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27 ヒカリ5

「ア、アレット…様…?」


「そうだ。アレットは幼少期より蝶よ花よと育てられ公爵令嬢として、次期王妃として私と共に過ごしてきた。愛し合っていたんだ。


結婚式が半年後に控えていたのに女神によって試練を与えられた。人一倍真面目で、優しくて国民からも人気が高く素晴らしい女性だった。剣だって触れた事すら無かった!


アレットは毎日泣きながら早朝から深夜まで訓練を続け、聖女が来る2年半もの間、4人で魔王に挑むために戦いに明け暮れ、


… ようやく再会し、これから結婚という時に。お前がそれを全て壊したんだ!!」


あの、女勇者がオディロン殿下の婚約者だった…の?


私は彼女の前で、皆の前で、オディロン殿下に抱きついた。キス、してしまった。


あぁ、なんて事。


マーリンが婚約者の名前を聞いても言わなかったのはこのせいなのね。私が皆の前で2人の気持ちを踏み躙ってしまった。


「…なら、アレット様の願い事はまだされておりませんっ!絆を結び直して貰うようにお願いして下さい!」


「…明だ」


「え?」


「彼女は行方不明なんだ!私とお前の結婚式を行っている間に彼女は、彼女は王都を1人で出て行った。家族から除籍され平民となってな!」


オディロンは涙を流しながら言葉を吐く。


「…」


私は今更にして自分のしでかした事の大きさをようやく理解した。アレット様が行方不明。


 私は平伏のまま動けずにいると、殿下の護衛騎士に突然腕を引っ張り上げられ、立ち上がるとそのまま執務室を出る。


騎士に無理矢理腕を引っ張られているせいなのかな?バクバクと心臓が脈打ち、力が上手く入らずに足がもつれ上手く歩けない。


マーリンがくれた魅力UPの魔法薬は効き目は無かったみたい。ごめんねマーリン、折角用意してくれたのに。


執務室からいくつかの部屋を通り過ぎ、バタンと乱暴に扉を開いてベッドに投げ込まれ、騎士はガチャリと扉を閉めて出ていった。


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