今更の自己紹介
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ライカちゃんも起きて、僕の従者になる事が決まった。だけど、僕は重要な事をしていない。それは‥‥自己紹介だ。
「あー‥‥こほん」
「どうしたんですか?」
「どうしたの~?」
「君達姉妹が僕の従者になって貰える事になったのに僕は一番重要な事をしていなかった」
「「?」」
ライラさんとライカちゃんは揃って首をかしげた。
「自己紹介をしてない!」
「あ‥‥そうでしたね‥‥」
「僕は君達姉妹の名前を知っているのに僕は君達に名前を教えてなかったよね。ライラさんには里の中で話してた時にライカちゃんがどうしてるかの確認した後に自己紹介するって言ってたけど‥‥」
「はい。言ってましたね」
僕は小声でライカちゃんに聞こえないように気を付けながらこっそりとライラさんに言う。
「ライカちゃん誘拐未遂事件が起こっちゃったら自己紹介なんてしてる場合じゃなかったもんね‥‥」
僕が声を小さくしてライラさんにあの時の話をするとライラさんも小声で返事をしてくれた。
「そうでしたね‥‥ライカが無事で本当に良かった」
「うん。そうだね」
小声で会話をしているとライカちゃんが
「おにーさんとおねーちゃん、こっそりとなにかはなしてるねー?ないしょのおはなしするなんてふたりともなかよしだね!」
「うん、そうだね。君のお姉さんとはとっても仲良しになったよ」
「じゃあね!わたしともなかよしになってくれる?」
「当たり前だよ。ライカちゃんは僕の従者になってくれるんだよね?」
「うん!かぞくになるんだよね!」
「そうだね。家族は仲良しの方がいいからね。もっと仲良くなれるよ」
「やったー!」
「じゃあ、二人ともっと仲良くなるために自己紹介をするね」
「じこしょうかい?わたし、しってるよ!じぶんのおなまえをおしえることでしょ?」
「うん。そうだよ」
「じゃあ、わたしからじこしょうかいするね!わたしのなまえは、ライカです。5さいです!」
「ライカちゃん、ありがとう。5歳だったんだ‥‥」
「うん!そうだよ!じゃあ、つぎはおねーちゃん!」
「え!?え、えっと‥‥私の名前はライラと言います。年は16歳です。ライカとは年の離れた姉妹で母親はライカが2歳の時に病で無くなりました。それからは周りに助けられながらライカと2人で細々と暮らしてました。ライカが4歳になった時には私は周囲の人に頼りすぎにならないでライカと2人で楽しく暮らす為に森の見回りの仕事を始めました。昔から母に鍛えられてたのでちょうどんです」
予想以上に重い身の上だった‥‥父親の話が出ないって事は父親は居なくなったとかしたのかな?
「‥‥ありがとう。辛い話もしてくれて」
「いえ、過去の話ですから大丈夫です」
「重い話の後にあっさりとした自己紹介だけど許してね?僕のこの世界での名前はエアです。年は16で自分の種族関係で面倒事にならないために探求者ギルドにはシンって名前で登録してあるし、知り合いにも1人を除いてシンって名前で伝えてる」
今更だけどギルドに偽名で登録した意味は無かった気がする‥‥
「では、基本的にはシン様と呼べば良いのですね?」
「いや、知り合いから貰った指輪の効果で僕の名前を知らない人には名前が分からないように、エアって名前を知らない人にはシンって伝わるようになってるみたいなんだけど‥‥自分でもどういう風に効果を発揮してるのか分かんないんだよね‥‥」
「そうなんですね‥‥」
「んー?よくわかんないけどエアおにーさんってよんでいいのー?」
「大丈夫だよ」
「よかった~!おにーさんのおなまえわかったのによべないのはさみしいから‥‥」
「うん。良い子だね~ライカちゃんは」
「私の自慢の妹ですから!」
ライラさんの妹自慢はスルーする。
「さて、と。とりあえず、この場所を出よっか」
「はい」
「うん!」
僕達は、歩いて来た道を戻るように歩き始める事にした。ライカちゃんはライラさんにおぶられるけど。
エア「アンファングの街に戻ってから姉妹の従者の事どうしよう‥‥考えなきゃとか思いながらもそのままになってた‥‥」
作者からのコメント
予想外に長くなった気もしますが次で精霊の泉編は終わらせるつもりです。長くなっても終わらせようと思ってます。




