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ぼくと花子さん  作者: 大器晩成の凡人
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93話 ぼくと花子さんと赤紙青紙⑭

 〜前回のあらすじ〜


 何かの誤解で口裂け女を花子さんだと勘違いして襲い掛かる赤紙青紙(妻)。だが、ここで花子さんの友情溢れるフォローに美しき友情を感じざるを得ない。

「我の到着である!我を迎え入れよ!」


 いろいろ誤解が解けない中、バンパイアが現れた。彼は名前が指し示す通り吸血鬼のバンパイアだ。そして、バンパイア特有の体質として住人に許可を得られない限り部屋もしくは建物に入れないという体質がある。だから、彼がわざわざ『我を迎え入れよ!』と言ったのは意味がある。命令口調なの性格的なものだ。


 それより、元は生徒達が使用するトイルのハズがバンパイア視点からは花子さんの居住エリアとして認識されてるようだ。


「イヤよ」


 そして、いつもの様に入室を拒否する花子さん。


「花ちゃん、入れてあげなよ〜〜〜。ンパちゃんが可哀想だよ〜〜〜」


 逃げ回りながらバンパイアを気遣う口裂け女。【ンパちゃん】とはバンパイアの事だ。


「だって、私、こいつ呼んだ覚えないもの。勝手に来たんだから私には追い返す権利があるわ」


「あ、あの、私がここで合流しようって言ったの」


 住人としての権利を訴える花子さんに申し訳なさそうに自分が読んだ事を伝えるマミー。


「マミー?あんたは友達よ。だからって、無条件であんたの彼氏まで受け入れるわけにはいかないの。何より腹が立つわ」


「花ちゃんはそっちが本音だよ〜〜〜、ぜった〜〜〜い」


 逃げ回る意味があるのかと疑問に感じるほど叩かれ続けてる口裂け女は野次を飛ばす。


「えっと、花子さん…………お願い」


「……………仕方ないわね。入っていいわよ」


 渋々バンパイアの入室を許可した花子さん。ゆきおんなに対してもそうだが、花子さんはこういうタイプには優しいらしい。


「うむ。当然の判断だな」


「あんたね、今からでも入室拒否するわよ?」


 入室を許可したものの上からの発言が気に食わなかったらしく花子さんは鋭い眼光をバンパイアに向ける。


「そ、そ、そ、それはそうと我は手土産を持って来たのであった!」


 鋭い眼光を避けるように目を逸らすバンパイア。そして、発言の通り何か持って来たらしい。その証拠にご自慢のマントに何か包んである。


「手土産ってなによ?くだらないモノだったら許さないわよ?」


「ふふふ、見るがよい!」


 バンパイアはマントに包んであるモノを取り出した。それは一本の右腕だった。それだけで他には何もない。


「げっ!花子さんのトイレじゃんか!離してくれ………よっ!」


 右腕は突如暴れ出しバンパイアの手から抜け出した。しかも言葉を発したように思える。不思議な光景にも思えるが、このような存在は過去にも登場している。なんなら今日、ぼくはその存在と似たような存在と行動を共にしている。


「あなたーーーーーー!!」


 叫び声と共に右腕に向かって持ち主不明のロケットパンチが飛んで行った。


「ぐはっ」


 そのロケットパンチは右腕に直撃。


「あなた!あなた!あなた!」


 ロケットパンチは右腕に直撃と同時に飛んでいた時の勢いは無くなり、そのまま体重を預けるように右腕に凭れ掛かる。


「おいおい、頭をグーにして飛んで来るなよ」


「だって、だって、ずっと探してたのよ!」


 ロケットパンチは右腕から少し離れ握っていた拳を開き手の平を真っ直ぐ右腕に向ける。


「ごめんな」


 右腕は謝り、拳を開いたロケットパンチと指を絡ませ抱きしめるように手を繋いだ。それは付き合ってる者同士がする恋人繋ぎだった。


「よかった……よかった」


「わわ!ミーちゃん、泣いてるの?」


 突然のマミーの号泣に理由を知らない口裂け女は慌てる。


 理由は簡単だ。今日、マミーが絶対探し出すと決意した相手を見つけたからだ。だが、その涙は達成感から来るものではない。ただただ、愛する者同士の再会が嬉しかった。ただそれだけだ。


 ロケットパンチと右腕、赤紙青紙(妻)と赤紙青紙(夫)……………赤紙青紙(夫妻)。

 ようやく二人は再会できました!でも、もう少し続きます。お付き合いください! それでは

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