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第四十一話 ダイエット薬の購入と個人輸入について

 どこのドラッグストアに行ってもダイエット食品はドル箱なのか、コーナーを作ってあります。私も好きな方なので、新製品がでたりしたら。近寄って箱をひっくり返して成分や量をチェックします。今回はダイエット食品ではなく、ダイエット薬の話です。混同されないように……ダイエット食品はあくまで食品です。これを食べると体重が減るものではなく、カロリーが低く抑えられます、吸収を減らしますなどという食品です。

 箱の上に印刷されている説明文ですが、これさえ食べていれば一カ月十キロぐらいすぐ減りますよ、とはどこの会社も書きません。現物の箱にはっきりと書くと薬事法違反で処分を受けます。またそんな食品は現実にありえないからです。

 しかし、たとえイメージだけであっても、できるだけ効果をうたって購入意欲を掻き立てたいので業者さんは知恵をしぼります。有名女優を使ったり、体験者の作文を載せたり、怪しげな医学博士の顔を載せたりします。見栄えの良いスタイルに気遣いをするのは女性として当然だし、本能だとも思っています。現に私もそうです。たいていのダイエット食品やダイエット薬もトライしています。レポートもかけるぐらいです。

 しかしその度が過ぎて健康を害してまでダイエットを追求する人がいるのも、事実です。ダイエットするのに王道なし。これさえ食べていれば美しくやせることができますよ、というのはあくまでも幻想です。

 そういう意味では私は乙女の夢を破壊する薬剤師です。

 繰り返しますが今回はダイエット食品ではなく、ダイエット薬に特化した話です。


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 ダイエット薬で病院が処方してくれるものは、マジンドール(商品名、サノレックス) がダントツに有名です。病院で保険が効くように処方をもらうためには、BMI(ボディマス指数といって肥満度を表す)が三十五%以上という決まりがあります。その上で出してもらうことができれば保険が効くので安くつきます。しかしはっきりいって肥満でもないが、少し体重を減らしたいと思う人にはその類の薬は出ません。それは病気ではないからです。

 そういう人のために美容外科があります。保険適用外で購入できます。ちゃんとしたところならば、血液検査も自費になりますが、結果をチェックしたうえで購入させてもらえます。それも面倒な場合は個人輸入にするか、もしくは代行会社に依頼して購入します。


 そこで個人輸入の話になります。

 一応サノレックスは 劇薬 , 向精神薬 , 習慣性医薬品 , 処方箋医薬品の指定があります。つまり医師の指導の下に使いなさいということです。向精神薬、習慣性云々でぎょっとされるかと思いますが事実です。食欲を抑える目的なので精神科分野に振り分けられます。習慣性はある種の睡眠薬と同じで使うほどに効力が落ちてくるのです。これも事実です。効力がおちてくるからといって、薬を単純に増やすといけないのです。人間の身体には代謝機能というものがあり、薬でも食べ物でも一部を取り入れたりモノによってはそのまま体外に出したりします。個人差はあれどもその「処理能力には限界があり」ます。だからこの薬は医師の処方箋がないと出せませんよ、つまり医師の管理下指導下において使いましょうと認可した厚生労働省が決めているのです。

 でも今の私たちはネットを自由に使えますし、情報も取り捨て選択が困難なほどたくさん入手できます。(ネット情報には根拠のないウソも混ぜて堂々とUPしているのもあるので、ほんとに気をつけてほしいです)

 個人輸入は野放し状態ですが、個人輸入のダイエット薬を飲んで副作用で亡くなった人のニュースは記憶に新しいです。しかし今の若い人はこういうニュースを目にしても自分は大丈夫とでも思うのか怖がりません。薬を怖がる人がいる一方、全く怖がらない冒険家な人もいるのです。

 持病特に内臓の疾患やアレルギーを持っている人ほど、医師は処方に慎重になります。要注意なのに、個人輸入だと誰も注意しない。ネットを頼りに自分が適切だと思う量を勝手に決めて美しくやせるどころか劇症肝炎を起こして亡くなってはなにもならないと思います。また女性の場合は将来的に妊娠や出産を希望する人も多いでしょう。経過の順調な出産をしたければ過激な薬に手だしすべきではありません。


 海外のダイエット薬を見ますが、利尿薬やホルモン剤が過量に入っています。こんなの十代や二十代の女性が飲むべきではありません。だから日本のドラッグストアでは売っていないのです。でも、日本の大きな通信販売会社も輸入ダイエット薬と特集しているチラシも普通に見かけますが、医師や薬剤師に相談したら「やめろ」 というに決まっています。ちゃんとそれだけの理由があります。健康を害するだけのダイエット薬に頼らないでほしいと私は心から思います。

 ダイエットに王道なし。普段から栄養のバランスに気をつけて普段から基礎体力を作っていくしかないです。体力つくりには無理をせず、マイペースで続けられるものがいいでしょう。

 ウザがられるでしょうが、繰り返します。ダイエットに王道なしです。楽してダイエットはない。

 一カ月に十数キロも体重減少を起こすような薬は副作用もセットでついてきます。必ず病気になります。くれぐれも過激な宣伝につられてヘンな薬に手だしして、かけがえのない健康を損ねることのないようにと願っています。


 業者さんは私のこと、営業妨害だと怒るでしょうか? でも誰が何をいおうが購入するお客さんは絶えないでしょう。あなたたちの作る広告も見ますが、うまいこと薬事法にひっかからないように、書いているのに感心します。自己責任の購入になりますよ、ときちんと書いてるし、実際売れてるのでしょうし……ただネット底辺とはいえども「数は超少ないながらも私の読者さんだけ」 は万一副作用があっても救済されなくて家族ともども地獄を見る……そういう目にあわないようにと思っているだけです。






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