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13話 軽旅行




「ごっはん、ごっはん〜!」


ヘリオスを抜き食堂にリュツが到着する。


「急ぐと危ないですよ〜。」


「大丈夫だよ!いざとなったらノワール姉ちゃんが助けてくれるんだ。」


おいおい。毎回俺に頼るのかよ。


スケイル支部の1階ロビーから右手方向に食堂がある。

カウンター席とテーブル席があってテーブル席にはこれまた端末が置いてあった。

スケイル国にはもしかしたらテレビとかもあったりするんじゃないか。


リュツはキッチンに近い方のテーブル席を選んで座った。

案の定ヘリオスの隣に誰も座らないので俺がそこに行く。


「んで、君たち。お腹は空いているかね?」


「あー、俺は食細いから自分で選ぶよ。」


「私も…。」


結局、各自自分で選ぶこととなる。

端末を動かして料理の名前を見ているとどれも聞いたことの無いものばかりだ。

イメージ画像から情報を集めるしかない。


「リュツちゃんはお子様ランチかな〜?」


「僕、そんなのいらないよ。普通の食べれるもん。」


そうしてリュツは赤いソースがのったパスタみたいなものを選択する。


俺はリュツが選んだのと同タイプのを選択する。

子供が食べれるのだ。大丈夫だろう。


全員が思い思いの注文をした。


「ヘリオス。仕事の内容を聞いたけど、何を受けるのさ。」


「私の仕事を手伝って貰いたい。」


「既に受けてたのか?」


「あぁ。君らに相応しい貴重な案件をな。」


「それはどういう。」


リュツを除いて3人は次の言葉に期待する。


「グレイドル国への調査依頼だ。その国が約1年前、エルドレッド王国と戦争していたのは知っているな。まぁ戦争と言うか国境間での小競り合いが激化した事なんだが王国側が早期に停戦協定を結ぶため大事に仕立てた説もある。グレイドル国にとっては面白くない話だろう。実際、王国の横暴な態度は目に余る状態だったしな。」


「グレイドル国にとっては今が好機なのか。」


「そうだ。しかしな、ここで2つの国がホントの戦争に発展してしまうと困るんだよ。」


確かにな。そんな衝突、グレイドル以外望んでない。

スケイルも、ネイニルも平和的解決を目指してきたようだし、エルドレッド王国とグレイドル国の戦争が始まればその2つの傀儡国は強制的に参加せざるおえないだろう。


「そうしてガルディア本部は全支部へ調査を出した。当然、仕事のないウルツアイト、俺にも来たわけだよ。」


「ヘリオスおじちゃんは具体的に何をするの?」


リュツがフランと手遊びをしながら聞いた。


「おじちゃんはね。グレイドル国内で戦争準備をしている証拠を見つけるのが任務なんだよー。」


「それって、遅くないか?」


「あぁ。」


ここでヘリオスの声色が変わった。


「そうなんだよノワール。おかしいと思わないか?グレイドル国とエルドレッド王国が停戦状態にあるのが分かっているのに今になって初めて調査依頼を出している。今から行ったとしても始まってしまえば遅い。しかも我々にも危険が及ぶのだ。」



そう、話し込んでいるところへ申し訳なさそうな顔したウェイトレスが料理を運んできた。


「お…お待たせ致しました。」


俺はどうぞどうぞ、と手で合図しながら料理を受け取っていく。

くぅ〜。美味そうだぜ。


「ま、私が言いたいのは呉々も注意するようにって言う事だ。ちなみに調査報酬は1人頭金貨100枚、これは結構いい額だ。 よし、冷める前に食べよう。」


ヘリオスは早速自分の頼んだステーキ定食を食べ始める。

俺はいただきます。と言ってからにした。


頼んだミートパスタのようなものは麺の食感が少し違うが美味しかった。麺はなんというかうどんとかそうめんに近い柔らかいものだ。

だから、リュツが頼んだのか。と納得した。


「ユイレお姉ちゃんの頂戴。」


「え、これアツアツだよ?大丈夫?」


「平気平気。」


ユイレは1口サイズに分けたハンバーグをリュツに食べさせる。


「あつっ!はふっはふ!」


「お、お水のむ!?」


「ふぁいじょうぶ。」


リュツはそれを飲み込んでから満足そうに笑った。


「僕ね。本当はそれにしたかったんだぁ。でもあっちっちだからやめたの。」


ま、眩しい。その笑顔が眩しい。


「も、もっと食べていいからね!」


「ほんと?いいの?」


俺とヘリオスが黙々と食べている中、反対側の座席は盛り上がっている。


「羨ましいか。ノワールよ。ほれ、私のステーキをやろう。」


「いらない……。」


というか、ヘリオスはどうやって食べているんだ。

フルフェイスの口元に吸い込まれるようにご飯が消えていっている。

しかし、フルフェイスの口にあたる部位は上下に動き食べている音も聞こえてくる。


「姉様、ぜんぜん進んでいませんね。お口にあいませんか?」


「いや、コレが……。」


俺は右腕の義手を指さす。大きい指で通常サイズのフォークを動かすのは至難の業であった。

左でも試すがきき手ではないので上手く使用できない。


「姉様、手伝ってあげますね。」


「いやいい…。おやつでもないのにさ、恥ずかしいよ。」


「僕がね。やってあげる!」


俺はリュツの提案を左手を立てて断った。

そこまで手を煩わせる訳にいかない。


俺はパスタもどきを食べるのに五分くらいかかって完食した。


「ごちそうさまでした。」


1番遅かったのはリュツだったがそれは大目に見るべきであろう。それで遅いと怒るべきではない。



「よし、腹ごしらえもすんだ事だし私のガレージに行くとしよう。」


テーブル席をたって、一行はヘリオスについて行く。

リュツは車に乗ったことがなく、今まではスケイル国内のまだ歩ける距離で任務をしていたらしい。

500kgを担げる逸材を放っておいた職員の意味がわからん…。

普通は既にどこかの専属であっただろう。


逆に我々の運が良かったというべきか。


スケイル支部内の中庭を超えて、第2棟へいく。

そこは広々とした1階だての建物で端末を操作して保管してある自分の車両を呼びだせるようだ。


ヘリオスは自分と正反対する真っ白のオフロードカーを呼んだ。


タイヤの大きさは俺の背丈と同じで、ガラスは防弾仕様。

そして厚い装甲の上に複合装甲が着いてあり車両重量は相当重いだろう。


リュツを後部座席に乗せる時、持ち上げないといけない。

そして後部座席の後ろには縦幅4m程度の荷台がついてある。そこへ、持ってきた荷物と分裂したデュエリストの兵装を乗せてロープで固定した。

助手席にフランが乗り、後ろはリュツを挟むように俺とユイレが座る。

ヘリオスが運転席の触媒へ触れると前照灯が光る。


第2棟の開閉扉が起動を検知して上がっていく。

ガレージの向こう側は道路になっていてそのまま走っていけるようだ。



「ベルトはつけたかな?」


「ああ、大丈夫だ。」


「よーし、ならばグレイドル国へひとっ走り行きますかね。」


車は前進し道路へ入る。

そしてスムーズに流れへ合流していき加速していく。

ヘリオスの運転はとても上手だった。

制限速度60km/hの車道を快調に走っていく。


家族などの知り合い以外の運転する車に乗るのには慣れるまで抵抗があるけどヘリオスの運転で、そう感じることがない。タクシーの運転手でもやっていたのかと思うほどだ。

スピード狂みたいに加速し過ぎることもない。


それから数分後、リュツがウトウトしだし俺の左腕に肩を寄せる。



「ヘリオス。お前、運転上手なんだな。」


「そーだな。触媒を通して運転手の意識を伝えるから、コツとしては無駄な事を考えないって事かな。」


「うわっ。面倒くさそう。」


「ま、少しの時間なら手を離しててもいい。」


そう言われてヘリオスが手をかざしている触媒を見ると彼は手を近付けたり離したりを繰り返している。

やっぱり難しそうだ。


車はそのまま、東へと進んでいく。

高速を通っていけば3時間ほどでグレイドル国へ入るそうだ。











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