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起きて、宿で食事を取ってからギルドへ向かった。

ミナはまだ来ていなかった。

掲示板を二人で見ながら待つ。


「色々あるな...」

「あっこれ、魔物の討伐依頼が有るぞ」


「いや、いきなり魔物は危ないよ」


「そうか...なら...」


依頼は、荷物の運搬、採取、討伐などがあった。

中でも討伐依頼やいくつかの依頼は、怪我の恐れ、命の危機があるせいか報酬金が高く、人数が指定されている依頼がある。


「二人共、おはよう」


ミナが来たようで声をかけてきた。


「「おはよう」」


「依頼を選んでおいたよ」

「猪の討伐依頼なんだけど、どう?」


「猪狩りね、うん良いよ」


ミナの了解を得られたので、依頼書を受付へ持っていく。

受付に渡し、依頼の受諾を済ませた。


「じゃあ早速行こうぜ」


「待って私、武器持ってない」


「そうだったな」

「先に店に寄ってからだな」


ミナは採取用の道具ぐらいしか持ってないようで、店で弓と矢を購入してから森に向かった。


道中、弓の使い方を説明しながら森へ入る。

森に入ってからは猪の痕跡を探す。

痕跡はすぐには見つからず、森の奥へと入って行くことになった。


「ねぇ、まだ見つからない?」


「「あぁ、見つからない」」


ミナの質問に二人の声が重なる。

他の動物の痕跡は見つかるが猪のものは未だ見つからなかった。


「聞いてなかったんだけど、二人は何ができるの?」


「俺が得意なのは剣、弓ぐらい」

「やったことあるのなら、大体できるぞ」


「僕は、魔法が使える」

「他には、経験したものならジェイルほどじゃないけどできるよ」


「えっ!魔法!?」

「ほんとに?」


アレンが魔法を使えるということに驚く。


「本当だよ」


「じゃあ、何かやってみせてよ」


信じられず、証拠を求める。


「うーん...よし、いくよ」

「風よ吹け」


アレンからミナへ向かう強めの風が起きた。


「うわっ、この風、アレンが起こしたの?」

「本当に使えるのね...」

「他には何ができるの?」


「他には...」


「あった!」


雑談はジェイルの声に遮られた。


「ジェイル、何を見つけた?」


「足跡...」

「こっちに続いてる」


ジェイルが見つけたのは猪の群れのもの。

僕たちは猪の足跡の続く方へ、森の奥へとさらに入っていった。


「あっこれ、糞じゃない?」


しばらくしてミナが動物の糞を見つけた。


「これは、猪のだ」

「まだ新しい、近くにいるよ」


「なら、弓を持っておいた方が良いな」


「うん、準備しておこう」


武器を取り、目標を見逃さないよう注意しながら周囲を探した。


「いた、あそこ」


猪の群れを見つけ、小声で二人に伝える。

群れの個体数は五匹、子供だろう小さな猪もいる。

群れは小さくまとまっている。

これなら良い練習台になりそう。


「二人共、射るのはまだ待って」

「壁を作るから」


「あぁわかった」


「壁?」


ジェイルは知っているため頷くが、ミナは疑問を投げかけてきた。


「猪の周囲に土の壁を作るんだよ」

「逃げないようにね」


「何でそんな面倒なことをするの?」

「すぐに倒せば良いじゃない」


「いや、君の練習のためだよミナ」


「そう、わかったわ」


では早速と、地面に手をつける。

異変を察知して逃げられないよう壁の範囲をイメージする。

範囲が決まったら、周囲の土を壁として積み上げていく。

出来上がったのは、壁というより円形の穴の空いた小さな山。

範囲内の木々を取り込んで出来上がっている。

猪は途中で異変に気付いたようだが、動き始めた頃にはもう遅く、越えることのできない高さになっていた。


「こんなことまでできるのね...」


ミナは驚愕していた。


「うん、でもここまでやるとかなり疲れるというか、怠くなるんだよね」


「そうなの?ごめんね」


「いや、大丈夫」

「すぐに良くなるから」


「よし、じゃあ早く狩ろうぜ」

「ミナ、こっちに来てくれ」


先に登っていたジェイルが壁の上へミナを呼んだ。

射る準備をしている二人を見ながら少し休憩する。


「この位置なら全部見えるだろ」


「うん」


「じゃあ弓を構えて...頭を...」


ミナはジェイルに補助してもらいながら猪を射っていった。

止まっている獲物、動く獲物を狩る良い練習になったようだった。



全て仕留めた後、血抜きの作業に移った。

ミナは顔を青くしながら血抜きをしているジェイルの説明を聞いていた。

実際に自分で血抜きをしたときは、途中で吐いてしまった。

その傍ら、僕は壁を元に戻した。

それからしばらく血が抜けきるのを待った。


「よし!全部終わったな」


「私これ以上はちょっと、もちそうにない」


ミナはさっきから顔色が悪い。

大量の血を見たんだそうなるのも仕方ない。


「ははっ!最初は皆そんなもんだよ」


「そーぉ?」


「あぁ、やってればそのうち慣れてくる」


「そっかぁ...」


ジェイルが励ます。

血抜きが終わったなら後は帰るだけ。


「じゃ、戻る準備をしよう」

「血の匂いに釣られて獣や魔物が寄ってくるかも」

「すぐに離れるよ」


「はーい」「あぁ」


猪はジェイルと二人で運び、他の荷物はミナに預けて帰る準備をした。

二人の返事を聞き、街へと帰った。



ギルドの受付に五匹狩ったことを伝え、それを専用窓口に渡した。


「血抜きはすでに終わっているんですね、ありがとうございます」

「外傷も少ないし、良い値段で買い取りますね」


ギルドのこの専用窓口は獲物の解体を受け持ってくれて、取れた毛皮や肉などの素材を買い取ってくれる。

手数料を取られるが、自分達で捌ききれないときはかなり便利で、換金が早くとても便利だ。


五匹狩った報酬金と素材の売却でそこそこの稼ぎになった。


「一つの依頼でこれだけ稼げるのね」

「やっぱりチームを組んだ方が稼ぎやすいなぁ...」

「いつもこれくらい稼げたらなぁー」


ミナは今までの稼ぎを嘆く。

ので釘を刺しておく。


「一応言っておくが、残らないからな」


「わかってるよ!」


「報酬は三等分で...はい」


得たお金は皆で三等分した。


「まぁ、今日はこれくらいで良いかな?」

「掲示板を見たけどもうほとんど残ってない...採取依頼だけだね残ってるのは」


「まだ昼だし、採取依頼くらいできるんじゃない?」

「やらないの?」


「街で買いたいものがあるからね、探しに行くんだよ」


「そう...じゃ、こっちはこっちで勝手にやってるわ」

「じゃあね」


「うん、また明日」


「じゃあなー」


ミナと別れ、ジェイルと二人で行動する。


「ジェイル、探すのは大陸全体の地図だからね」


「あぁ」


「前みたいに間違えないでね」


「わかってるって」


僕達は、周辺諸国を含めた国の地図しかまだ持っていない。

プトレウスの本に載っている地図からは大まかな大陸の形、種族の生活域ぐらいしかわからなかった。

これからの旅には詳しく作図された地図が必要だ。

以前、街では見つからなかった。

だが、街に留まる今は、ここで探すしかなかった。


結局、目当ての地図は見つからず、買うことができなかった。


「無かった」


「こっちも同じ」

「ふぅ...無いなら仕方ない、今日は休もう」


「あぁ」


宿へ帰り、眠った。

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