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午後の電車

作者: 夏生

線路にカラス

草は流れて

舞い上がる

ビニール袋


やせた白線

のびる黄色

新しい車両の印


まだらな空

ニセモノの鳥は

せわしなく歌う


遠くに見える踏切

過っていくトラック

音のテロップ

打ちあがった懐かしさ

明日の顔した過去


日の光

顔をめがけて

落ちてきて

寒くても汗にじむ


浮いた静けさ

浮けない心は

前に傾いて留まって


うつむいた言葉

酷のあるゴッタ煮

指先で流して飽きて


ゆっくり迫る

光の粒

時間通りの頑なさ


湿った軽さ

風にのって

消えていった


食えない道草

浮いて沈んで

曲りくねる線路


軋んだ車内

居眠る人に

交差する光と影


目を閉じれば

白んでいく今

夢と現の中

待つために帰る私



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― 新着の感想 ―
[良い点] まるで自分が電車に乗っているかのような感覚になりました。 素敵な詩ですね。
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