3回目
ナイトクラブは人生の縮図だと思った。
踊らない人と踊る人がいて、踊るのは全体の二割にも満たない人達なのだった。
お前らちょっと待てよ!!人生の表舞台で君たちは踊らんのか!?影でこそこそしてても誰も見ちゃくれない!自分から進んで光に当たらなくちゃいけない。分かるだろう?月は太陽の光で輝いているのだ。テメーはいつまで陰に隠れているんだ。
もう、勿体ないじゃないか。今日、今夜だけは君が主役になれる世界で、それを自ら放棄するなんて頭がどうかしている。
始めてだった。私が知らん女に体触られたの。
表に立てよ。俺たちの時代がそこにはあるんだ。
勇気を持とう。
そんでもってでかい夢を持とう。
一番になりたいと思った。一番ダンスが上手くなりたいと思った。
昨日からVRチャットの物真似ダンスにはりついて、夜に一人で踊っていると、全く眠気がなくなるのだった。
そりゃそうだわな。踊り出したら四時間ぶっ続けで踊っているのだから。
三回目にしてお店の女性ダンサーに顔を覚えられてしまったので、そろそろ店を変えるつもり。
私、インキャだから、店員に顔を覚えられて世間話されるのがめんどくさい。