表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぼくと花子さん  作者: 大器晩成の凡人
152/152

99話 ぼくと花子さんとヘルメット②

 〜前回のあらすじ〜


 突然、来訪したモナリザ、人体模型、首なしライダー。来訪理由を尋ねるもわからぬままに意識の所在という哲学的で果てしない壮大な謎に直面してしまったのである。

「はっ!私は何を!?」


 果てなき思考の宇宙旅行から帰還した花子さん。


「花ちゃん、私達の脳みそはどこにあるかって話だよ〜」


「もういいのよ、そんなこと!ああ、もう話が脱線しまくりじゃないの!あんた、さっさとここで作業する理由を言いなさいよ!」


 壮大な疑問は置いといて再び今の現状の理由を問い正す。もちろん相手は首なしライダーだ。


『ここを提案したのはモナリザ君なんだ』


「それで?」


 花子さんのトイレで作業するのを提案したのはモナリザだと前置き。それは自分には非がないというアピールにも聞こえる。


『ここならいくら汚れても問題ないからみたいだよ』


「は?…………………ふざけんじゃないわよ!ここは私の部屋よ!汚していいかどうかは私が決める!ここに入っていいかどうかも私が決める!それとあんたが来るタイミングと帰るタイミングも私が決めんのよ!」


 ようやく理由が語られ呆気に取られた花子さんだったが、一瞬にして怒りは頂点へ。おまけに首なしライダーは来るタイミングと帰るタイミングすら花子さんに権利があると来た。


「いいじゃありませんの。トイレは汚れる為にあるものですのに」


「違うわよ!汚れる前に綺麗にする!トイレってのはそういうものよ!人間性の綺麗さを映す鏡なのよ!だから汚す前提で来てるあんたの人間性は汚れ塗れよ!ぜったい!!」


 またもや始まる花子さん対モナリザの口論。早めに終息してくれるだろうか。


「まぁまぁ、少しくらいいいじゃないですか」


「あんたは首なし目当てでしょうが!黙ってなさい!」


 ぼくが宥めるも一蹴された。


『落ち着きなよ。花子さん』


「あんたは原因の一部でしょうが!さっさと帰んなさいよ!」


 次に首なしライダーが宥めるがそもそもの原因という事もあり、これまた一蹴。


「花ちゃん。楽しくしようよ~」


「あんたはあの女が嫌いなんでしょ?私に賛成よね!?」


 次は口裂け女の出番だが、彼女はモナリザが苦手という事もあり一蹴するのではなく味方に引き込もうとする。


「えっと、えっと〜」


「わたくしに出て行けって言うつもりですの?冗談は乳だけにしてくださる?」


 お嬢様口調の割に少し下品な言葉で詰めるモナリザ。これで口裂け女は板挟み状態。


「ごめんなさい。居てください」


 モナリザの圧に屈し頭を下げる口裂け女。


「役立たず!!あんたの尻、二倍になるくらい叩いてやるから覚悟なさい!」


「ひ〜、ごめんなさ〜〜〜い」


 お仕置きを告知された口裂け女は両手でお尻を覆い守る。


「………………」


 ペコリ


 無言で頭を下げた人体模型。これが彼なりの最大の誠意なのだろう。


「…………はぁ、わかったわよ」


 意外にもその誠意で花子さんの許可を得る事が出来た。やはり、誠意は大事なのだ。


『じゃあ、始めようか!』


 首なしライダー(スマホの音声)の可愛らしい声で仕切り直し動作確認が始まる。


『まずはマニピュレーターからだね』


 そう言うと首なしライダーはスマホを操作し始める。


「まに、まに、まにゅう、まにゅぴってなに?花ちゃん」


 聞き慣れない単語を一所懸命に発音しようとした口裂け女だが、途中で諦め花子さんに答えを求める。


「話が脱線するから黙ってなさい。魔乳」


「ま、魔乳って私の事!?」


 話の脱線予防で雑にあしらった花子さん。


 花子さんが説明を放棄したので代わりに説明すると今ここで言っている“マニピュレーター”とは機械で出来たアームだと思ってもらえればよい。


『じゃあ、動かすよ』


 スマホを操作した首なしライダーの合図と共にモナリザを収める額縁から無数のマニピュレーター……つまり、アームが出てきた。


「おほほほほ♪どうでして?このわたくしの動きは?」


 無数のアームを足代わりにし上機嫌に歩き回るモナリザ。その歩き回る音を擬音で例えるなら機械的なガシャンガシャンなどではなく素早いでお馴染みの虫などで使われるシャカシャカという音の方がピッタリかもしれない。


「その姿で歩き回るんじゃないわよ!鳥肌が止まらないわ!」


「花ちゃん、花ちゃん、花ちゃん〜」


 遺伝子レベルで組み込まれた嫌悪感は花子さんですら後退り、口裂け女に至っては嵐に耐えるかのように必死に花子さんにしがみついている。


『うん。動きに問題はなさそうだね』


「あら、もう終わりでして?」


 ある程度の動作確認を終えたらしく額縁のアームが収納されモナリザの動きは止まった。


「た、助かったわ」


「よかった〜、よかったよ~、花ちゃ〜ん」


 窮地を脱した二人は安堵。ちなみにぼくは首なしライダーの技術に見惚れていてモナリザのあの姿や動きに恐怖を感じたりはしてなかったようだ。

 さて、モナリザの動作確認なんですが、今回の話に関係ありません!…………というのはちょっとだけウソでして、花子さんの優しさをさり気なく書こうと思ってます!今回の話が終わった後にどういう意味があったのかを考えて楽しんでもらえると嬉しいです♪ その優しさを感じる部分がどこなのかも考えてくださいね! それでは 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ