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ヨネシゲの記憶  作者: 豊田楽太郎
3章 海からの悪夢
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第68話 地割れ

 キャロルの発生させた無数の鎌鼬(かまいたち)がユータたちに襲いかかろうとしていた。彼女の攻撃を防がねばユータたちは切り裂かれてしまうことだろう。


 ユータたちが身構えていると、マッチャンとジョーソン、マッチャン一家四人衆が前にでる。


 マッチャンとジョーソンは自慢の鉄拳&鉄腕で鎌鼬を跳ね返す。そしてマッチャン一家四人週であるノア、ジョン、チャールズ、ムラマサは鉄パイプや金属バッドで鎌鼬と応戦していた。


 しかし鎌鼬は目に見えない存在だ。マッチャンとジョーソンに関してはキャロルの鎌鼬がまるで見えているかのように攻撃を跳ね返していく。

 しかし四人衆に関しては鉄パイプや金属バッドを振り回しているだけだ。それでも鎌鼬を跳ね返しているのだが、時折鎌鼬が四人衆の体をかすめる。その度に彼らの体には傷ができ血を流していた。


「お前ら無理するな!」


 マッチャンは四人衆を心配して声をかける。

 その一瞬の隙ををキャロルは見逃さなかった。彼女はマッチャン目掛けて鎌鼬を発生させる。その鎌鼬は空気を歪ましながらマッチャンに迫っており、肉眼でもはっきり確認できた。


 マッチャンが鎌鼬の存在に気付いたのは、既に自分の腹を切りつけられた時であった。


「うぐっ!!」


「マッチャンさん!!」


 キャロルの攻撃を食らったマッチャンは腹を押さえながらその場に踞る。

 マッチャンが特殊能力で鋼鉄化できるのは拳のみ。故に腹は生身同然だ。キャロルの攻撃をまともに受けてしまったマッチャンの腹から大量の血を流していた。


 その様子を見てキャロルが嘲笑う。


「アンタ太ってるから血を出して少し絞った方がいいわよっ!!」


「ああ……気遣ってくれて悪いな。少し体が軽くなったよ。」


 キャロルの言葉にマッチャンは余裕の笑みを浮かべる。それを見たキャロルは不機嫌そうな表情をみせる。


 その時であった。

 ヨネシゲは渾身の力で地面を殴り付ける。そしてヨネシゲはキャロルを怒鳴りつける。


「よくもマッチャンをやってくれたな!!もう許さんぞっ!!」


 その瞬間、ヨネシゲの殴った地面がひび割れる。その光景は地割れそのものであった。


 引き裂かれた地面はやがてキャロルの足元を襲っていく。


「何よっ!?地割れ!?」


 キャロルは突然の地割れに同様する。そして彼女や周りにいた海賊たちは地割れに飲み込まれていく。


 ユータたちは地割れを覗き込む。地割れはかなりの深さがあり底がどの辺りにあるのか確認できなかった。


 恐らくキャロルはこの攻撃で倒されるほどの敵ではない。地割れの底から這い上がってくることだろう。

 だが地割れはかなり深いため、彼女が地上に戻ってくるのは時間がかかるだろう。


 厄介な敵がいないうちにテツの救出を実行せねばならない。しかし、まずは負傷したマッチャンの手当てが先だ。


 ヨネシゲの治癒術でマッチャンの腹のにできた大きな切り傷は一瞬で完治した。


「面目ねぇ……」


「ドンマイ!お前がいなかったら俺達は鎌鼬に引き裂かれていたからな。」


 落ち込むマッチャンをヨネシゲが励ます。


「ヨネさん、テツさんの救出を急ぎましょう!」


「急ぎたいのは山々だが、コイツらを片付けないとな。」


 ユータがヨネシゲにそう声をかけるも、周りを見ると大勢の海賊戦闘員がユータたちを取り囲んでいた。中には幹部と思わしき人物たちが炎や雷を身に纏いながら鬼の形相で睨み付けていた。特殊能力も使える者も大勢居るようだ。


「俺も本気を出させてもらうか……」


 マックスが指を鳴らしながら戦闘態勢に入る。


「俺もさっきの借りを返さないとな!」


 マッチャンも怖い顔をして大きな拳を振り回しながらジャンプしていた。


「ユータ、行くぞ!」


「はい、ヨネさん!」


 ユータ、ヨネシゲの両者は互いに声を掛け合うと海賊の軍勢目掛けて突進していくのであった。



 海賊包囲網突破できるか!?



つづく…

豊田楽太郎です。

毎度投稿遅くなり申し訳ありません。

次回の投稿も1~2週間程お時間頂きますので宜しくお願い致しますm(__)m

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