嬉しくない再会
更新しました。一週間ギリギリ‥‥
アンファングの街にたどり着いたライラは周囲を見渡していた。
「ライラさ‥‥ライラどうしたの?」
「えっと‥‥私達なんだかすごく見られてませんか?」
「うん、そうだね。多分、ライラとライカちゃんを僕が連れてるからだと思うよ」
「そう、ですか?」
「うん。ライラもライカちゃんもすごく可愛いからね~そんな二人を連れてたら注目を集めると思ってたよ。うん」
「ありがとうございます。でも、エア様?明後日の方向を見ながら言わないでくれますか?」
「なんの事か分からないな~?あ。ライカちゃんを見て?すごく楽しそうにしてるよ」
ライカちゃんの方を見ると目を輝かせながら周りをキョロキョロと見ている。
「わー!ひといっぱい!にぎやか!まちたのしい‥‥!」
うん。この発言から良く分かる。ライカちゃんはすごく興奮している。
「誤魔化されましたか‥‥まあ、良いです。ライカが楽しそうなので良いです」
「そろそろ、街の中に入ろ?まだ、入り口だよ?人が集まってきてるから移動しよ?とりあえず、時計塔がある広場まで案内するよ」
「ありがとうございます。行きましょうか。ほら、ライカ移動するよ」
「は~い!まちのなかもたのしみ」
そうして、僕たちは時計塔の方に向かって歩き始めた。周囲が騒がしいのをスルーして。
「ん~‥‥」
「どうしたのですか?」
「いや、ね?異界人が多かったし、騒がしかったけど声を掛けてくる人がいなかったなぁ‥‥って」
「話しかけられたかったのですか?」
「いや、違うけど」
「では、何でそんな事を気にしたのですか?」
「異界人は基本的には謙虚だけどこの世界に来てる時は声を掛けてくる人が多いイメージだったからかな?」
「ちょっと良いかしら?」
「ほら、こんな風にって‥‥」
声を掛けられた方を見ると見覚えのある顔だった。前、変な設定作って自分は住人ですって誤魔化した人だよ‥‥
「声を掛けられてしまいましたね‥‥お知り合いですか?」
「あら、初めまして。私はノーティアというクランに所属しているステラと言います。まあ、クランといっても正式にはまだ結成されてませんが」
小さな声で運営はいつになったらクラン設立に関する情報を出すのよ‥‥って言ってるのが聞こえた。
「あ、はい。私はライラと言います。こっちは妹のライカ」
「おにーさんのともだち?ライカです。はじめまして~」
「まだ、おにーさんとは友達じゃないわ」
「そうなの?」
「ええ。友達にはなりたいと思うけど、ね?」
「あ、あはは‥‥急に声を掛けてきてどうしたんですか?何か僕に用事ですか?」
「ええ」
「えーと‥‥すみません。これから二人を連れて行かなくては行けない所が‥‥」
「あら、そうなの?」
「なので、話は今度に‥‥」
そう言って、僕は誤魔化して移動しようとした。しかし‥‥
「あ、私はライカと一緒にこの街を見て回ってくるのでお話してて大丈夫ですよ?友人が増えるのは良い事なので行ってください。あそこに見える時計塔の辺りで会いましょう」
「あ、うん。分かったよ‥‥」
この人とあまり仲良くなるつもりは無いよって言ったらライラに白い目で見られそうだなぁ‥‥
「じゃあ、ライカ。私と一緒に街を見て回ろ?」
「おにーさんは?」
「エア様はステラさんと仲良くお話しするだけだから大丈夫だよ」
「わかった!おにーさん、またあとでね~!」
「うん、行ってらっしゃい‥‥」
僕は苦笑いをしながら手を振って二人を見送った。
「では、少しだけお話をさせて貰っても?」
「はぁ‥‥話せる事だけしか話しませんよ?僕はのんびりと遊んでたいんですから‥‥」
「分かりました。それで大丈夫です。まあ、私達は情報屋なので情報で商売をしています。なので売れると判断した情報なら買い取ります。情報の価値によって支払う額を決めます。ちなみに、私達は基本的に個人の情報は許可を得ないと販売しないので安心してください」
「はぁ‥‥とりあえずは分かりました」
気は乗らないけど、ノーティアをうまく使えばのんびりと遊んでられる可能性はあるんだよね‥‥サンがそれっぽい事言ってたからね‥‥
「では、近くに私達ノーティアが現在拠点として使用している所があるのでそこに案内します。そこなら他人に情報が漏れる事はないので安心してください」
僕はステラさんに渋々ながら着いていく事になった。
ステラ「欲しい情報としては住人と一緒に行動する事が出来る条件かしらね‥‥名前は何故か聞けなかったけど様を付けられるってどういう状況なのかしらね‥‥」
作者からのコメント
前話の感想で完結するって言われなくて良かったって言葉を頂けましたが‥‥完結です。って言いそうな感じになってたのかなぁ‥‥と思いました。解せぬ。




