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Unique Seekers Online   作者: アベル
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閑話 ヒルダの過去 前編

 昨日は、すみませんでした。投稿直前だった話がすべて消えてしまったのでショックが大きく、投稿できませんでした。


 今回は長く書きました。昨日消えてしまったものよりも長くなりましたw

 これは、私の過去の物語。


 私が、エアと会うまで外界から隔離されていた空間に店のような物を作りそこに何十年も一人で孤独にいたかのお話。恐らく、語られる事のない物語。


 私が産まれたのはいつなのかは正確には分からない。何故なら、私は森に捨てられていたらしいからだ。いわゆる、捨て子というものだったらしい。らしいというのは私を拾い、育ててくれて名前も付けてくれた人がそう教えてくれたからだ。恐らくそうなのだろう。


 私を拾ってくれたのはエリスという女性だ。私の母親代わりになってくれた人だ。過去形なのはすでに故人だからだ。エリスはとても優しい人だった。しかも、とても強い人だった。


 私が、エリスに拾われてから10年ほどたったある日。私はエリスとの会話の中で何気なく、エリスに聞いた。


「ねぇ、お母さん」


「何かしら?」


「私には何でお父さんがいないの?」


 この時の私は理解していなかったが、エリスにとってはかなり答えにくい質問だっただろう。笑顔が固まっていた。


「えーと‥‥どうしてそんな事を聞くの?」


 エリスはこの時、相当に困っていただろう。どう答えれば正解なのか、真実を伝えて良いのかをかなり葛藤していただろう。


「学校で、お父さんとお母さんに感謝の手紙を送ろうって宿題が出たの。それで、先生に聞いたの。お父さんがいない人はどうすれば良いんですか?って。そしたら、お父さんがいないならお母さんだけに感謝の手紙を送ろうね?って言われたんだ」


 この時の私は王都レクシウスにある魔法学校の初等科に通っていた。だから、私達の家族は王都に住んでいた。この時の私はユニーク種族と呼ばれる存在だという事は知らなかった。恐らくエリスも知らなかっただろう。ステータスが見れるようになるのは成人してからだったから分からなくてもおかしく無かった。


「そう‥‥なの‥‥」


「それでね?お友達のルーちゃんが私に言ってたの。なんでヒルダちゃんにはお父さんがいないの?皆にはいるよ?って。お父さんがいるのが普通なんだって。だから、お母さんに聞いてみる!って言ったんだ」


「‥‥」


「お母さん?」


 黙っちゃったエリスを見て私は思ったの聞いたら駄目な質問だったのかな?って。だから泣きそうになってた。


「‥‥!何かしら?」


「聞いたら駄目だったの?」


 泣きそうな顔でそう聞いてくる私を見て、エリスは真実を伝える決心がついたのだろう。


「いいえ。分かったわ。貴方にお父さんがいない理由を話すわね‥‥」


 恐らく、エリスは私が成人するまで伝えるつもりがなかったんじゃないかと今は考えている。


「やった!ありがとう!」


 無邪気に喜ぶ私にエリスがどう思ったのは分からないけどかなり怖かったんじゃないかと思う。私に真実を伝えればこの関係が壊れてしまうんじゃないかってね。


「‥‥話すからしっかりと聞いてね?ヒルダ」


「うん!」


「まず、あなたに最初に伝えなくてはいけない事があるの」


「なーに?お母さん」


「私はね‥‥わたしはヒルダ、あなたの本当のお母さんでは無いの‥‥」


「え?」


 エリスからその事を伝えられた時に私は、思考が停止するという現象を10歳の時に体験した。


「あなたはね、私が薬草を採取しに森へ出かけた時に森で捨てられているのを発見したの。私は、薬草を採取している際に赤ん坊の泣き声が聞こえたきがしたの。最初は気のせいだと思ったわ。けど、何度も何度も聞こえるから気のせいではない事が分かった。そして、私は泣き声がする方向に向かって歩き始めた」


「‥‥」


「奥に向かうにつれて、泣き声が大きくなった。その先で見つけたのがあなただったの。最初は戸惑ったわ‥‥けどね?あなたがとても可愛かったから助けてあげようと思った。それで、あなたを拾おうとした時に結界が貼られているのに気が付いた。恐らく、捨てた親の最後の良心だったと思われる高度な結界だったの。かなり強い魔物以外には襲われる事がないだろう魔物除けの力が付与されていたわ。あなたの、親はかなり凄い魔法使いだったのかしら‥‥」


「‥‥」


「そして、私は結界からあなたを拾い上げて親として育てる事に決めたの。そして、私は決心したわ。あなたを本当の親以上に愛してみせる、と」


「それからは子育ては初めてだったからとても大変だったわ。だけどね?凄く楽しかったの。あなたみたいな良い子がすくすくと育つのを見ていると幸せな気持ちになったの」


「そう‥‥だったんだ‥‥」


「ええ。だから、私はヒルダの本当の母親ではないけどヒルダの事を本当の娘だと思ってるわ」


「話してくれてありがとう。エリス母さん」


「!」


「エリス母さんが私の本当のお母さんじゃないって知った時は凄くショックで頭が回らなかったけど、エリス母さんの話を聞いて嬉しかった‥‥拾い上げてくれて、育ててくれてありがとう!お母さん!」


 そう言ってあげた時に、エリスは泣きだしてしまった。突然、エリスが泣き出してオロオロしてしまったけど嬉しくて泣いているだけだと分かってほっとしたのを私は今でも覚えてる。 

エリス「うぅ‥‥ヒルダが良い子すぎるぅ‥‥しかも、あの話を聞いてありがとう!って言ってくれたぁ‥‥すごくすごく、嬉しい‥‥愛してるよぉ‥‥ヒルダ‥‥」


作者からのコメント


 昨日、前の話を加筆修正しました。最初に比べて倍近くまで増えているので、ほとんど新しく書いたようなものです。ぜひ、読んでみてください。そして、読みにくい所があったりしたら、是非教えて下さい。よろしくお願いします。


p.s.


 近いうちに、あらすじを書き直す予定です。今のあらすじだとかなり雑な感じがしているのです‥‥PV伸ばすためにはあらすじが重要だと考えているので‥‥面白い作品はあらすじから面白いですからね‥‥

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