ただの価値観の違い
突然だが、私には今では音信不通の姉がいる。
小さい頃から考え方、行動、話し方、その全てが合わなかった。
家族の仲で姉だけが異質だった。だけれども親はしっかりと愛していたと思うし、弟としても姉が他所で虐められてれば怒り、困ってれば助けると言うことはしていた。
価値観の違う家族と過ごすのはストレスだ。
それは姉も思っていたことだろう。
いつからか、姉は親の財布から金を抜き、周りには親に虐待をされていると吹聴し始めた。
別段関わりのない学校の親たちから母親は白い目で見られ、仲の良い母友は姉の行動の異常さを教えてくれた。
母親が姉の友人の母親に言われたことで今も耳に残っているのは「これは嫌味じゃなく、貴女の友人だから言っておかないと思ったのだけど、○○ちゃんに貸したものはあげたと思いなさいって言ってるの」だ。
姉は昔から物を返さず、手癖が悪かった。そして平気で嘘を吐くし、よく癇癪を起こした。
親の教育が悪かったのか、と言われるとそうではない気がする。
相性が悪かったのだろう。それがただただ不幸に結びついてしまっただけ。
言ってしまえば積もり積もったストレスのせいなのかもしれない。
こんなエピソードもある。
姉が高校生の時だ。深夜12時を過ぎても帰ってこない姉を心配した父親がいろんなところに電話を掛けてると、突然インターホンが鳴り、姉が男を家に連れて帰ってきた。
「○○さんと付き合っているたけし(仮名)です! ○○さんを怒らないでください!」
父親はまず、たけし(仮名)に怒った。
高校生が連絡もなしにこんな時間まで遊ぶのはどう言うことか。またたけし(仮名)の親には連絡していたのかどうか。我が家には連絡がなかったから警察にも連絡したし、いろんなところに夜遅く電話をしたせいで迷惑をかけた。
あとは無事でよかった。君も高校生だからこんな時間に一人で帰れないだろうから車で送ろう。
その時のたけし(仮名)の肩透かしを喰らった顔を覚えてる。
その後暫くしてたけし(仮名)と姉が別れたことを聞いた。
推測だが、姉の虐待されているなどと言った言葉を鵜呑みにして我が家に突撃してきたものの想像と違ったのでやべえ女認定されたのではないかと思っている。
そんか姉は高校生はたけしと別れてから家にほとんど帰らなくなった。
友達の家に泊まる、新しい彼氏の家に泊まる、それの繰り返しのうちに家族は愛想を尽かした。
母親だけは変な心配の仕方をしていたが、それも姉にとってはストレスだったのだろう。
姉が居なくなってから割と我が家の歯車はスムーズになった。
無理矢理に家族としてのテンプレートに嵌ろうとすることで起きていた軋轢がなくなったのだろう。
その後も色々あったりはして、完全に縁が切れてしまったがそう言うものだ。
私側の意見、姉側の意見。
どちらが正しいとか間違いとかはない。
姉に対してクソだなと思うこともあれば父親や母親に対してクソだなと思ったり、自分の行動が姉にとってはクソみたいな行動もある。
私の家族に取っては離れて過ごす、と言うことが正解だったんだろう。
でも家を勝手に出てった時に親のお金を10万盗んでったのはホントクソムーブだと思う。