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偽りの形、遅すぎた愛

 3月の上旬のとある日の事。

 私の家に配達員がやってきた。


 それ自体は割と普通の事だが、書留で封筒が届いているという事で、診察を中断して出て行く事になった。


「すみません。ここにサインをお願いします」


 配達員の青年が、そう言ってからノートを差し出す。

 ページとしては大体半分、私がサインするべき場所は、その右側の下辺りだった。


「これで良いかな?」


 サインをした後にノートを返す。


「どうも。じゃあこちらになります」


 青年はそれをバッグに入れて、懐の中から封筒を出した。


「一体誰なんだ?」


 それを受け取り、すぐに裏返す。

 そこにはアール・ワイトという名が記されていたが、私の記憶にその名は無い。


「全く記憶に無い名前だが……」


 実際に口にも出して、疑問の為に小首を傾げる。


「ついでなんでこちらもどーぞ」


 そんな私に構う事無く、青年が普通の手紙を持ち出した。

 おそらく10通くらいあるだろうか。

 私はそれらを受け取って、抱えるようにして家へと入り、落とさないように注意しながら応接間へと歩いて行った。


「すまないが少し頼む。重要なのかどうかは知らんが、私宛てに書留が来たんだ」


 診察室のドアを開けて、その隙間からルニスに頼む。

「はーい」という声が聞こえた為に、ドアをそのままにして応接間に向かった。


 ドアが勝手に閉まった事で、背後で「ぱたん」と音が聞こえる。

 私はそれを耳に入れながら、応接間に入ってソファーに座った。


「アール・ワイトか……果たして何者だ?」


 他の手紙をテーブルに置き、それだけを持って1人で呟く。

 当然、答えは帰って来ないので、私は封筒の端を破り、中の手紙を取り出してみた。


 手紙の数は全部で2枚。

 1枚目が文書で、2枚目が地図だった。


「(嫌な予感がするな……)」


 と、思いつつ、地図を後回しにして文書を読んでみる。


「突然の手紙で恐れ入る。私はアール・ワイトというかつては医者をしていた者だ。貴殿に渡したい物がある。唐突なのは理解しているが、おそらく貴殿にしか託せぬものだろう。期限は無いが早い程良い。我が家への来訪を期待している」


 それが、1枚目に書かれていたもので、2枚目には家の周辺の詳細な図が描かれてあった。


「大当たりだ……なんと面倒な」


 私は呟き、頭を掻いた。嫌な予感が的中した為だ。

 渡したい物。

 これをはっきりと明記していてくれれば、私には2つの選択が出来た。


 即ち、行くか、行かないかの選択が。

 なのにそれを書かない物だから、選択肢が1つに絞られてしまったのだ。

 興味が無ければ無視すれば良いが、こういう書き方をされてしまうと、興味が無いとは流石に言えない。


 医者をして「いた」という点も気になる。

 呼び出し方は気に入らないが、この好奇心を抑える為には、訪ねて見るしか手は無さそうだ。


 手紙を持ったままで時計を見てみる。

 時刻は15時36分。


「(今から行くと夜になるな……)」


 そう思った私は翌日の出発を決め、今日は診察を続ける事にした。

 テーブルに手紙を置いたままだったのは、大きな失態と言わざるを得ない。


「おはようございむわぁあす!! 行くんでしょ? ねぇ? 今日行くんですよね? ちなみに僕読みましたから! 先生への手紙、読んでますからぁ!」


 翌日の朝、フェネルが来た時に、私はその事にようやく気付くのだ。


「が、学校はどうする?」


 と、悪あがきで聞くも、フェネルは「休み♡」と満面の笑顔。

 もはや私に断る術は無かった。




 私を呼びつけたアールの家は、ディザン王国の北部にある、ハーフソルトレイクと言う大きな湖の岸部にあった。

 屋敷の外観は例えるならば、「幽霊屋敷」と言って良いもので、屋敷を囲む柵は倒れ、窓ガラスは殆ど割れ落ちている。


 かつての波止場も今は朽ち果て、そこに泊まっていたのであろう、小舟も湖の底にあった。


 屋敷の脇には大きな穴があり、そこには下り坂が作られていたが、大量の土砂が降り積もっていた為に、その先を見る事は出来なかった。


「きた! 久々の騙されフラグ! 今回は絶対間違いないっすね!」


 それらを目にしたフェネルが言って、「ニヤリ」と笑って私を見上げる。


「まぁ、まだ分からんさ」


 と、答える私も、相手が知らない人物だけに、今回は「或いは」とも考えていた。


「じゃあ誰も居なかったら、先生のレッド僕に下さいよね? 居たら戦闘員ザックを上げますよ」

「要らんわ! というか、賭けが成り立っとらんわ!」


 フェネルの言葉に私が答える。

 後ろではレーナが「クスクス」と笑い、私達の様子を見守っていた。


 ちなみに戦闘員ザックのカードは私自身も11枚持っており、「くれ」と言われたらタダでやれる程、あっても無くても良いカードと言えた。


「しかし、まだ引けて無いのか? お前も相当突っ込んでるんだろう?」


 柵を乗り越え、玄関に向かいつつ、後ろに続くフェネルに聞いてみる。


「引けませんよ! っていうか、先生のヒキが異常なんですって! 情報本に載ってましたけど、中立マンレッドを引ける確率は、6000の1以上で、司令Dを引ける確率は、1万分の1以上らしいですよ!? 先生が知り合いじゃなかったら、ソッコーでパクって逃げてる所ですよ!」

「そ、そうか……私が知り合いで良かったな……」


 じゃなかったらお前、前科持ちだぞ……

 そうは思ったがそこまで言わず、私はそれだけをフェネルに返した。


「灼熱の腹筋を持つ漢。ダラン・ベールはどれくらいの確率?」


 これは、フェネルの後ろに続くレーナが発した質問である。


「え……いや、10分の1くらい? 割と普通に捨てられてますよね?」

「えー!? ありえなーい!? ダラン超強いじゃーん!?」


 その言葉にはレーナは驚き、なぜかの怒り顔でフェネルに言った。

 そのスペックは攻撃が4、防御が8と、割と強めだが、補助として「プロテイン」を出さない場合には攻撃と防御が逆転してしまう。


 そして挙句、味方を攻撃し、戦闘後には廃棄となる為に使う者を選ぶカードとなっていた。


 レーナはこれを愛用する為に、プロテインを限界まで(4枚)組み込んでおり、その為にまぁ、何というか、はっきり言ってかなり弱いデッキの持ち主となってしまっていたのだ。


 何しろダラン以外でも使うと勝手に崩壊する訳で、私達からはひっそりと「自滅デッキ」等ともささやかれていた。


「い、いや、それはレーナさんが自滅デッキ……じゃない、独特のデッキを使うからで、一般的にやっぱりダランは使いにくいカードだと思われてる訳ですよ……」

「皆、全然わかってないなぁ……ダラン程アツイカードはないのに……」


 フェネルの言葉にはそう答え、レーナは「ぶつぶつ」と文句を続ける。


「カード制限が無ければなぁ……」等とも言っている辺りから、制限が無ければもっとダランを組み込んでくる事は確実である。


「(まぁ、楽しみ方はそれぞれだからな……負けても楽しいのならそれで良いのだろう)」


 苦笑いを浮かべつつ、私は歩いて玄関に辿り着く。

 そして、竜をかたどっている呼びを叩いて訪問を知らせた。


 庭にはおそらく墓なのだろうか、墓石のようなものがいくつも存在し、そこには少し疑問して、私は両方の眉根を寄せた。


 10秒ほどが経っただろうか、玄関の両戸があちらから開けられる。

 現れたのは15、6才の、青いメイド服を着た少女であった。

 髪の毛は黒、目は赤色で、髪の長さは肩に届く程度。

 身長は160㎝位だろうか。フェネルよりも少し高いようだ。

 肌の色が異様に白いので、私は一瞬死人かと思ったが、


「ようこそおいで下さいました。イアン・フォードレード様ですね? ご案内します。どうぞこちらへ」


 と、少女が喋った事によって、生ある者だと認識が出来たのだ。


「どうぞ、こちらへ」


 同じ事をもう一度言い、横顔を向けて少女が歩き出す。

 その為に、私達は挨拶もしないままで、屋敷の中へと入る事になった。


 玄関に入り、左を向くと、歩いている少女の背中が見えた。

 私達はそれを追って、少し早歩きで廊下を進んだ。


「あの子もしかしてオバケじゃないですか……? なんかセイカツシューが無さすぎですもん……」


 床に落ちたガラスを踏みつつ、レーナの後ろでフェネルが言った。

 或いはそうかも、と、私も思う。

 フェネルの言う通り、見る限りでは、屋敷の中には生活臭が無い。

 普通であればまずはガラス、この、足元に落ちているガラスを掃除しようと思うものだろう。


 だが、少女はそれを無視して、普通に踏みつけて進んでいる。

 ドアも、壁もボロボロで、中には酷い落書きもあったが、(23日に初セ〇〇ス! とか、アイクぜってーコロス! とか)それがそこに無いかのように、まるで気にせずに歩いていたのだ。


「まぁ、すぐに分かる事だろう。差し当たり、レーナからは離れんようにな」


 念の為にそう言って、私自身も距離を取る。

 疑いたくはないが、現時点では信じろと言う方が無理な話だ。

 フェネルへの責任もある訳なので、私はいつもより慎重だった。


 少女が止まり、右に向く。そこには鉄製の扉があった。

 見るからに重く、分厚い扉だ。

 少女は鍵穴に鍵を刺し、どちらかに捻って錠を開けた。

 それから扉を片手で押して、「こちらです」と言ってから中へと消えた。


「ワナノカクリツ100パーセント。ワナノカクリツ100パーセント」

「うるさいな……」


 うるさいフェネルにはそう言って、警戒しつつ中へと入る。


 左右は壁。通路の先には下へと続く階段が見える。

 少女はその階段の前で、私達が追い付くのを無言で待って居た。

 上を見て、左右を見てから、私が慎重に足を踏み入れる。


「先生がペチャンコだぁーっ!!」


 と、喜ぶフェネルは、レーナに「ぺちん」と頭を叩かれた。

 1歩、2歩と歩いてみるが、罠があると言う気配は見えない。


「ご心配なさらず。何もありません」


 と、少女が不意に言った為に、「ドキリ」とした私は足を止めた。


「もし、信用出来ないのでしたら、私を盾として使って下さい。帰られてしまうと大変に困るのです。主も、私も、それは非常に」


 少女は続き、そう言って、私の前に来て「ぴたり」と止まった。

 盾にするならしてくれ、という意味だろう。

 ここまでされては信じる他に無い。


 そういう事なら! と、盾にする程、私は疑い深くは無かった。


「これは失礼を……人様の子を預かっている身なので、つい、用心深くなってしまった。今までの非礼を許して下さい」


 少女の態度と言葉を信用し、非礼を詫びて頭を下げる。


「いえ」


 少女は表情を変えずに言って、踵を返して階段を降り出した。


「(変わっているな……)」


 そう思いつつ、私は少女の後ろに続く。

 レーナもその頃には追い付いて来ており、私の更に後ろに続いた。

 唯一、フェネルはついて来ておらず、通路の入口に立ったままで、


「大丈夫!? ねぇ!? 大丈夫ー!?」


 と、ひたすら安否を確認していた。


「(あいつなら多分盾にしたな……)」


 私はそう思い、1人でニヤついた。




 随分と階段を降りた気がした。

 200段、いや、300段以上は降りたような気さえする。

 とにかく、かなりの階段を降り、私達はようやく最深部につく。


 そこは天井が異様に高い、地下迷宮と言っても良い場所だった。

 壁があり、部屋があるが、おそらく天井と言うものは無い。


 いつだったかに訪れた事があるミノタウロスの家に近く、四方を壁に囲まれただけの、迷宮の中にある小部屋のようだ。

 階段の上から見た限りでは、その中には檻や、水槽があり、私には使い道が分からない器具が置かれた部屋も見えた。


 奥の方は薄暗い為、いくつの部屋があるかは不明だが、こんな所に住んでいる者が、マトモである訳はないだろうと、私の常識は訴えて来ていた。


「先生、今すぐ帰りましょうよ! 絶対マトモじゃないですって! 普通なら上でしょ! 下じゃないでしょ!? 勘違い!? 違うね!? ネジが何本かブッ飛んでるだけだね!」


 フェネルが私の袖を引っ張る。

 結局の所ついてきたが、この状況を見て「やっぱヤバイ」と、即座に考えを変えたようだ。


 その考えは正しいし、そうした方が良いとも思う。

 だが、私は一方で、どんな人物が住んでいるのか見てみたいという気持ちも膨らませていた。


 一言で言うなら好奇心である。こいつに少々負けつつあったのだ。


「(だがまぁ、もしもという事もあるか……フェネルだけでもレーナと帰すかな……)」


 そんな事を思っていると、闇の中から音が聞こえた。


 カタカタカタカタカタカタ


 と言う、荷車を引いた時に起こるような、車輪が地面の上を進む音だ。

 それはすぐにも姿を現し、私達に向かって「やぁ」と言った。


「ぎゃああああ!? なんかでたぁああ!!?」


 フェネルが驚くのは無理はない。

 現れたものは車椅子だったが、そこに乗っていたものが、眼球と脳味噌だったのである。


 それらは球体のガラスに包まれ、中には溶液が満たされていた。

 そして、どうやって喋っているのか、それらは私達の頭に直接、言葉を投げかけてきていたのである。


「驚かせてしまったか。無理は無いな。それに説明をさせておくべきだった」


「それら」が喋り、車椅子が動く。

 どういう原理か不明であるが、車椅子は「それら」の意思で動くように出来ているらしい。


「レーナさんやっちゃって! 絶対悪だから! アレは間違いなく真なるカオスだからあ!」


 レーナを押し押しフェネルが喚く。

 流石のレーナもかなり引いており、例えば私が「頼む」と言っても、快く返事をしそうにはない。

 何度か頼めば仕方なく、半泣きで返事をしそうな顔だ。


 そして、返り血(液?)で呆然として、レーナは「うけけけ!」と笑うのである。

 それでは流石に可哀想だし、現状でそこまでさせる事は無い。


「あなたは一体、何者なんですか?」


 まずは何者か、それを知る為に、私はそれに質問するのだ。


「アール・ワイトだ。貴殿を呼びつけた、かつては医者をしていた男だよ」


 それはそう答え、少女の横で、後ろを向けて車椅子を止めた。

 少女はすぐに取っ手を持って、車椅子を私達の方へと向ける。


「これは私の雑用係だ。名前は一応、ノアと言う」


 その後にそれら、アールに言われ、ノアはひっそりと頭を下げた。


「この姿についてはこれから少しずつ、必要とあらば説明をして行こう。では、早速だがついて来てもらえるかな?」


 アールを乗せた車椅子が押され、闇の中に向かって進む。

 私が続き、レーナが続くと、フェネルは「行くんすか!?」と言った後に、仕方無しに後ろについてきた。


「出迎えに行けなかった理由はこれだ。結果として貴殿を呼びつけてしまったが、気を悪くしたなら許して欲しい」


 通路を進みつつアールが言ってくる。

 言う、と言っても頭に届くので、皆に聞こえているかは不明だ。

 だが、一応の礼儀もあるし、私は「いえ」と声に出して答えた。


「ああ、皆にも聞こえている事だ。これはこれで便利だが、そういう不便な一面もある。1人にだけに話している時は、これからは眼球を伏せるとしよう」


 こちらの心は読まれているのだろう、後ろ向きのままでアールは言った。

 今はどうなのか分からないが、これからはそこを見て判断する事にする。


「この部屋だ」


 アールが言って左に曲がる。

 実際にはノアに押されているので、ノアが曲げたという方が正しい。


 ともあれ、私達もそれに続き、2人が消えた部屋へと入る。

 私はまず顔を顰めた。暗闇に慣れつつあった為に、部屋の明るさが眩しかったからだ。


 色としては橙色。周りの煉瓦が赤い為か、全体的には赤茶けた色である。

 左手側には段があり、その上には訳の分からない器具があった。


 そこからはおそらく冷気だろうか、煙のようなものが出ている。

 2人はその部屋の中央に行き、長い台の近くで止まった。


「アレを」


 と言われてノアが動く。右手の方に向かって行って、何かを抱えてすぐに戻った。

 そして、それを抱えたままで、私の前に立ち尽くしたのである。

 それは、束にされた羊皮紙だった。

 1000枚以上はあるかもしれない。


「これは……?」


 と、聞くがノアは無言。その為に顔をアールに向ける。


「私の研究記録のようなものだ。私もただ、存在している訳では無い。理由があって存在しているのでね」

「(そういう意味では無かったのだがな……)」


 聞いた私がそう思う。

 直後にはアールは「ふふふ」と笑い、「なるほど、そこに至った経緯が知りたいと」と、心を読んで話し出した。


 隠し事は無駄か、と思い、私はそれに「そうです」と答えた。

 それを聞いたアールは「良いだろう」と、昔話を始めたのである。




「私はかつて医者だった。もう100年以上前の事になる。当時の私には娘が居てね。妻に先立たれてしまった分、全ての愛情を注いでいたよ。だが、ある日娘が倒れた。調べてみると病に侵されていた。内臓に悪性の腫瘍が出来て、それが体中に転移するという病気だ。私はそれこそ命をかけて、娘の病気に立ち向かった。しかし、娘は死んでしまった。どんな処方も結局無駄だった。己を憎み、神を呪ったよ。だが、私は医者だったんだな。娘の命を奪った病気を、この世から消したいと本気で思った。研究したさ、一心不乱に。30年程が経った頃、私は肉体を捨てる術を知った。新しい命を作り出す術もだ。その結果、私とノアはここに居る。そこにある研究記録には娘を殺した病への対抗法も記されている。おそらく、それであの病気は治せる。……私の役目は、ようやく終わったのだ」


 それを最後にアールは黙った。無表情にノアも聞いて居る。


「さむっ! これ、冷気ですよ先生ー! 一家に一台欲しいですねこれ!」


 と、妙な器具に近付くフェネルは本当に空気の読めない奴だ。


「つまり……この、大量の研究記録を誰かに託したいと言う事ですか?」

「その通り、話が早い」


 私が聞くと、アールは言った。


「という事は、つまりあなたはもう……?」

「いや、死ぬという訳では無い。思考を停止させるというだけだ。この溶液を抜けば、それだけで終わる」


 続けて聞くとアールはそう言い、どこにともなく車椅子を動かした。


「目を通して貰えば分かると思うが、これは貴殿にしか託せない事だ。魔医者と呼ばれ、魔物達とも交流がある貴殿にしかな。だから、黙って受け取って欲しいのだ。……私が、人間の体を捨ててまで戦い抜いた証として」


 言われた為に羊皮紙を軽く見る。

 そこにはその病気に対してだけでは無い、様々な病気への処方が記されており、その材料として確かに普通では手に入らないものが書かれてあった。


 マーメイドの生血、リザードマンの初脱皮の殻等、例を挙げるとキリが無いが、私であれば交渉次第で、なんとか手に入れられるものではある。


「どうしても、と言うのであれば、それは有難くお受けしますが……」


 私が言って、ノアを見つめる。

 その場合あの子はどうなるのか、と、私はふと考えたのだ。


「あれも活動を停止する」


 心を読んだのかアールが言った。

 私だけに言っているのか、眼球は下に伏せている。


「娘の遺体から作り出したモノだ。足りない部分は他人ひとから借りた。特殊な薬品を注入しなければ、3日もせずに崩壊するだろう。姿は似たが、心は生まれなかった。それ故に私も愛せなかった……悪い事をしたと今になって思うよ」


 なるほど、だから死人のようなのか。

 私はそれに納得し、憐れみの気持ちでノアを見つめた。

 一体何を思っているのか、ノアはじっと壁を見ていた。


「調合についてはいくつかコツがある。これは実際に見て貰いたい」


 アールが言って車椅子を動かした。眼球は今は元の位置にある。


「先生、僕、暇なんで、ちょっと探検に行って来て良いですか?」

「バカか! 何があるか分からん所で、良くもそんな暢気な事が言えるな?」


 飽きて来たのかフェネルが言って、それを聞いた私が叱る。


「だって超暇じゃないっすか! レーナさんだって欠伸してましたよ! レーナさんと一緒なら大丈夫だからー!」

「ちょっ!? フェネル君!?」


 フェネルの密告にレーナが驚く。

 驚くと言う事はしていたらしいが、まぁ、それは仕方が無い事だ。

 私だって付き合いだったら「あー帰りてぇー……」と思った事だろう。


「あー……分かった。だが、人様の家なんだから、勝手にゴチャゴチャ触らんようにな? レーナからも離れない事。約束できるか?」

「約束できますよ! 僕は子供ですか!」


 その返事には「まぁ……」と返す他なく、自覚はしているのであろう、フェネル自身も「ですよね…」と短く言っただけだった。


「奥にキメラとグレムリンの檻があるから、そこには近づかないように注意をしてほしい。それ以外は何をしても問題ないはずだ」


 こちらはアールが発した言葉で、私達は全員が「キメラ!?」と驚いた。


「研究の為に購入したのだ。結果としては使えなかったので、以来、キメラの方は放置をしている。おそらく死んでいるとは思うが、あれの生命力は凄まじいと聞く。近づかないに越した事は無い」


 アールの言葉を聞いた後に、私は「だ、そうだ」とフェネルに言った。

 念を入れた、と言うやつである。

 フェネルもそれが分かったのだろう、「ふぁ、ふぁーい」と言って歩いて行った。


「すまないが頼む。それでもあいつは近づきかねん」


 その上でレーナにお願いすると、レーナも「ですね……」と苦笑いをしていた。


 キメラとはまぁ合成獣で、獅子やら、羊やら、蛇の首を持っているかなり凶暴な魔物の事だ。

 一方のグレムリンは凶暴では無いが、悪戯妖精と言われる程に悪戯が大好きな魔物であった。

 どちらにしても好き好んで、近づくべきでは無い魔物と言える。


「申し訳ない。お待たせしました」


 2人が消えて、アールに向かう。


「いや、一向に構わんよ。ノア。それでは運んでくれ」


 アールに言われてノアが動く。

 そして、メスやら鉗子やらがついた、重装備の車椅子を押して現れた。


「手術用の車椅子だ。あそこまで行くのに12年かかった」


 その言葉には「そうですか……凄いですね」としか言えない私だ。


 アールの入った容器を持って、ノアがそちらの車椅子に乗せる。

 直後には触手が「ウィンウィン」動き、私は思わず「ひっ」と唸った。

 ひとつの先には耳かきがあったが、これはこの時点で聞き損ねた為に、永遠の謎となってしまう。


「それでは実演を開始しよう」


 アールのその言葉によって、調合の実演が開始された。




 懐中時計の時間を見ると、3時34分を指していた。

 これは午後の15時では無く、夜中の3時という事である。

 どうにも眠いと思っていたが、どうやらそういう事だったらしい。


「申し訳ないが、少し休みたい。熱中していたので気付きませんでしたが、もう3時を過ぎて居ました」


 時計を見せてそう言うと、アールは「そうか」と言葉を返した。


「それでは存分に休んでくれたまえ。続きは貴殿が起きた後にしよう」


 それから続け、そう言って、ノアに「案内を」と声をかけた。


「フェネルとレーナは戻ってきましたか?」

「はい。随分前にお休みになりました」


 私が聞くと、ノアは言った。

 全くもって気付かなかったが、一応、無事に戻ってきたらしい。

 私はそれに安心し、「ではまた後ほど」と、アールに言った。


「後ほど」


 と、アールもそれに返す。

 寝る必要は無いのだろうか、アールはそのまま何かをしていた。


「主は、活動を停止するのですね」


 部屋を出た後にノアが言った。

 振り向きはせず、歩いたままだが、間違いなく声はそこから聞こえた。


「そうらしいですね。あなたは今日まで聞いて居なかったのですか?」


 聞くと、振り向く事は無いが、ノアは「はい」と答えてくれた。


「では、相当驚いたでしょう?」


 それには「いいえ」とノアは答える。

 何なの?! と、一瞬思ったが、それにめげずに私は話した。


「もし、アール氏が活動を停止したら、あなたは一体どうするんですか?」

「私も活動を停止するでしょう。薬無しではいられませんから」


 知っていたのか、と、私は思う。

 それと同時に「生きたくないのか」と思い、無礼を承知でノアに聞いてみた。


「あなたは生きたくないのですか?」


 と。


「私は……主の娘に似せて作られたものだと聞きました。言わば人形と変わりません。主がこの世に残らなければ、私の糸は切れるだけです。生きたい、生きたくない、そんな感情は私には理解できないものです」


 決して振り向かず、ノアは言った。


「なるほど……」


 と、答えつつ、私はやりきれない気持ちになった。

 話が出来るという事は、ノアにも「個」というものはある。

 個はつまり人格なのだから、生きているのだと私は思う。


 だが、本人やその主であるアールがそう思っていない為に、話はややこしくなっているのだ。

 生きろ、と言っても意味が分からないでは、はっきり言って言う意味は無く、だからと言って無視するかと言えば、後味の悪さたるや相当である。


「(起きたらアールに言ってみるか……何も無理に死ぬ事は無いと。そうすればノアも死なずに済むだろう……余計なお世話だと分かっているが、これを無視しては後味が悪い……)」


 故に、私はそう決断し、そこからは無言でノアに続いた。


「こちらです。どうぞ」


 部屋につき、「ぐるり」と見渡す。

 そこには診察台があったが、ベッドやソファーは見えなかった。


「まさかアレで?」


 と、私が聞くと、ノアは「何か問題が?」と真顔で返してきた。


 どうやらそういうものらしい。

 そもそも寝る必要が無いのだから、ベッドやソファーがある訳がないのだ。


「いえ、何でも……」


 納得した私はそれだけを言い、上着を脱いで診察台に寝そべった。


「予想外の行動でした」


 不思議そうにノアが言う。


「ど、どういう意味ですか?」


 と、私が言うと、少し歩いて壁際に立つ。

 そして、取っ手を握った後に、収納式のベッドを出した。


「あったんかいぃ!?」

「ありました」


 私が言うとノアは言った。


「だったら先に言って下さい……」


 そう言いながら台から降りて、私はベッドに体を沈めた。


「おやすみなさいませ」


 そうは言うが、ノアは動かず、私をずっと見続ける。


「あ、あの……何か?」


 疑問に感じて顔を顰める。


「待機しています。命令が無いので」


 ノアは真顔でそう言って、尚も「じーーーーっ」と私を見続けた。


「そ、そうですか……」


 あっちいけやああ!! とは言えない為に、私は背を向けて眠りについた。

 数時間後、目覚めた時に、私は「ホワァァア!?」と驚く事になる。

 すっかり忘れて目を開くと、ノアがまだ見ていたからである。


「あの、私、何か変な事してませんでしたか……?」


 落ち着いた頃にそう聞くと、ノアは「おならを5発」と言った。

 生まれて初めて「死にたい!!」と、本気で思った瞬間だった。




 材料が不明の朝食を摂り、私達は再び実演を開始した。

 時刻は朝の10時3分。

 6時間程を休めた訳だが、私は正直、少し眠かった。

 自分のベッドで無ければやはり、私は熟睡ができないタチらしい。


「どうやら少し眠いようだな。あまり熟睡できなかったのかね?」


 いくつもの腕を器用に動かし、アールが私に聞いてきた。

 おそらく顔に出ていたのだろう。


「他人のベッドと言うのはどうも……人間もやはり獣なのか、一番落ち着くのは自分のねぐららしい」


 言うと、アールは「ふはは」と笑った。

「一理あるかもな」と言ったあたり、私の考えに賛同のようだ。

 少し雰囲気が良くなったので、私はアールにあれを言って見た。


「例の、あの話なのですが、無理にしなくとも良いのでは無いですか? 人はいつか必ず死ぬのだし、それまで生きてみるのも良いと思いますが」

「ふむ……」


 直後の反応はそれだけだった。


「人では無いのだ。もはや私は。死ぬ、生きるの感覚も無い。脳と眼球が残っているだけだ。アール・ワイトという人物はとうに昔に死んでいる。それになイアン殿。私は疲れたのだ。休みたいのだよ。もう、ゆっくりとな」


 そして、しばらくが経った後に、作業を続けながらそう答えたのである。

 ここまで言われては何も言えない。

 本人が休みたいと言うのであれば、それを無視して「生きろ!」とは言えない。


「(しかしノアが可哀想では無いですか……?)」


 伝わるだろうと考えて、頭の中だけで私が呟く。

 案の定、それは伝わり、眼球を伏せてアールは言った。


「あれはモノだ。悪い事をしたとは思うが、可哀想と言う感情は無いな。娘に似ている。それだけの事だ。期待はしたが、それだけの事だった。私と共に消えた方が良いのだよ」


 私の言える事はもはや無い

 期待はしていた。本当の事だろう。

 だからわざわざ娘に似せたのだ。

 アールの期待通りになっていれば、結果は違っていたのかもしれない。


「(神様と言うのは居るのかもしれないが、私達には無関心なのだろうな……)」


 運命の悪戯、または皮肉。

 そんな言葉を思い浮かべて、心の中で私は呟いた。

 娘が病気にかからなければ、アールは人間として命を終えられた。


 そうすればノアが生まれる事も無く、モノとしての終わりを迎える事も無かった。

 歯車がひとつ狂っただけで、結果がこれだけ変わるのである。

 神様とやらが居るのだとしたら、残酷か、無関心だとしか評しようが無い。


「……」


 思った事は伝わるのだろうが、アールはここでは無言であった。

 思う事は色々だろうが、私がアールの立場であれば、おそらく神等信じないだろう。

 そんな時、レーナが現れ、「すみません先生……!」と声をかけてきた。


「ど、どうしたんだ?」


 振り向いて、レーナに向かう。


「フェネル君、見ませんでしたか……? ちょっと目を離した隙にいなくなっちゃって……」


 焦った顔でレーナは言った。


「なっ……!?」


 間違いなくあそこだ、と、私は直感する。


「キメラとグレムリンの檻はどこですか!?」


 その為にアールに場所を聞くと、ノアに向かって「案内を」と言った。


「こちらです」


 と、ノアが歩き出したので、「すみませんが急いでもらえますか!?」と、その前に立って私は急かした。


「分かりました」


 ノアが答え、両脇に腕を添えて走り出した。

 例えるなら子供の駆け足のような図だ。

 なんだか少し可愛かったが、鑑賞している余裕は無い。

 私もすぐに走り出し、私の後ろにレーナが続いた。

 後ろから「カタカタ」と聞こえる辺り、おそらくアールもついて来ているのだろう。


 上へと昇る階段の前で右手を選んで私達は走る。

 そして、その直線上で、何かをしているフェネルを見つけた。

 どうやら何かと話しているらしい。


「これっすか?」


 みたいな事を言って、フェネルが手を伸ばして何かを渡す。

 直後には「ヒャッフーイ!!!」と、何かが飛び出し、空中に止まって「ゲラゲラ」笑った。


 長い耳に悪魔のような顔。

 しかし、体はウサギ程と小さい。

 ピンク色のこの生き物はグレムリンと呼ばれる魔物であった。


「あー、キュウクツだった! 何年も閉じ込めやがってクソが! 逃げる前に復讐しちゃうかんね!」


 グレムリンが空中で言い、フェネルの近くに舞い降りて来る。


「ちょっ、約束の中立マンレッドはどうしたんすか!?」

「約束とはどういう事だ!? 何をしたんだフェネル!?」


 ようやく到着し、私が訊ねる。

 グレムリンは「やべっ!」と言ってから、檻の向こうの闇へと消えた。


「い、いや、あのグレムリンさんが、出してくれたら中立マンレッドをやるって……だからつい、誘惑に負けちゃって……」

「馬鹿者! 奴はそういう魔物だ! だからあれ程近づくなと言ったろ!」


 怒り、フェネルの頭を叩くが、今回はフェネルも反抗はしなかった。


「じゃあ下さいよ」


 と、「ボソリ」と言ったので、それには「やらん」と答えて置いた。


「あーばよー! 全員キメラの餌だー!! キキキキキキー!!」

「うわあっ!?」


 檻の中からグレムリンが飛び出した。

 突然の事に私達は驚き、捕まえるチャンスを逃してしまう。

 グレムリンはそのまま飛んで、闇の中へと姿を消した。


 代わりに現れたのは3対の顔。

 獅子と蛇、羊の顔を持つキメラと呼ばれる魔物であった。


 その全長は10m弱、体は獅子のそれである。

 高さはおよそ4m程だった。

「グルルルルル……」と、不気味に唸り、檻の向こうから私達を見ている。


「ヤバい事した……?」


 と言うフェネルの言葉に、私は無言で頷いて見せた。


「グワアアアォゥ!!!」

「ギャアアア?!」


 キメラが咆哮し、私達が慄く。

 直後にはフェネルが逃げ出したので、それを追って私も走った。


 レーナが私の後ろに続き、キメラが檻を攻撃し始める。

 ふと見ると、ノアが残ったままだった。

 檻の前に茫然と立ち、キメラの動向を黙って見ていた。


「何をしているんだ! こっちに来るんだ!!」


 私が叫ぶも、ノアは無反応。

 檻が壊れ、キメラが出て来ても、ノアはその場に立ち尽くしたままだ。


「まずい! レーナ! すまないが……」


 と、頼むまでも無くレーナはすでに動き出していた。

 武器は無いが魔法をぶつけ、キメラを一瞬たじろがせる。


 しかし、キメラはすぐに持ち直し、その右脚をノアに向けた。

 間に合わない! と、思ったその時、キメラの体に何かがぶつかった。


 車椅子に乗ったアールであった。

 ぶつかり、メスをつけた触手をキメラの体に「ぶすり」と突き刺す。


「ギシャアアアッ!!」


 その事によってキメラは攻撃を、ノアからアールに変更させた。


 車椅子が倒れ、容器が割れる。

 容器の中から溶液が漏れ、アールの脳味噌と眼球がこぼれ出た。

 その頃にはレーナがキメラと対峙し、ノアの体は窮地から救われた。

 アールの残骸にノアが近寄る。


「なぜ、私を……?」


 そして、その場に屈んで言った。


「……私にも分からん。だが、娘を……娘の形をしたお前の事を、守らなければと思ったらしい……長い間、すまなかったな。もっと愛してやれば良かったと今になって後悔しているよ。最後の命令だ。自由に生きろ。残された時間はあまり無いが、お前の好きなように生きて欲しい。そして許してくれ、私の娘よ。私の2人目の娘、ノアよ……」


 それが、アールの最後の言葉だった。

 キメラはレーナの蹴りを喰らい、魔法とパンチを貰って倒れた。

 だが、失ったアールの意識が元に戻るという事は無かった。

 ノアはその場に屈んだままで、いつまでも、いつまでもアールを見ていた。




 ノアは最後まで泣かなかった。

 心が無いのではなく、分からないのだ。


 死というものが理解できず、失ったものの大きさが分からないから泣けないのである。

 私はアールの家に残り、彼女を救う為の資料を探した。

 幸いな事にアールはそれを薬と共に遺してくれていた。

 どうやらアールは言葉の通り、どこかで彼女を愛していたらしい。


「娘の事をよろしく頼みます。どうか幸せにしてやってください」


 それが、薬の作り方を示した羊皮紙の一番下に書かれていたものだ。

 あくまで私の予測であるが、アールは多分自分が死んでも、ノアには「生きろ」と言ったのではないだろうか。

 その為に薬のストックと、作り方を遺していたのだと思う。


 ならば最初からそう言ってやれば……と、思わなくも無いのだが、言わないままで逝ってしまうよりは、最後に言えただけ良いのかもしれない。


 ノアは今、フォックスの医院で看護婦のような事をしている。

 とりあえず、という事で置いてもらっているが、元々が助手のようなものだっただけに、滞りなく仕事をこなしているそうだ。


 いずれ、薬も作れるだろうし、1年分はストックがある。

 彼女が私の近くに居る限り、バックアップを続けて行こうと思う。

 それがまぁ、私なりの、アールへの借りの返し方である。


「幸せに出来るかどうかは分からんがな……」


 私は呟き、ペンを置いて、広げていた日記帳を「ぱたり」と閉じた。


ノアのイメージは女神〇生のメ〇リというキャラクターがそんな感じです。

業〇殿の主であるヨーソローの助手のメイドさんですな。

なつかしーわー…(遠い目)

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