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詩のようなもの。

ひととき

作者: 小玉 幸一




久しぶりだな 元気だったか? 


しばらく見ないうちに大きくなったな


昔はよく俺の後ろをついて回っては


いたずらばかりをしていたというのに


飯は食ったか? お金に困ってないか?


友達は多いか? 彼女はできたか?


幸福な生活を お前は送れているか?


お前のことだ 心配することもないのだろうが


それでもやはり 心配せずにはいられないのだよ


それが親の務めなのだろうから なによりお前は俺の息子なのだから


口うるさいと煙たがるだろうか? 今日ぐらいは赦せ この一本分のひとときだけは


煙草をやめろとは言えないな 俺も最後までやめられなかった


煙草をやめろとは言えないな 俺の思い出はこの煙とともにあるのだから


煙草をやめろとは言えないな 俺にとってこの一服がなによりも幸福なのだから


いい匂いだ 線香の香りにはもう飽き飽きだ


わずか五分六分の たわいもない 幸福の匂い


冷たい石のなかにはいっても この匂いがいろいろと思い出させてくれる


もう無くなってしまうか 今年の煙草も


体に気を付けろ 朝食はちゃんと食べろ


睡眠はしっかりとれ 一人で抱え込むな


困ったことがあったら 母さんに相談しろ 


俺はいつだって お前のことを想っている


またこい 暇なときでいいから


またこい 元気な姿を見せに


またこい



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