閑話 ヒルダの過去 中編
閑話の続きです。難産でした‥‥別の人の視点を書くの難しい‥‥
時は流れて、私は成人年齢である16歳となった。私は、自分で言うのはあれだけど美人になったと思う。
「ヒルダ!16歳の誕生日おめでとう!もう成人になったんだね‥‥」
「うん。エリス、私を拾ってくれて‥‥そして、今まで育ててくれてありがとう。おかげで成人になれました」
私はいつの間にか彼女の事をエリス母さんと呼ばずにエリスと呼ぶようになっていた。エリスの事を私が母さんと付けないで呼ぶようになってエリスは少し寂しそうな顔をしていたのは気が付いていた。
母さんと呼ばなくなったのは私がエリスを母さんと呼ぶのが恥ずかしくなっただけだった。嫌いになった訳ではない。私はエリスの事を母というより姉だと感じてしまっていたからだった。
「私の事をいつの間にか母さんと呼んでくれなくなったね‥‥」
「私ね?エリスを母親じゃなくてお姉ちゃんみたいだなって思うようになったからエリスって呼ぶようになったの‥‥駄目だった?」
「ううん。母親じゃなくて、お姉ちゃんか‥‥それはそれで嬉しいものだね‥‥」
「良かったぁ‥‥」
「お姉ちゃんか‥‥お母さんとしてより姉っぽかったのかな?私、エリスって呼ばれるようになってヒルダに少し嫌われちゃったかな‥‥って少し思っちゃってたんだ」
「そんなことない!エリスは私にとっては一番大切な人なの!母親として、姉として思ってるんだから嫌いになるはずないじゃない!」
「あはは‥‥少し恥ずかしいね‥‥」
「うん、私もなんか恥ずかしくなってきた‥‥」
この時はかなり恥ずかしかったけどとても良い思い出だった。
「あ、そういえば。ヒルダ、成人になったから成人の儀式としてステータスが教会で貰う事ができるよね!ヒルダの職業が何になるか楽しみだよ~」
「そうだったね~ちょっと楽しみだけど少し不安もあるかな‥‥あれ?そういえば私の種族ってなんだろう‥‥人族だと思うけど‥‥」
「私も人族だとは思うけどね‥‥だけど、エルフとのハーフだったりするかもね。ヒルダはすごく美人になったし‥‥プラチナブロンドの髪に銀色の目‥‥すごく綺麗だもの」
「あはは‥‥ありがとうエリス。照れるなぁ‥‥まあ、何の種族だったとしてもエリスに育てられたのは変わらないからね?」
「うん。そうだよね‥‥」
「私はエリスに拾われて育てて貰えて良かったと思ってるよ」
「ありがとう。ヒルダ~」
この時、私の中に少しだけあったステータスを貰う時の不安は少し無くなってきた。
エリス「ヒルダの種族が何だったとしても私の娘なのは変わらないからね!」
作者からのコメント
ヒルダの過去は3話で纏めたいけど‥‥難しいかも‥‥