家族
記憶の中にある家族というのはそれはそれは酷かった。
両親はダブル不倫、姉は私を無視、兄は暴力、妹はゆすり。どれだけ貧弱だったのか弱みを握られていたのかは知らぬが背が小さく、線の細い女の子に負けるというのは如何なものか。
もう少ししたら家族が見舞いに来るらしい。
事故にあって手術して以降初めて見舞いに来た。
妙齢の女性、20代の女性、10代半ばの女の子が
3人とも私を恐れるよう、機嫌を伺うようにこちらの顔を見る。
思っちゃいけないが、少し癇に障る。対等な家族のように扱って欲しいところだ。
まぁ思春期の子供に対する接し方というのは難しいのだろう。
そうだ、良いことを思いついた。
・・・
ふむ。
なるべく自然に、かつ弱っているかのように振る舞いつつ自分の肌を家族に見せている。布団は雑に被り、病院着は少し緩く大きいものを着ている。
この世界は男性が希少なのだからこういうの好きなんだろう?
ほらほら。
うん。
チラチラ見てくるだけで何もしてこねぇ。
いや、まぁ家族だしな。
ここ病院だしな。公共の場だしな。
常識的に考えるなら襲うなんてないか。
一応、この世界は近親婚も許されてるんですがね。
はぁ。
ただ性欲を持て余しただけであった。
なんかエロいことしたいけど出来ない主人公みたいになってきました。