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ヨネシゲの記憶  作者: 豊田楽太郎
3章 海からの悪夢
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第72話 決戦!マロウータン!

「出でよ!海の悪魔っ!」


 マロウータンがそう叫ぶと同時に海面が水しぶきをあげながら一点に引き寄せられる。そして引き寄せられた海水は上空へと巻き上げられていく。その光景は竜巻が勢いを増しながら海水を巻き上げていくような様子であった。


「な、なんだあれはっ!?」


 ヨネシゲが叫びながら指を差す先には、海水によって作り上げられた巨大な物体が立ちはだかっていた。

 突如海面から姿を現した物体の正体は、海水で作り上げられた巨大なマロウータンであった。

 マロウータンは海水で作り上げられた自身の分身の上に飛び乗った。


「ウッホッハッハッハッ!!貴様ら全員海の藻屑になって消えろ!」


 マロウータンはそう言い終えると拳を振り上げる。それと同時に海水でできた彼の分身も拳を振り上げた。


「死ねぇっ!!」


 分身の巨大な拳がヨネシゲたちにの乗る船へと振り下ろされる。


 だがヨネシゲたちに動揺した様子はなかった。


「ユータ!マッチャン!力を貸してくれ!」


 ヨネシゲがそう言うとユータとマッチャンは静かに頷いた。


「ヨネさん!マッチャン!行きますよ!」


ユータがそう言うとヨネシゲとマッチャンの足元から突然巨大な木が出現し物凄い勢いで伸び始めた。その巨木はまるで拳のようになってマロウータンの分身に迫っていく。

 その巨木に飛び乗ったヨネシゲとマッチャンもマロウータンとの距離を縮めてゆく。

 そして次の瞬間、ヨネシゲとマッチャンは巨木からジャンプし、マロウータン目掛け拳を構える。

 その様子を確認したマロウータンは慌て始める。


「ウホっ!?さ、させるかっ!」


 マロウータンが頭上のヨネシゲたちに向かって剣構える。しかし突然マロウータンがバランスを崩す。


「ウホッ!!ぶ、分身がっ!?」


 マロウータンの分身は巨大な拳となった巨木によって粉砕されてしまった。水しぶきをあげながら崩れ去っていく分身。


「よそ見はいけねぇぞっ!」


「!?」


 ヨネシゲはそう言いながらマロウータンの右頬に拳を投下した。


「これは仲間の仇だっ!」


「ウホ~?」


 ヨネシゲの攻撃で意識が朦朧とするマロウータン。今度は彼の左頬に、マッチャンの鉄拳が着弾したのだ。


 崩れ去る海水でできたマロウータンの分身。それと一緒になってマロウータンも海面目掛けて落下していくのであった。


「ヨッシャー!アイツらやったぜ!」


 ゴリキッドや漁師たちはガッツポーズをしながら喜んでいた。


「アイツら…喜ぶのは早すぎだぜ…」


 マッチャンが渋い表情でそう言うとヨネシゲは軽く笑みを浮かべる。


「ドンマイ!それじゃ、とどめを刺すとするか!」


 ヨネシゲの言葉を聞きマッチャンが拳を握る。

 いよいよマロウータンとの戦いも決着がつく。誰もがそう思ったであろう。ところが予想外の出来事が発生した。

 突如海面から伸びる青白い光線。その光線は日没間際の海上を昼間のように明るく照らす。

 そしてその光線はマロウータンの胴を撃ち抜いていた。

 白目を剥き口から血を吐きながらマロウータンは海へと落下した。


 一体何が起きたのか?

 皆が動揺していると、キャロルが腰を抜かしながら光線が発生した方角を指差した。そして彼女が声を震わしながら口を開く。


「だ、大戦艦だ…!」


 大戦艦という言葉を聞いた他の海賊たちの表情が一気に凍りついた。


「大戦艦?」


 大戦艦とは一体何なのか?

 ユータとヨネシゲは首を傾げた。




 次回、最終話。


つづく…

お世話になります、豊田楽太郎です。

久々の投稿となりました。

そして、次回は最終話です。

次話をもってヨネシゲの記憶は打ち切りとさせて頂きます。

詳細は活動報告をご覧下さいm(__)m

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