第44話 次のステージに進むべく、勇者パーティをダンジョンに受け入れる
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帰宅したアタシは、カツカツとヒールを鳴らしながら歩き、帰りの道中考えていたことを決行すべく四天王と孫たちを呼んだ。
大事な話があるとして呼んだが、皆はすぐに集まってくれた。
「エルフの国で何かありましたか?」
「いや、その帰りに色々考えてねぇ」
「と言うと?」
「勇者たちをこのダンジョンに受け入れてやろうかとね」
思わぬ言葉に目を見開く全員に、アタシは不敵に笑うと――。
「本気ですか魔王様!!」
「不意打ちで前魔王様を殺す様な奴ですよ!?」
「アタシに不意打ちは効かないよ。それに、あいつ等言ってただろう? 『国から金を自由に使っていい許可が下りている』ってね?」
「「「「!!!」」」」
「次に来たら国庫を貪り食ってやろう……国庫が減れば国が貧しくなる、他国からの信頼を失いかける、命令を他所に出そうにも金がないと人は動かない。国が貧しくなるという事はね、国のトップとしての処遇さえも変わっちまう程の大事件なんだよ」
ニンマリ笑ってそう伝えると、「でもそうなると」と口にしたのはミツリだった。
ミツリは勇者を見限った。だがそれが反対に勇者たちの怒りを食らわないか不安らしい。
そこで、ミツリには一階ではなくダンジョン三階や魔王城で暫く過ごして貰う事になるが、「そちらの方でしたらまだ大丈夫でしょうからお任せください」と言う事になり、一階や二階はアタシ達何時ものメンツと言うことになった。
「一応男娼さんたちもいますし、僕がミツリさんとペアで仕事します」
「トッシュ、護衛だね? よろしく頼むよ」
「トッシュ君よろしくね」
「はい!」
こうしてミツリにはトッシュが護衛としてつくことになり、ひとまずの危険は回避された。
とはいえ、勇者を受け入れる事には反対な魔人もいるのは確か。
「しかしキヌ様に何かあっては……」
「アタシの危険は気にしなくていいって言ってるだろう。それはカナデもだ」
「俺と曾婆様には【危険察知10】【悪意察知10】のスキルがあるんですよ」
そう言えば四天王面々は声を上げて驚いていたが、そんなに驚くようなことかね?
まぁ、少なくともこれでアタシ達が不意打ちで殺されることはないとは判断されたようだ。何はともあれ、四天王たちの安堵感は凄かった。
前の魔王の時は本当に一瞬を突かれたのだろう。
「ともあれ、アタシが魔王であることは相手には分からない筈だ。何せレベル差があるからね。鑑定しようにもアタシの事もカナデの事も文字化けして見えないはずだよ」
「格上相手のスキルがバグって見えるのはレベル差があるからとは聞いていましたが、流石です魔王様、カナデ様」
恭しく頭を下げたモーダンにアタシはクスリと笑うと、シュッと風を切る音と共に銃を出した。
「それに、アタシに一撃当てる前に勇者はあの世行きさね。こっちの得意武器は勇者よりも遥かに時代が進んだ武器だからねぇ」
「銃に勝てる剣士なんているんですかねぇ……」
「いないと思いますわ♪ 私も此奴でズッキュンバッキュンでしたもの♪」
「綺麗に脳天ぶち破れるとスカッとするんですよね~」
「「「わかる~」」」
「あはははは! この通り、アンタ達のご心配のピアすらこの有様さ! うかうかしてると四天王の方が減っちまうよ?」
「「「「気合を入れます!!」」」」
顔面蒼白で答えた四天王にアタシはニッコリほほ笑むと、その後の話し合いでも勇者をダンジョン内に入れる事に反対する者はいなかった。
ただ、警備は少し上げて何時でも追い出せるようにと言うのは念頭にしたのは言う迄もなく、四天王たちも見回りを強化することで合意した。
「さて、そろそろ第三層に移ってきた冒険者もいるそうだね」
「ええ、まだ数は少ないですが、5組ほどの冒険者が入っております」
「皆さん娼館だらけでびっくり仰天でしたよ~~!! うふふふふ!!」
「あのエリアは人間にとっては誘惑的な匂いがしていますから、カナデ様や魔王様、ミツリ様には利きませんが、理性を脆くさせる匂いが充満しているんです」
「だから男たちも女たちもホイホイっとね?」
なるほど、うっすら霧掛ったのは演出ではなく香だったのかい。
そいつは驚きだねぇ……。
「もう5組の冒険者たちは爛れた生活にのめり込んでいますわ。本当に理性のないケダモノのようで見ていて笑いがでるわね!! ホホホホホホ!!!」
「男なんてあっという間だったなぁ」
「私たちサキュバスや男のインキュバスにとっては、人間の力を吸えるいい機会♡ 逃す手はありませんからね」
「おやおや、吸い尽くされて死なないといいねぇ?」
「干からびる前に金が尽きますわ」
「なら、なんら問題はなさそうだ」
冒険者から金を奪い取れるだけ奪い取り、サキュバスやインキュバスは生気を吸い取ることが出来て正にウィンウィンの関係といえるのかね?
アタシには良く分からないが、互いに満たされるところが満たされれば違うんだろうさ。
「じゃあ次に勇者たちが来た時は受け入れるという事でいいね?」
「「「「はい!」」」」
――こうして、次に勇者たちが来た時は殺しはせず、国庫を食い尽くす勢いでドンドン金を毟り取る事へシフトしたのは言う迄もなく、その勇者がいつ来るのかを待ちわびながら過ごした一週間後――事態は動いていくのである。
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