精霊の泉 後編
更新しました。長かった精霊の泉の話がもうすぐ終わりそうです。
泉にはあっさりとたどり着いた。
「封印を解除してからも泉は見えなかったけど、少しまっすぐに歩いたら急に出てきたね。泉に近付く途中で何かあるかと思ったけど何もなかったね‥‥」
「そうですね‥‥」
「伝承でもどうやって精霊になったとは言ってなかったよね‥‥とりあえず水を飲んでみようかな?」
僕は手で水をすくって口に含んだ。しかし、何も変化は無い。
「何も、起きませんね‥‥伝承はすべて誤りだったのでしょうか‥‥」
「ん~‥‥?」
「どうしたんですか?」
「泉の水を飲んだ後くらいからかな?なんか違和感を感じるんだよね‥‥なんか思考が誘導されてるような‥‥制限されてるような‥‥そんな感覚があるんだよ」
「そうなのですか?もう少し水を飲んでみれば分かりますかね?」
「そうかな?もう少し飲んでみようかな?」
そう呟いて僕はもう少し泉の水を飲んだ。すると‥‥
「どう、ですか?」
「なるほど‥‥」
「何か分かったんですか?」
「さっきより違和感が強くなったよ。今ならなんとかなるかも?」
そう言って僕は考え始める。違和感の原因は何かを。少し考え始めたら泉でやれる事を複数思い付いた。さっきまでは泉の水を飲む以外が思い付かなかったのに。そして、僕は苦笑いをした。
「笑ってますけど大丈夫ですか!?」
「あ、うん。大丈夫大丈夫。かなり思考が制限されてたんだなぁ‥‥って思っただけだよ」
「では?」
「うん、泉で出来る行動を複数思い付いたからその中に精霊になる方法があると思う。だから、やってみるね?少しライラさんは下がってて?」
「はい」
まず、飲む以外で思い付いたのは水を体に掛ける事だったけど何も変化は無い。次に、泉に潜る。体を完全に泉の中に入れば変化するかと思ったけど変化無し。次は祈りを捧げる。これに関しては何となくだった。水が貴重だと考えたら昔の人なら祈っていてもおかしくないかな?程度だったんだけどな‥‥それが正解だったみたいだね。
「うわ!なんだこれ‥‥水が光ってる‥‥?」
「貴方の体も光ってますよ!?」
「え?うわ!本当だ!」
なんで僕の体も光ってるの!?もしかして、これが精霊になるって事なのかな‥‥?あ、僕の体から光が消えた。精霊に進化?が終わったのかな?
〔種族進化クエスト:精霊へ クリア! 報酬として、〈経験値増加〉のスクロールを入手しました〕
あ、なんか種族進化クエスト終わった。
「精霊になったのですか‥‥?さっきと同じように見えますけど‥‥」
「実感は無いけど精霊になれたみたいだよ。さっきと同じに見える理由は異界人だから‥‥だと思うよ。多分」
「そうなのですか‥‥では。おめでとうございます」
「ありがとう」
「では、帰りましょう!ライカもそろそろ起きてると思うので!」
「あ、うん。そうだね」
≪お知らせします!異界人で初めての種族進化が行われました!≫
≪達成者には【称号:進化の先駆者】を送りました!≫
≪進化についてをヘルプに追加しました≫
あ、やっぱりワールドアナウンスは来るんだね‥‥はぁ‥‥当分は街の中で引き込もってよう‥‥
サン「うん、このアナウンスは絶対にエアだな。何となく分かった。しかも、種族進化‥‥進化ってどうするんだよ‥‥俺なんて種族レベル40超えてるんだけどなぁ‥‥」
作者からのコメント
今回で主人公が精霊になりました。しかし、ここで終わりじゃありません。精霊の泉編はもう少しだけ続きます。




