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旅立ち

世界を旅したいという夢ができ、村で暮らしながら二人で旅の計画まで立てたが、親に相談できずにいた。

相談すれば否定されるかもしれない、賛成されたとしても村にとって負担になるかもしれないと悩み話せずにいた。


悩み始めていてから数日後の夕飯時、


「アレン、何か悩みがあるなら相談してみなさい」


そう父に切り出された。


「い、いや...何もないよ」


驚いて否定してしまう。


「何もないことはないだろう。お母さんも最近様子がおかしいと気づいてる」

「そんなに相談しづらいことなのか?」


思いの外、隠せていなかったらしい。

もうこれ以上心配させないよう言うしかない。


「その、父さん実は僕、村を出て旅をしようと考えてるんだ」


「旅か」


「そう旅、旅をして世界を見てみたいんだ」


「一人で?」


「いや、ジェイルと一緒に」


「そうか...」


そう言い、父は唸った。


「許す...とは言えないな」


次に出た父の言葉は、否定だった。

やっぱり、旅をするのは難しそうだ。

だが、その判断が早計だったとすぐにわかった。


「あちらさんにも聞いて見ないと」


「えっ?それって」


「うん?二人で旅に出るのだろう。それならあちらにも了解を得ないと」


その言葉に僕は驚いた。父の口から求めていた言葉だったが、本当にそう言ってくれるとは思わなかった。

とても嬉しかった。


でもまだ、問題が残っている。

ジェイルの親に相談して許してもらわなければいけない。

今日はもう遅い、明日起きてすぐに聞こう。

そう考え、一日を終えた。


早朝すぐにジェイルの元へ急ぐ。


「ジェイル!ちょっと話があるんだけど!」


「アレン、話って?」


「そのっ、旅のっことっ、だけど」


「アレン、ちょっと落ち着け」


走って来たのと緊張で、呼吸が乱れてしまった。

一旦、深呼吸をしてから話を続ける。


「その、旅について父さんから許可がもらえたんだ。だから、ジェイルの親にも許可を貰おうと」


「なんだ、アレンも許可をもらえたのか」


ジェイルの返答は意外なものだった。


「お前もって、ジェイル、いつ相談したんだ?」


「あー、三日前かなぁ...相談したら、そんなこと気にすんな、応援してやるって言われてさ」

「すぐに伝えようと思ったんだが、かなり悩んでいるように見えたからさ」


なんだ、ジェイルは待っていてくれたのか。

ホッとしたせいで力が抜ける。


「おい、大丈夫か?」


「あぁ、大丈夫」


ジェイルに心配をかけてしまった。

ヨイショと立ち上がり父の元へ向かう。

伝えにいかなければ。


「じゃあ、またな」


ジェイルに手を振り、別れる。


その日の夕方、気になっていたことを父に聞いてみた。


「父さん」


「うん?どうした?」


「聞きたいんだけど、何で許してくれたの?」


「何故?んーそうだな、お前がやりたいことがあるならやらせてあげたいと思ったからだよ」

「やらずに後悔するより、やってもらう方が良いとね」

「それに、村の仕事二人が居なくなっても支障はない...何せ、お前達が産まれる前から皆でやってきている、心配しなくていい」

「そんなことより、旅に出るのだろう。準備を始めないのか?」


「いや、準備は整えるよ、父さんありがとう」


その日から旅の支度を始めた。


支度を始めてから三日、出発の日になった。

計画はすでに立っているから今回の目的地は決まっている。

この村から近い街だ。

街へ向かう手段は徒歩、大変だが商人以外の馬車が通ることは滅多にないため仕方ない。

街ですることがある、時間に余裕があるように朝早くから出発する。


「それじゃ、行ってくるね」


「いってらっしゃい、気をつけてね」


「頑張れよ」


ジェイルの方も


「行ってきます」


「アレンに迷惑かけないでね、いってらっしゃい」


「よし!行ってこい!」


家族に見送られ僕たちは街へ向かって行く。

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