サンの頼み:相談編 ①
連続更新3/?です。ちょっと短いかも?
ログインが完了したので、部屋から出て下の階に降りた。そこにはカウンターの中で座って本を読んでいるヒルダがいた。
「エア、おかえりなさい‥‥って今日何回も言ってるわ。こんなに何回もおかえりって言ったのは初めての経験だったわ」
「あはは‥‥うん。僕も同じ人に何回もおかえりって言われたのは初めてだよ」
基本的に家に帰っての1回と外に遊びに行って帰る時の2回しか言われないからね。
「そうよね」
「そうだよ?ってこんな話で時間潰すのはダメだね‥‥」
「あら、そう言えばスライムの森でボスを倒してくるって言ってたのよね」
「うん、そうだね。だから、ヒルダが見つけてくれた情報を活かして頑張ってくるよ」
「そう。頑張って来てね?」
「うん。行ってきます!」
そう言って扉から出ようとしていたら呼び止められた。
「エア。あなたに、このアイテムをあげるわ。受け取って?」
そう言ってヒルダは何かを僕に投げてきた。それを受け取って見ると指輪だった。
〔友愛の指輪を受け取った〕
「この指輪は何?」
「それは、私が作り出した指輪。それについてるスキルは〈叡智〉〈偽装〉〈破壊不可〉がついてるわよ。〈叡智〉のスキルだけど‥‥私が後天的に入手したユニークスキルなんだ。ユニークスキルの付与って出来るかな?って好奇心でやってみたら出来ちゃったから‥‥」
「そ、そうなんだ‥‥」
好奇心でユニークスキルを付与するって‥‥
「〈叡智〉は魔法、魔術、魔導を使用時に消費魔力を凄く軽減するの。〈偽装〉は前に渡した眼鏡についてる〈偽造〉〈認識操作〉〈隠蔽〉〈変装〉のスキルが合わさって進化したスキルだから上手く使ってね?ちなみにオンオフは自由に出来るから心配しないで。オン状態なら今まで通り貴方が自分から名前を言わない限りは設定した偽名として認識されるから」
うわ、なんか凄そうだね‥‥
「分かった。ありがとう!今度こそ行ってくるね?」
「ええ。行ってらっしゃい」
僕はヒルダの行ってらっしゃいという言葉を聴きながら扉の外に出た。そして、出た先はスライムの森がある東門の近くだった。
「うわ、東門が凄く近い‥‥しかも、人が居ない場所に出るし‥‥」
やっぱりヒルダって凄いなぁ‥‥あ、そうだ。さっき貰った指輪を指に嵌めておこう。うーん‥‥とりあえず、右の中指にでも嵌めておこうかな?指輪なんてした事が無いから似合うかどうかは分からないけどね‥‥
「うーむ‥‥早く来すぎたのか?誰も居ないな?約束の時間までまだあるからか?」
僕が、指輪を指に嵌めたので東門に向かおうとしていると近くからサンの声が聞こえたので声をかける事にした。後ろから。
「やあ、サン。会うの久しぶりに感じるね~?」
「うわ!びっくりした!良かったエアか‥‥おっと、今はシンだったな‥‥てかさ、後ろから声かけるなよ!驚くだろ!」
サンはとても驚いた顔で僕を見た。
「あはは‥‥ごめんね~?現実だと君の表情ほとんど変わんないからやらないんだけどね?この世界だと表情が分かりやすいくらいに変わるから試してみたくて‥‥」
「はぁ‥‥呆れた。いつもはのんびりとした雰囲気出してるお前がそんな事を考えてたとは‥‥」
「そうかな?まあ、どっちでも良いじゃん」
「‥‥」
「あ、ごめんなさい。無言の威圧やめてくれないかな~?」
「はぁ‥‥」
「あ、終わった。良かった~」
「元々、怒ってない。それよりも、来てくれて助かったよ。来てくれなかったらお前の家に押し掛ける所だったぞ?」
「うわぁ‥‥」
「それはさておき、皆が到着する前にボス情報の再確認をしておこうな」
サンがそう言って来たので、僕の手に入れたボスの情報を話す事にした。ま、確実なボスの情報とは言えないから参考程度だけどね?
サン「エアに後ろから呼び掛けられて驚かされるとは‥‥たまに現実でやるからやり返されたと思っておこう」
作者からのコメント
更新が少し遅くなった‥‥もう少し早く出来ると思ったんだけどなぁ‥‥




