又一人、なろう作家さんが居なくなった。
売名行為だと蔑まれようと、筆が止まらないのだから仕方がない。だから先に詫びておきます。
ここから先は、稲村皮革道具店本館を名乗る字書きが、自己責任の下、自らの気持ちを吐露するのみで、第三者を徒に卑下及び弾劾する意図は全く有りません。読まれて【それは違う!】と思われたりご気分を害したりなさるかもしれませんが、御容赦ください。
ーーーーーーーーーーーーーー
「小説家になろう」は、無料で投稿が出来るサイトとして著名になっています。そこには玉石問わず、ジャンルも長短も様々な小説やエッセイ、又はそれらに分類出来ない文章が何万と存在し、その数を支えられるだけの執筆者がいらっしゃいます。その中の一人として、自分も居るのですが……
……才能もあり、執筆ペースも自分とは比較に成らない程の煌めきを放つ方も多くいらっしゃいます。その中でも特に、誰にも真似できない閃き、確かな分析に基づいた巧みな構成……等、どうして無料サイトなんかに居るのか判らん位、才気に溢れた方も見受けられます。羨ましくて堪りませんよ、ホント。凡才な稲村某に欠けているモノを持っているのですから。
で、す、が……
人には各々都合が有ります。仕事や家庭、環境はたまた社会情勢……人間関係に健康状態とか。様々な理由で……半ばで筆を折る方も、居ます。
今日、一人の執筆者が筆を折りました。ご本人は「筆を燃やした」と表現なさっていました。邪推すれば焚本を想起しますが……不本意ながら何かの理由でやむを得ず、断筆なさったのでしょう。
……誠に残念です。
しかし、人には各々都合が有ります。自ら進んで退くばかりとは限りませんが、誰にでもその可能性は、有ります。明日は我が身かもしれません。
不肖、稲村某にもそうした危機は有りました。家人から止めろ、と宣告された事も過去には有ったのですが……今は昔の事、こうして何某か書き残せる立場を維持しております。色々有ったんですよ? ホントにね。
誰にだって、筆が停まる時は有ります。アイディアが出ない、行き詰まった、何も思い浮かばない、忙しくて執筆の時間が取れない……理由は幾らでも御座います。それを壱読者として「ほら書けよ」とは言えません。自分もそうした苦しみは知っているのです。気長に待つしかない事も承知しています。
現在進行形で執筆が停止している作品や作家様も多いです。何もアナウンスがされないまま、数年間も石化したように進展がないのは、読み手としては隔靴掻痒の思いですが、何かの理由があればこそ。待つしか無いのです。
だからこそ、今回の執筆者の離脱はまだ、良い方かもしれません。我々のように多少なりとも縁の有った者に「さよなら」と言って頂けたのです。寂しいですし、モヤモヤしますが……ここは「小説家になろう」です。そうした突然の別れも、良くあること。無料とは【拘束力の無い】事に等しいのですから。読みたくなければ読まなければ良いし、書きたくなくなったら書かなければ良いのです。
……稲村某は、懇意にしていただいている作家様に、時折【御健筆をお祈りします】とメッセージを贈る事が御座います。それは健康を祈ると共に、健やかな執筆が続けられるように、という意味を籠めています。
現在はどんな環境でも、自らが紡いだ物語や思い浮かんだ情景を字にする事は出来ます。スマホ一台有れば、事足りるのです。素晴らしい時代だと思います。二十年前からは想像も出来ない恵まれた環境でしょう。
……だからこそ、いつか、執筆する機会が又、巡って来た時には、是非とも再び、筆を取ってください。いや、そうなったら、いいですね。無理強いはしません。ただ、全ての執筆者及び、現在停止中の方々の……
……【御健筆】を、お祈りさせて貰います。
ホントにね。