2話
短めですが、ゆっくり書いていきたいと思います
そもそも、ウチは何てことない中流家庭
お父さんは確かに会社を経営していたけれども、零細で家族経営なんて言葉がしっくり来る程の所謂中小企業だ
ただ、歴史だけは結構あるらしく、それなりに何とか回せていたんだと思う
私は特にこれといった才能があるわけでもなく、妹と、母と、父と、四人家族の長女として本当に普通の生活を送っていた
それが一変したのは中学三年生の夏だった
お父さん達は事故に遭い帰らぬ人となった
その前後のことは余りよく覚えていない
何せ、いっぺんに家族を失ったのだ、呆然とする間に葬儀が行われ財産だのなんだのと私の頭越しに色々と決められ
兎に角、私は何も考えられないままに叔父の家に預けられることになった
叔父の家は、3つ年上の従兄と叔父と叔母の三人暮らし
アパート暮らしだったのを引き払ってウチに住むようになった
後になって考えれば乗っ取られたんだと思う
会社も叔父が最高責任者となり気付けば、私には何もなくなっていた
叔父の家に居たのは3年間、私は高校卒業とともに叔父の家を出て一人暮らしを始めた
二十歳の誕生日に弁護士預かりになっていたお父さんたちの遺産金が支払われたけど、私はすでに働いていたので殆ど手付かず
まぁ、どうしてもピンチの時に少し使っちゃったけど…
兎も角、私は派遣とかで働きながら慎ましく自分の生活をしていた
その日だって、仕事から帰ってきてシャワーを浴びて部屋着でおやつの栗を食べながら趣味のジュエリーサイト巡りをしていたのだ
ほんとに、一瞬だけ座っているのに軽い眩暈を感じて目をつぶったら次の瞬間は荒野だ
本当に訳が分からない