた。
~それから10分~
花子さんは答える速度か遅くなっていた。
「3分以内に答えられなかったら自動的に負けね」
コックリさんはルールを追加。
「ちょっと待ちなさいよ!」
新しく追加されたルールに慌てる。
「こんな泥仕合見てらんないでしょ」
そして3分が経ち…
「はい、八の勝ち~」
「そん…な」
花子さんは膝から崩れ落ちる。
「いえ~い♪」
「ぽぽ~ぅ♪」
コックリさんと八はハイタッチ。それを見て花子さんは何かに気づく。
「…ちょっといいかしら?」
「負け惜しみ?みっともないわよ」
コックリさんの言葉をスルーして、花子さんは八に視線を向け。
「最後にあんたに言ってほしい言葉があるの。それをちゃんと言えたら私の完全敗北を認めるわ」
「ぽー(そんなの簡単)」
首を縦に振り花子さんの要求を飲んだ。
「いい?一言一句ちゃんと言うのよ…」
花子さんは八に耳打ちする。
「ぽぅぽぅぽーーー(そんなのでいいの?これで私の勝ちは確定ね)」
スーッと八は息を吸い込み
「ぽぽぅぽーーーぽぽっぽぽー(あ!廊下に油揚げ100枚落ちてる)」
花子さんはコックリさんの方へ近づき。
「どう?あいつ、ちゃんと言えたかしら?」
「そもそも、あんたが何を言わせたか知らないわよ」
「そうだったわね」
花子さんは勝利を確信したような笑み。
「私はこう言わせたの『あ!廊下に油揚げ100枚落ちてる』」
「はにゃあ、油揚げ♪」
思わず油揚げに反応してしまい廊下を見るが無いことに気づくと同時に自分が間違いを犯したことに気づく。
「なにが公平なジャッジよ!あんた審判失格よ」
「たまには仕返したっていいでしょ」
「仕返しするなら正々堂々やりなさいよ!」
「だってぇ」
コックリさんの大きな耳は元気なく垂れ下がる。
「この勝負は無かったことになるわね」
「ぽぽぽー!(せっかく2勝したのにずるい!)」
八はものすごい勢いで抗議。
「だいたい、あんたもグルでしょ!」
「ぽっぽ(勝ちは勝ちだもん)」
「なに言ってるかわかんないのよ!このデカ女!」
「ぽーぽーぽっぽ(ありがとう♪)」
「このバカ!」
「ぽっぽぽぽぽ(花子さんって可愛いよねぇ)」
「このショタコン!」
「ぽぽ~ぅ、ぽぽっぽぽぅぽぅ(花子さんが男の子だったらよかったのに、男の娘だったりしないかな?)」
「なんなの!この一人相撲な感じは!イライラしてきた……ひきこ!!!」
花子さんの突然の叫びに応じるかのようにどこからともなく少女が現れた。服はボロボロで顔には切り傷のような傷痕が無数にあり、キャッキャッキャッキャッ笑いながら八の足首を掴むと引きずり廊下に出てそのまま階段を下りていく。廊下から「ぽー」という声が徐々に小さくなっていく。
「花子さん、いまのは?」
「あの子はひきこよ、私の切り札」
「へぇ」
「今度はあんたのお仕置きね」
突然の登場人物を軽めに紹介し花子さんが振り返るとコックリさんの姿はなくなっていた。
「逃げられたか、お仕置きは今度ね」
花子さんの笑みには余裕があった。なぜならコックリさんを呼び出すのはいつでも出来るのだから…
【おまけ】
「前は旧校舎に入れたけど今回は大丈夫かなぁ」
不安そうに話す取り巻き。
「1度は入ったんだ!余裕だぜ!」
反対に自信たっぷりで話すガキ大将。
だが、いま2人がいるのはグラウンドである。
「よし!行くか」
ガキ大将は一歩踏み出すが
「待って!なにあれ?」
取り巻きは旧校舎を指差す。旧校舎はグラウンドより高い場所にあり旧校舎正面から伸びる階段からグラウンドと行き来できるようになっている。その階段をものすごい勢いで下りてくる少女が2人の方へ走ってくる。
「なんかヤバイよ!あの人の顔」
その少女の顔は傷だらけだった。
「や、やべぇ、逃げるぞ!」
ガキ大将もヤバさに気づき走り出す。2人は必死に走るがあっさり追いつかれ、そのまま追い抜かれた。すると少女がなにかを引きずってることに気づく。それは2メートルを越える女性だった。女性は2人と目が合う。
「ぽぽ!ぽーぽぽー(あ、男の子が2人♪まーたねー)」
少女と女性は去っていった。恐怖が過ぎ去り2人はゆっくり足を止めた。
「帰ろうぜ」
「うん」
【さらにおまけif】
これは、もしも花子さんの目論見通り縄跳び二重跳びを引けてたらのお話
「やったわ!縄跳び二重跳び!」
「これ、花子さんが書いたのですよね」
「そうよ!始めましょうか!」
八の分の紙はぼくが記入したので必然的にぼくが見覚えのない紙は花子さんが書いたものだ。
「縄跳びのロープはどこにあるんですか?」
「テレビ台の引き出しにあるはずよ」
ぼくはテレビ台の引き出しを開け縄跳びのロープを取り出す。
「なんでこんな物が用意されてるんですか?」
「遊ぶ為に決まってるでしょ!好きでしょ?子供はみんな」
「縄跳びを用意されててもそれで遊ぶって発想はぼくにはないです」
「あんたを想定してないわよ」
今の小学生は縄跳びを縄跳びとして扱っているのはどれくらいいるだろうか。ぼくの感覚が普通なのか花子さんの感覚が普通なのか……それは置いといて、これから、縄跳びをちゃんと縄跳びとして使用するのだ。そこで問題が発生する。
「そうですか……それはいいんですけど、花子さんは幽霊だから縄跳びのロープ掴めないんじゃないですか?」
「しまった!」
「八さんは…」
「ぽ!」
八はぼくの手から縄跳びのロープ取り、ロープに触れることをアピール。
「じゃ、花子さんの負けでいいですね」
「ちょっと待ちなさいよ!」
「それじゃあ、多数決にしましょう。花子さんの負けでいいと思う人。はい」
「ぽ」
ぼくと八は手を上げた。
「花子さんの負けですね」
「待ちなさいよ!多数決は私が不利じゃない」
「わかりましたよ、多数決で決めるか多数決で決めましょう。多数決でいいと思う人。はい」
「ぽ」
またもぼくと八が手を上げる。
「だから、それやめなさいよ!」
花子さんは少し考え
「そうよ!規定の回数跳べればあんたの勝ちでいいわ!そうねぇ、5回跳びなさい!二重跳びで」
「ぽ」
八は敬礼。理解したようだ。
(ふふふ、その巨体で二重跳びなんて芸当できるはずないわ。私の勝ちね)
「ぽ!ぽ!ぽ!ぽ!ぽ!」
花子さんの思いとは裏腹にあっさり二重跳びをやってのける。規定の5回を越えても余裕の表情。
「なんでできるのよ!」
もしかしたらのお話でした。
≪次回予告≫
彼女からの電話 こんなにも心踊らないものはない 彼女は束縛する あなたに会えるまで 彼女は何度も電話をかける あなたに会えるまで 彼女はあなたの居場所を知っている あなたに会うために だから拒絶しないで 彼女が伝えたい言葉を聞いてあげて 「わたし、あなたのうしろにいるの」
どうでしたか?今回の話は?八はデカイんです。口裂け女よりもデカイんです( *´艸`)この八を喋らすのはホントに楽でした!ほとんど“ぽ”なんですもん。おかげでスマホで“ほ”を入力すると、予測変換に大量の“ぽ”が並びます(ノ´∀`*)他にはコックリさんの立ち位置が決まり始めた話でもあったと思います。そして、今回のパロディネタは1つだけなのですが、わかりましたか?【さらにおまけif】で多数決の流れです。ある3姉妹の日常を淡々と描く作品ですね。 それではまた次回のお話を待っててください!