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コンビニで並んでいる最中にできる魔法五選  作者: 沼津平成@ウォーキングで知名度UP
一 隠れてスマホでゲームをやる(4名の実際に試した記録あり)
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4/5

隠れてスマホでゲームをやる 橋本拓郎の場合

今回の事例に関してはかなり特殊で、ちゃんとした魔法を用いています。ご留意ください。

「ハライカムシア・ハライシア(竜王のトルネード!)」


 アッサラーム・アライクムぐらい容易(たやす)くその男はいった。


 ぽっ。


 掌に紫色の玉が浮かぶ。一見すると某アクションゲームのク◯ボーみたいな玉に見えるがこれ結構万能だ。


「うふふふふ」


 男は笑った。

 

 男の名前は橋本拓郎。


 不審者のように、全身姿を黒で包んでいた。


 けれど拓郎は不審者なわけではない。フリーターである。


 三蔵法師 玄奘が仏像などを求め、旅歩いたように拓郎もまたコンビニおにぎりを求め歩いていた。


 ゴールデンウィーク、一番人気の場所。


 それはズバリ、我が家だ。(調べたわけではないが、そう拓郎は思う)


 そしていい飯食おうぜと案の定ファミレスは満席、コンビニおにぎりは拓郎の同志が買い占めていた。


 そうして放浪すること、実に4店舗目。


 ようやくありつけた。


「ありがてえありがてえ」


 スマホを開き、拓郎は思う。


「あっ」


 これ、同居している兄に取られるパターンじゃね?


 兄は小説家だ。安定した収入はない。主に投稿サイトで低浮上を送る日々。つまりフリーターだ。

 

 しかし兄は大喰らいである。


 兄に取られた体験ならいくらでもある。


 しかしイートインで食べると余分なお金がかかる。


 道路で食べると不審者呼ばわりされる。特にこの格好だし。


 どうすればいいんだ、ああ。


 頭を抱える拓郎、いいことを思いつく。


 買って帰った後、手に取ったのは先ほどの紫色のボール。


 ここに入ると一分だけ異世界にいることが可能。


 こうして拓郎は異世界でコンビニおにぎりを食べて帰ったわけ、なのだが——。


「拓郎、どこ行ってた?」


「え、いや……」


 また面倒になりそうだ。拓郎はぼんやりそう思った。

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