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2 王城会議室

タイニー歴758年。


 会議室には国王とオディロン王太子、騎士団長や大臣達といった国の主要メンバーが集まり、魔物の被害状況の確認等を行っている。


 魔王発生から少しずつではあるが魔王の魔力に刺激された魔物達は数を増やし、強くなっていった。そして魔物達は村を襲い、被害も増えてきていた。皆対策に追われて一様に渋い顔をしている。


「勇者パーティーであるロイク達からの定期報告です。魔王の住む森に1番近いカネの村に現在滞在中。幾度となく襲ってくる魔物に田畑が荒れ果ており、村人達は村を捨て始めている状況のようです。


それと彼等が城を出て丁度2年となります。パーティーは順調に成長しており、魔王討伐まであと少しのようです。ただ、今回は4人で魔王討伐する可能性が高いため、各々魔物討伐後にも自己鍛錬を日々課しているようです」


現れるはずの聖女が現れない。


 5人で行う事を4人で行うとなると歴代の勇者達より強くなければいけない。そのために彼らは血を吐くほどの苦しい修行をしているのだ。それを知っているからこそ、ここに居る皆の表情は暗い。


勇者パーティーからの定期報告を受けている最中に突然、何かが叫んでいるような声がし始める。


皆話を止め周りを見渡すが誰も居ない。


と、思った瞬間。


「いやあああぁぁぁぁー」


叫び声と共にオディロン王太子殿下の目の前に黒髪の少女が落ちてきた。


「いったぁぁい!もぅっ!なんなのよっ!」


突然現れた少女に一同驚き凝視していた。


「あれ?ここは?どこなの?」


黒髪の少女は周りを見渡し、確認している様子。


「やだ!?これって異世界転移ってやつ!?マジウケるんだけど!」


黒髪の少女は目を輝かせ1番近くにいたオディロン王太子殿下が声を掛けた。


「大丈夫か?」


「やだっ!めっちゃイケメンじゃん!あたし、松井光って言います!ヒカリって呼んでね。貴方の名前は?」


「… オディロンと言う」


「オディロン、宜しくね!」


そう言ってマツイヒカリと名乗る少女はオディロン殿下の手を取り、ブンブンと握手をした。皆、唖然とその様子を見ていた時に気づいた。ヒカリ様の手に紋章があり、光っている。


「その手の紋章は、聖女の紋章!!聖女が現れたぞ!」


その場に居た者達は喜びに包まれた。


「やばっ。やっぱり私聖女なの?マジウケる!これって世界を救うってやつでしょ」


ヒカリはなんだか嬉しそうにしている。怖がる様子がまるでない。紋章が現れると逃げ出そうとする者も過去にはいたほどなのに。


魔物や魔王は怖く無いのだろうか?それともヒカリの感覚と我々の感覚は違うのだろうか。


国王をはじめとした皆がヒカリの言葉に違和感を覚える。


会議は一時中断し、ヒカリを王城の一室へと王城侍女に連れて行くように指示がでた。国王をはじめ皆安堵の声が上がったのはいうまでもない。


そこからは会議で綿密な打ち合わせを行い、聖女がどれくらい使えるのか確認後、勇者パーティーに合流させて魔王討伐に向かわせる事となった。

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