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ぼくと花子さん  作者: 大器晩成の凡人
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84話 ぼくと花子さんと赤紙青紙⑤

 〜前回のあらすじ〜


 マミーの思惑、赤紙青紙(妻)の警戒心、スマホ所持者が二人、様々な理由で捜索チームの組分けは難航したものの無事にぼく&マミー&赤紙青紙(妻)とバンパイアで組分け成立……おっと失礼。ぼく&マミー&赤紙青紙(妻)とバンパイア&フランケンで組分け成立。これで赤紙青紙(夫)の捜索が始まる。

「どこ探しましょうか?」


「えっと、私がお世話になってるスーパーに行ってみない?」


 ぼくの質問にマミーが答えた。


「スーパーですか………すみません、マミーさんはそのままの格好で大丈夫なんですか?」


 マミーの風貌は普通とは言えない。身体中を包帯で覆われており、初めて目にする人は間違いなく驚くだろう。


「うん、大丈夫だよ」


 質問に対して軽く返答するマミーの口調は自信があるというより、極々普通の事であるような口調だった。


「あなた、ちゃんと警戒しなさいよ!私がその女の包帯でメチャクチャにされたらどうするのよ!」


 赤紙青紙(妻)はぼくの頭を鷲掴み……いや、頭に乗っかり警戒を呼び掛ける。


「マミーさんはそんな事しないと思いますよ」


 ぼくは今の赤紙青紙(妻)のポジションを気にする素振りは無く普通に話す。


「いいえ、女同士なのよ!何もしないなんて事は絶対ないわ!」


「そうだぞ☆女の子同士♪絶対ナニかするんだぞ☆」


 ぼくの言葉に耳を貸さない。女性同士のいざこざはドラマの中だけだと思いたいのだが……………おや、何やら微妙に方向性が違うコメントが聞こえた気がするが……


「もし、あなたが目を離してる隙に私の姿が消えたら、あの女に何かされたと思いなさい!」


「もし、きみが目を離してくれたら、マミーちゃんとあれやこれや始めちゃうんだぞ☆」


「そんな事しません!」


 マミーは全力で否定。どちらのコメントに対してかはわからないが、恐らく両方だろう。


「誰よ?お堅そうな女の次は軽そうな女ね」


 シームレスに会話に入って来た女性に対しても警戒する赤紙青紙(妻)。


「マミーちゃんは堅くなんかないんだぞ☆ほら、こことかムニムニ♪」


「あ、いや……やめっ」


 目にも留まらぬ速さでマミーの背後を取り羽交い締めにした女性はそのままマミーの胸部を揉み出した。


「ふしだらな女ね。服もほとんど下着じゃないの!恥を知りなさい!」


「これは私の私服だもーん。それにぃ……」


 マミーを解放した女性は赤紙青紙(妻)に近づいて来た。


「な、なに?」


「それを言ったらぁ、あなたは全裸なんじゃないかなぁ?」


 女性は赤紙青紙(妻)の目の前まで来るとイタズラっぽく言った……言ってしまった。


「誰が……誰が全裸よ!バカーーー!!」


 バチーンッ


 赤紙青紙(妻)の頭突き……ビンタが女性に直撃。


「やぁん♪痛ったーい♪でも、嫌いじゃないかも♪次はこっちを叩いてぇ♪」


 女性は赤紙青紙(妻)にお尻を向ける。ビンタの威力が足りなかったのか、それともそういう趣味なのか。


「あのー、サキュバスさん、どうしてここに?」


 呆れた口調で尋ねるぼく。先程からこの場を掻き乱している女性はサキュバスだった。


「偶然、見かけたから追いかけて来たのぅ。マミーちゃん目立つからすぐに気づいちゃったぞ☆」


「あなたよりは目立ってないと思います」


 不機嫌そうにマミーは反論。


「やぁん、ありがと♪お礼にもっかいモミモミムニムニしてあげるぞ☆」


「け、結構です!」


 マミーは薄着から厚着に早着替え。


「ざーんねん。それでぇ、きみ達は何の集まりなのかなぁ?」


「えーと、ぼく達は赤紙青紙さんの旦那さんを探してるんです。あ、こっちの腕だけの妖怪が赤紙青紙さんです」


 ぼくは赤紙青紙(妻)の紹介を交え状況を説明。


「ふぅん、人妻さんだったのねぇ。どうりで色気があると思ったぁ」


「あら、あなた、見た目の割には見る目あるのね」


 少し警戒心が和らいだ様子の赤紙青紙(妻)。


「マニアックな趣味の人達は大興奮間違いナシだぞ☆」


「嫌よ!私はあの人だけのモノなんだから!」


 和らいだ警戒心が再び高まってしまった。


「ジョーダンは置いといてぇ、その綺麗な体を活かしてみる気はなぁい?私ぃ、偉ぁい人と付き合いがあってぇ、きっと人妻お手々ちゃんの事、すごい気に入ってくれると思うんだぁ」


 紛らわしいが、ここで言っている『綺麗な体』とは頭、胴、両腕、両脚ではなく左腕の姿の赤紙青紙(妻)の事だ。そして、怪しい誘いへの返答は……


「……………考えておくわ」


 乗り気ではないものの完全に断らない所を見ると多少興味はあるのだろう。


「やったぁ♪ちょっとした収獲もあったし私はもう行くわぁ。きみも暗くならない内に帰りなよ。もし夜遊びするんだったら私も混ぜてくれなきゃ怒っちゃうんだぞ☆じゃーねー♪」


 サキュバスはぼくの頭を撫で去って行った。心做しかぼくの頰は赤みを帯びていた。


「君は夜遊びしてもあの人とは遊んじゃダメだよ!」


 マミーの包帯は先端が矢印のような形になり去り行くサキュバスに向けられていた。それも一本だけではなく何本もだ。


「あはは、気をつけます」

 今回はサキュバスがなんの前触れもなく登場しました。実に良いキャラです(*´艸`*) そして、サキュバスはいろんな業界のお偉いさんとパイプがあります。それもいつか書きたいと思っています! それでは

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