謎の店 ④
絶賛、絶不調なアベルです。なかなか続きが書けなくてごめんなさい。なんとか、書けたので更新しました。
今回はいつもより長めです。ヒルダの店の話を今回で終わらせるために長くなりました。
ヒルダからサングラス型の魔道具を手に入れた僕は、ヒルダさんにお礼を言う事にした。
「ヒルダさん」
「何かしら?」
「魔道具、ありがとうございました」
「良いのよ、私もエリスの遺言に従って助けただけだから。まあ、これからも困った事があったらここに来なさい?出来る限りで助けてあげるから。同じユニーク種族として、ね?」
「ありがとうございます」
「それより」
「?」
「何故、敬語なのかしら?」
「何故って‥‥僕は基本的に友人と家族以外には敬語なんですよ」
「そう‥‥なら、私にも敬語は要らないわ」
「え?」
「私は何十年間もずっとここに居たから、友人と呼べる存在がいないのよね‥‥」
「‥‥」
「昔はいたわよ?私が子供の頃にね」
「えっと‥‥ヒルダさんが子供の頃って‥‥」
もしかしたら、相当昔なのでは?100年前とか?
「そこまでは年取ってないわよ」
「え!?」
僕の考えている事が分かってる‥‥!?
「何を驚いているの?」
「いや、だって‥‥」
「あぁ、私が貴方の考えている事が分かるのか?ってとこかしら?」
「やっぱり‥‥心が読める‥‥?」
「無理よ?」
「え?だって‥‥」
「私はね、最近自分のステータスを見てないけど最後に見た時にこんなスキルがあったの。〈直感〉ってスキルが」
「もしかして、〈直感〉で僕の言いたいことが分かった‥‥?」
「そう言うこと。不用意な事を考える事をしない方が良いわよ?分かるから」
「はい、そうします‥‥」
「ということで、エア君。私と友人になって貰えるかしら?」
「はい。ヒルダさんのような綺麗な人と友達になれるなら喜んで」
「‥‥」
「どうしたんですか?」
ヒルダさんの顔が何となく赤くなってるような‥‥って僕が綺麗な人って言ったから照れてる‥‥?
「何でも無いわ。これから、よろしくね?エア君?」
なんか、突っ込むなという無言の圧力がある気がする。〈直感〉のスキル怖すぎ‥‥
「はい。よろしくお願いします」
「敬語」
「あ、うん。よろしくね?ヒルダさん」
「友人にさんを付けるのかしら?」
「よろしく、ヒルダ」
「よろしい」
〔【ヒルダ(魔女)の友人】の称号を手に入れました〕
‥‥ヒルダの種族は魔女なんだね。魔女ってお婆さんのイメージがつよいんだけど、綺麗なお姉さんの魔女ってのも良いね。
「あ、そうそう」
「?」
「エア、貴方に依頼をするわ」
「何?出来る事なら、頑張るけど‥‥」
「そんなに難しくないわ。ちょっと、転移魔法の使い手を見つけてくれない?その人に転移の魔道具を作るのを手伝って貰いたいだけよ」
「何故その事を僕に頼もうと思ったのかを教えてくれないかな?」
「貴方なら、転移魔法の使い手を知っているいると〈直感〉が言ってる」
「まあ、うん。隠す必要も無いから言うね?知ってるよ」
「知っているのね?良かった。私が転移の魔道具の話をした時、恐らくその人の事を思いだしたでしょ?その時に〈直感〉が反応したのよ」
「なるほど‥‥僕は、その人の事は知ってるけど何処にいるかは分からないんだ。僕が探求者のAランクになったら確実に会えると思うけどね」
「そう‥‥気長に待つわ」
「報酬は何が良いかしら?難しい事じゃないなら叶えられるわ」
「ん~なら‥‥その依頼が終わったら僕と一緒に旅をしませんか?妖精のいる場所を見つけたいんですけど、僕一人だと難しそうなので手伝って欲しいんです」
「‥‥」
「ヒルダ?」
「そろそろ、ここを出なきゃいけないって事かしらね‥‥分かったわ。私からの依頼の報酬は私との旅でいいのね?」
「うん」
「なら、転移の魔道具が完成したら貴方の旅に着いていくわ」
「その時はよろしくね?ヒルダ」
〔ユニークストーリークエスト:魔女からの依頼を受注しました。報酬:魔女のPT加入〕
なんか、クエストが始まった‥‥
「ねえ、ヒルダ?」
「何かしら?」
「ここってどうやって出るの?」
「この街の中なら何処にでも好きな場所を言って?その扉を出たら、そこに出るように設定するわ」
「なら、時計台の辺りに出してくれる?」
「了解したわ」
「いつでもここに遊びに来て良いからね?」
「うん、分かったけど‥‥どうやってここに来れば良いの?」
「この鍵をあげる。その鍵を空間に刺せばここに繋がるようにしておくわ。その鍵は空間と空間を繋ぐアイテムよ。私のスキルで作り出せたものよ。この店の中にしか繋がらないから気にしないで?」
〔エリス錬金屋への鍵×1を受け取りました〕
「性能凄すぎない?これがあれば転移の魔道具要らないのでは?」
「その鍵は、ここ以外に繋がらないから転移の魔道具は必要なの」
「転移の魔道具作りたい理由は何?」
「それは、秘密よ」
「そっか‥‥なら、聞かないね。女性の秘密を暴こうとする趣味も無いからね~」
「そうね、それで良いわ。気を付けなさい?」
「うん」
「入り口の扉を潜ると、アンファングの時計台に出るわ」
「分かった。色々ありがとうね?ヒルダ。また来るからね~」
「ええ、また」
こうして、僕はヒルダのいる店を出た。1週間以上いた気がするけど、1時間もいなかったはずだよね‥‥何でだろう?
アンファングの街に戻ったらレベル上げをしに行こうかな?大体は街の中を見て回って満足したしね~チュートリアル以来の外だから少し楽しみだね。だからこそ、のんびりとレベル上げをしよう。ガツガツするのは疲れるからね。
ヒルダ「綺麗ってエリス以外から初めて言われた‥‥なんだか恥ずかしくなったけど顔に出てたかな?恥ずかしくなったからエアにこの事を考えるなって圧力掛けたけど、気にしてないようで良かったよ‥‥友達なんて、ルーちゃん以来だなぁ‥‥今、何してるんだろう‥‥でも、80年以上も前だからお婆ちゃんかな?ルーちゃん、成人してから何も言わずにいなくなっちゃったんだよね‥‥友達だと思ってたのは私だけだったのかな‥‥?」
作者からのコメント
それなりに時間たってしまいましたが更新出来ました。待っていてくれた方ありがとうございます。誤字の指摘をいただいたので指摘をいただいた場所は修正完了してるはずです。確認して貰えると助かります。
9/27 ユニークシークレットクエストって書いてあったのをユニークストーリークエストに変更しました。こっちの方がいい気がしたので。元の方が良かったと言われる方は教えてくれると嬉しいです。