第31話 宅配
現実世界に帰るための手がかりを一人探しているユータ。
その第一歩として、この世界に自分たちが最初に降り立った地である通称“冬山”についての調査を開始した。
情報を入手するためマックスの元へ向かうユータ。
しかし、マックス保安官時代の同僚であるシールドが突然の訪問。
マックスとシールドが喋りっぱなしのため情報は聞き出せず、ユータは早々にマックスの家を後にした。
そして彼が次に訪れたのはアサガオ亭である。
この世界に来てからと言うものの何かと縁のある店だ。
昼食はこの店で済ますことが多い。
城の厨房で働いていた経験があるというアサガオ亭店主。
彼の振る舞う料理はどれも絶品だ。
おまけに財布にも優しい金額で提供されているのはありがたい。
昼時になるとすぐに満席になり、店の前に長い列を作るのは日常茶飯事だ。
そして、ユータがこの店に思わず足を運んでしまう理由がもう一つあるのだ。
それはこの店で働いているクレアの存在だ。
赤髪のショートヘアーに赤い瞳、活発そうの雰囲気の綺麗な女性。
この店の看板娘である彼女は、村の男たちから人気が高い。
当然この店の料理を食べに来るのが一番の目的であるが、クレアに会うために来る客も少なくはない。
特に夕方からは酒場として営業しているアサガオ亭。
この時間帯に来る客はほぼ間違いなく彼女目当てで来ると言っても過言ではない。
ただ残念なことに酒場の時間帯は早々に退勤してしまう彼女。
客を呼び寄せられるだけ呼び寄せたら彼女の仕事は終了なのである。
看板娘としての務めは十分果たしたことであろう。
ある意味店の策略にはまってしまっている村の男たちなのかもしれないが、愛想もよく元気で明るい彼女にユータも含め村の男たちは皆虜になっている。
そんなユータは今アサガオ亭の前にいた。
今回は冬山に関しての情報収集と言う名目での訪問だ。
半分クレアに会うのが目的かもしれないが…
ユータがアサガオ亭に入ろうとした瞬間、店の扉が勝手に開く。
「あら、ユータさん。いらっしゃい!」
店の外に出ようと扉を開けたのは、この店の看板娘クレアであった。
「クレアさん!こんにちは!」
「お昼ご飯食べに来てくれたんですね!」
「お昼ご飯?」
ユータがアサガオ亭に来た目的は冬山についての情報を得るため。
クレアに会いに来たのも目的の一つであるが。
だがユータは昼食を食べることなど考えてはいなかった。
確かにユータはまだ昼食を済ませていなかった。
強いて言えば、マックスの家で和尚饅頭を少し食べたが腹の足しにはならなかった。
むしろ、あまりの甘さに気分が悪くなってしまった位だ。
クレアの言葉に昼食を食べようと悩んだが、昼食時を過ぎたとはいえ店内はほぼ満席状態だ。
流石、ヨネフト村で上位を争う人気店だけある。
普段ユータがアサガオ亭で昼食を食べる際は昼食の時間帯が過ぎてから行くようにしている。
その方が席も空いているし落ち着いて食事ができる。
何よりクレアとゆっくり話もできるからだ。
「やっぱりこの時間帯は混んでますね。後でまた来ます!」
「そうですか。じゃあ待ってますね!」
ユータはアサガオ亭を後にしようとしたが、クレアが持っている大きなバスケットが気になった。
「クレアさん、そのバスケットは?」
「これ?今から漁師さんたちの所へお弁当を届けに行くんですよ。」
バスケットの中身はどうやら弁当のようだ。
クレアはヨネフト村の港“ヨネフト港”に弁当を配達するところだったのだ。
アサガオ亭は漁師限定で弁当の宅配も行っている。
ヨネフト漁師の強い要望で弁当宅配が実現した。
しかし、弁当を届けるには流石に時間が遅すぎるのではないか?
ユータは疑問に思いクレアに質問してみる。
クレアの話によると通常なら早朝漁師たちが出港する前に弁当を届けるらしい。
だが今日に限って遅めの時間を漁師に指定されたそうだ。
漁の関係らしいが、詳しいことはわからないとのこと。
それにしても漁師の朝は早いと聞いている。
その漁師が出港する前に弁当を届けるとなると、夜中から弁当の準備をしないといけない。
そうなるとクレアは毎朝何時に起きているのだろう?
ユータはクレアに質問してみると意外な答えが返ってきた。
弁当の仕込みはアサガオ亭店主が酒場の営業が終了した後すぐに行うらしい。
弁当を作り終えた店主はその足でヨネフト港に弁当を届けるとのこと。
弁当を届け終わった店主はそのまま定食屋としての営業準備に取り掛かるらしい。
いや、ちょっとまて!
そうなるとアサガオ亭店主はいつ休んでいるんだ?
あの人は24時間営業か?
ユータにまた新たな疑問が生まれた。
とはいえ、クレアが持っているバスケットはとても重そうだ。
「クレアさん大丈夫ですか?とても重そうですけど…」
「ええ、お弁当がこんなに重たいなんて…いつもは空になったお弁当箱を回収するだけだったから…」
話を聞くとクレアは空の弁当箱回収が専門で、弁当を届けるのは初めてらしい。
当然この時間帯に届けることも多々あるのだが、その際は店で働く男性店員が届けている。
しかし、今日に限ってその男性店員は風邪で休んでいるそうだ。
残るは店主と年配の女性店員、そしてクレアだけであった。
流石に店主が店を離れるわけにはいかないし、年配の女性店員にこの重たい弁当を届けさせる訳には行かない。
そうなるとクレアしか居ないのだ。
重たそうにしているクレアを見てユータはひらめく。
「クレアさん、俺が届けますよ!」
「え、ですけど…」
「大丈夫です!今日は暇してるんで!」
ユータはそう言うとクレアが持っていた大きなバスケットを持つ。
その大きなバスケットは確かに重たかった。
クレアに持たすのは酷かもしれない。
それに店も忙しそうだしクレアには店に残ってもらった方が良いだろう。
「じゃあ、お願いしちゃおうかしら…」
クレアがそう言うとユータは任せてくれと言わんばかりに自慢げな顔をして見せる。
しかしユータはあることに気付く。
「えっと…ヨネフト港ってどうやって行けばいいんでしたっけ?それとヨネフト港のどの辺りに届ければ?」
ユータはこの世界は疎か、この村の地理すらまともに理解していない。
ユータはこの村は不馴れなので、港の位置を教えて欲しいとクレアに頼む。
「わかったわ、私が案内します!」
「だけど、お店の方が大変じゃ?」
「そろそろ落ち着くから大丈夫ですよ」
願ったり叶ったりである。
クレア直々に港へ案内してくれるそうだ。
村の男たちの憧れの的が自分と二人っきりで歩く事ができる。
鼻の下が伸びてしまうユータであった。
それだけではない。
港へ向かう途中にこの世界について色々な情報聞き出せるチャンスだ。
ユータは胸踊らせてクレアと共にヨネフト港に向かう。
ヨネフト港へまで道中、多くの村人たちが自分達に声を掛けてくる。
アサガオ亭の看板娘クレアは村の男たちだけではなく、老若男女問わず人気者だ。
明るくて気配りのできる彼女は誰でも好感は持てるだろう。
一方のユータも負けてはいない。
ヨネフト村のヒーロー的存在である領主ヨネシゲの弟子と言う設定だけあって、村人たちからの人気が只今急上昇中である。
ヨネシゲの弟子と言う設定は気に入らないが、皆から声援を送ってもらえるのは凄く気分がよい。
「流石ユータさん、人気者ですね!」
「いや俺なんか大した男じゃないです。皆から声をかけてもらえるのはヨネさんの影響力があるだけです…」
「そんな事ないですよ。特訓頑張ってるユータさんは凄く素敵です!」
クレアの言葉にドキッとしてしまうユータであった。
そんなユータもクレアの事を褒める。
「クレアさんも村の人達から凄い人気ですね!俺もクレアさんのファンですよ!」
「そう言ってもらえるのは嬉しいですけど、私も父の存在が大きいので村の皆から贔屓にされてるだけなんです…」
「お父さんですか…?」
聞くところによるとクレアの父は、グレート王国の王が住む城で働くとある部署の長官。
その存在は王国内では有名らしい。
そうなると、クレアは貴族の娘かなのか?
しかし、クレアは貴族ではなく平民なのだとか。
この世界ではある程度の実力があれば貴族ではなくても役職を任されることはあるらしい。
クレアの父は家族の前で自分の仕事について話すことがないので、具体的にどんな仕事をしているのかわからない。
だが周りの噂で聞いた情報だと、父が所属するのは城の要となる部署。
国王からの信頼も厚いらしいのだとか。
そんな偉大な父の娘という肩書きが大きいため、村の皆から贔屓にされてるとクレアは言うのだ。
だが、ユータはそうは思わない。
確かに父親の存在は大きいかもしれないが、村人から人気が高いのはクレアの人柄にあると思う。
どんなに偉大な父親の娘だとしても、性格が最悪だったら皆近寄らないことであろう。
「お父さんの存在は大きいかもしれませんが、クレアさんはクレアさんです!自分に自信を持ってください!」
ユータは自信無さげに語るクレアに励ましの言葉をかけた。
「ありがとう、ユータさんは優しいですね!」
「そんな事はありませんよ…」
お礼を言うクレアにユータはすました顔で返事を返す。
しかし、内心では鼻の下を伸ばしているユータであった。
世間話をしながら歩いているユータとクレアは次第にヨネフト港に近づいていた。
まだ季節は冬だけあって海から吹いてくる風はとても冷たい。
ユータはジャンパーを羽織りマフラーも巻いていたが、それでも凍える寒さであった。
あの冬山を思い出してしまう…
ユータはハッとする。
そうだ!冬山についてまだ何の情報も手に入れていない。
ユータはクレアとの会話に夢中になってしまい、肝心な冬山の事を聞き出すのを忘れていた。
「あの、クレアさん…」
ユータがクレアに冬山の事を尋ねようとした時のことである。
「はっけよい…のこった!」
「!?」
突然聞こえてきた掛け声。
ユータは声がした方を見てみると、寒空の下ふんどし一丁で相撲を取る少年たちの姿があった。
行事は村人であろう巨漢の男が務めていた。
「す、相撲!?」
港近くの空き地にはそれなりにしっかりと作られた土俵がある。
その土俵を囲むように十数人程の少年たちが自分たちの出番を待っていた。
またその少年たちの周りには多くの村人たちが相撲を見物していた。
村の相撲倶楽部なのか?
ユータは気になりクレアに相撲について質問した。
「あれ?ユータさん知らないんですか?ここはヨネシゲ様が設立したヨネフト村わんぱく相撲道場よ!」
「よ、ヨネさんが!?」
クレアの話によるとここで相撲を取っている少年たちは、ヨネシゲが設立したヨネフト村わんぱく相撲道場の部員らしい。
この世界でスーパーマン的存在のヨネシゲは例外なく相撲も得意とのこと。
当初ヨネシゲは村の少年たち相手に遊びの一環として相撲を教えていた。
だが本気で相撲を習いたいと言う少年たちが続出。
少年たちの熱い要望でヨネシゲが相撲道場を設立したのだ。
更にクレアが話を続ける。
仕事の合間を見て少年たちに相撲を教えていたヨネシゲ。
彼の指導のお陰で少年たちはみるみる成長していく。
そんなある日ことである。
ヨネシゲは仕事のためヨネフト村を離れていた。
その日もいつもと同じように少年たちは相撲の稽古に明け暮れていた。
そんな中、一人の大男が少年たちの元へ現れる!
ん?ちょっとまて…
この話、どこかで聞いたことがあるぞ?
クレアが今話している内容は、以前ユータが誰かに聞いたものと酷似していた。
ユータは自分の記憶を辿る。
いや、辿るまでもなかった。
こんな話をするのはあの男しかいないからだ。
そう、ヨネシゲだ!
以前ヨネシゲはユータに自分が設立した地元の少年相撲倶楽部の話をしていた。
内容はこうである。
今クレアが話している、大男が現れた所まで内容はほぼ同じ。
現れた大男は少年たちにこう言う。
「この道場で一番強い奴はだれだ?」
大男の問に一人の少年が名乗りをあげる。
その少年はこの道場の中で一番体が大きく、相撲の強さもヨネシゲから太鼓判を押されている。
少年は大男の前まで近づく。
この道場で一番体が大きな少年も目の前の大男と並ぶとかなり小さく見える。
少年が目の前までやってくると大男は口を開く。
「俺と相撲をとれ。俺が勝ったらこの道場の看板は頂いていく!」
「何だって!?」
道場破りだ!
大男の言葉に少年たちは一斉に身構える。
その様子を見た大男が少年たちに提案する。
「何だったらお前ら全員束になって相手してやってもいいぞ?」
「何!?舐めやがって!」
大男の提案も少年たちには挑発に聞こえた。
今にも大男に飛びかかりそうな少年たちであったが、一人の少年があることに気付く。
「皆待て!この男、最強山だ!」
「マジかよ!?」
この大男の正体とは当時無敵と呼ばれた横綱の最強山だ。
しかし、交通事故による怪我で相撲を引退することになった。
その後姿を消した最強山だが、全国各地の相撲道場の道場破りを行っているという噂が流れていた。
どうやらその噂は本当だったようだ。
「こんな奴俺達が勝てるわけないよ…」
「いや、いくら最強山とはいえ束になった俺達に勝てるわけない!」
少年たちは最強山の提案通り、束になって最強山と相撲を取ることにした。
土俵に上がった最強山と少年たち。
かかってこいと言う最強山の声を合図に少年たちが彼にぶつかっていく。
しかし、あれよあれよと言う間に少年たちは土俵の外へと吹き飛ばされていく。
気付けば土俵の上には最強山一人だけが仁王立ちしていた。
「勝負あったな…」
最強山がそう言うと何処からともなくある男の声が聞こえてきた。
「よく頑張ったな、お前たち!」
「ヨネシゲ先生!」
少年たちは声のした方に顔を向けると、そこにはふんどし一丁になったヨネシゲが腕を組立っていた。
「悪いが、この道場の看板は渡せねぇな…」
ヨネシゲはそう言いながら土俵に上がると最強山と対峙する。
「ほう…少しは手応えのありそうな奴が来たようだな」
最強山はそう言うと身構え始める。
そんな最強山にヨネシゲが提案する。
「お前が勝ったらここの看板はくれてやる。だが、俺が勝ったら言うことを聞いてもらおう!」
「面白い…」
最近山はヨネシゲの提案を受け入れる。
その直後両者は睨み合う。
「はっけよい、のこった!」
少年の声を合図にヨネシゲと最強山の体がぶつかり合う。
しかし、呆気ないものであった。
ヨネシゲの上手投げが炸裂。
最強山は土俵に倒れ込み、軍配はヨネシゲに上がった。
その瞬間、少年たちから割れんばかりの歓声が沸き上がる。
悔しそうな表情で土俵の上に座り込む最強山にヨネシゲが近付いていく。
「お疲れお疲れ!良い相撲だった!」
「良い相撲だと?俺を馬鹿にしてるのか!?」
ヨネシゲの言葉に最強山は怒りを滲ませた表情を見せる。
そんな彼にヨネシゲは言葉を続ける。
「お前の事は知っている。昔みたいに体を動かせないんだろ?あの事故のせいで…」
「!!」
ヨネシゲがそう言うと最強山は顔をしかめる。
そしてヨネシゲが最強山について話始める。
かつて向かうところ敵なしと言われた横綱の最強山であったが、交通事故で大怪我を負ってしまい引退を余儀なくされる。
トラックに轢かれそうになった少年を助けようとして自身がトラックの下敷きになったしまったのだ。
奇跡的にも少年は無傷、最強山は一命をとりとめた。
しかし、元の体に戻すには数年は要し、尚且つ自分の年齢を考えると引き際であった。
最強山は泣く泣く力士を引退。
その後は全国各地の相撲道場の道場破りを行っていた。
「道場破りは辞めて、第2の最強山を育ててみないか?」
「は?」
ヨネシゲは最強山に、この道場で少年たちに相撲を教えるよう提案する。
それに対し最強山はそんな事できるかと拒否する。
「最初に言ったよな。俺が勝ったら言うことを聞いてもらうと?」
確かにヨネシゲは最強山と相撲をとる前にそう言っていた。
そのヨネシゲの提案を最強山は受け入れていた。
「ちっ…わかったよ」
最強山は渋々少年たちに相撲を教えることを承諾した。
そんな最強山にヨネシゲは握手を求める。
最強山は不機嫌そうな顔をしながらもヨネシゲと握手を交わしたのだ。
月日が経ちヨネシゲたちと最強山は次第に打ち解けていく。
そしてヨネシゲは自分が設立した相撲道場を最強山に全て任せることにした。
今では最強山に相撲を教わるため全国各地から少年たちが押し寄せてるのだとか…
めでたしめでたし!
そんなわけあるか!
と、いつもならツッコミを入れたくなる場面であるが、今回はそんな気は起きなかった。
ヨネシゲが現実世界で話していた武勇伝や自慢話の正体とは、この世界での出来事、つまりヨネシゲの空想なのだ。
その証拠にヨネシゲはキノコ狩り冬山遭難事件の事を、この世界での出来事と認めていた。
そしてヨネシゲが過去に話していた武勇伝の一つである相撲道場破りの話と、クレアが今話していたヨネフト村相撲道場の内容が瓜二つだった。
現にヨネシゲの空想によって作り出された世界が存在していることをユータは目の当たりにしている。
そう考えるとヨネシゲが今まで話していた武勇伝などは実際にこの世界で起きた出来事であり、彼が話していたことは全て実話だったのか?
いや、所詮ヨネシゲの空想という事実には変わりない。
それを実話と言っていいのか?
ユータは頭の中は混乱していた。
それにしても、何故ヨネシゲは自身の空想に執着しているのか?
今のユータには理解できない。
「ユータさん、どうしたんですか?難しい顔して?」
ヨネシゲの空想について考え込んでいたユータの顔は険しい表情となっていた。
「いや、大丈夫です!それより、あの大きな人の名前は?」
ユータは少年に相撲を教えている大男の名前をクレアに尋ねる。
ヨネシゲの話で出てきた男の名前は最強山であった。
「あの人はサイキョウさんよ!」
「なるほど…」
ここはクラフト一家の屋敷。
先ほど自分の感情のままにユータを怒鳴ってしまったヨネシゲは自責の念に駆られていた。
自室の窓から外の景色を眺めていた。
ヨネシゲは大きくため息ついた。
「ユータには悪いことをしたな。彼だってこの世界に来てから色々と我慢してくれていると言うのに…」
ヨネシゲはそう言いうとしばらく考え込んだ後、あることを決心する。
「よし、ユータに謝りにいこう!」
ヨネシゲとしては珍しく、自ら謝罪のためユータの所へ向かうことを決めたのだ。
その時である。
ヨネシゲの自室に聞きなれない声が響きわたる。
「その気持ちが大事よ!」
「だ、誰だ!?」
ヨネシゲは部屋中を見渡す。
すると部屋の真ん中に一人の少女らしき人物が突然姿を現す!
「ヨネシゲ!あなたにしては上出来ね!」
「はぁ…?」
呆気にとられるヨネシゲ。
この少女?何者!?
つづく…