演技
少し、遅れました。すみません。今回の話がなかなか難しかったので‥‥
ハンスさんがギルマスだったのが確認出来たけど、ハンスさんは何事も無かったように話を続ける。
「で?初心者ダンジョンに1日近く入ってたのは何故だ?」
「えっと‥‥言うのは良いんです。だけど‥‥行かなくて良いんですか?」
「あ?あー‥‥行かなきゃダメだよなぁ‥‥」
「行ってらっしゃい」
「仕方ない。すぐ終わらせてくるからここで待ってろよ?終わったら話を聞くからな?」
そう言って、ハンスさんは出ていった。そして、僕はハンスさんの言う事を聞くかどうかの答えはすぐに出た。
「‥‥よし。ここを出よう!ハンスさんを待ってたら色々と説明させられそうだしね!説明大変だから逃げるに限る。最低でと1週間くらいはギルドの近くを寄るのやめよう。ランク上げは‥‥気が向いたらやろう」
そんな結論を出して僕は、倉庫を出た。こっそりと。
「よし、あっさり出れた。さて、どこに行こうかな~?」
そんな事を呑気に言ってたらアナウンスが流れた。ん?
《異界人の皆さんにお知らせします。ダンジョンが攻略されました!クリア者には称号【ダンジョン初踏破者】が与えられます》
えっ!このタイミングでなの?ダンジョン攻略が終わってすぐに流れなかったから来ないかと思ってた‥‥ま、まあ?バレないでしょ。サン以外には。
ワールドアナウンスが流れた後の周囲はとても騒がしかった。
「え!ワールドアナウンス!?しかもダンジョン攻略!?ダンジョンなんて何処にあるんだよ!」
「ワールドアナウンス多すぎない?始まって2日で5回くらい流れてるよ!ベータ中は2回くらいしか無かったのに‥‥」
「ワールドアナウンスを流しまくってる奴は何処にいるんだ!俺も流してみたい!教えて欲しい!」
「ふむ。これだけワールドアナウンスが流れると言う事は‥‥」
色々と周りが言ってる。バレたらやばいね。ゲーム所じゃ無くなりそうだ。やっぱり隠し通さなきゃね!とりあえず‥‥今からログアウトして落ち着いた頃にもう1回入れば良いかな?そんな事を考えながら行動に移そうとしていると声が掛けられた。
「あの‥‥すみません」
「はい?なんですか?」
「あなたはプレイヤーですよね?ワールドアナウンスが流れてたのに結構落ち着いてるように見えますね?お話を聞いても?あぁ!申し遅れました。私はステラと言います。情報クラン:ノーティアに所属しています」
僕に声を掛けてきたのは白髪を長く伸ばしてる女性だった。しかも、結構美人さん。まあ、この世界の人は大体イケメンか美人だけどね。
「プレイヤー?あぁ。聞いた事があります。異界人さんの別の呼び名でしたよね」
僕は、とっさに住人の振りをした。住人は恐らくワールドアナウンスが聞こえてないと思われるから。情報ギルドとやらに目を付けられたらヤバいよね‥‥僕は、ワールドアナウンスのほとんどを流してるからね。
「え‥‥住人だったの?いや‥‥でもウィンドウを操作してたような感じだったのに‥‥」
小さな声でステラさんは呟いていた。
「ステラさん。僕はね、異界人さんに憧れてるんですよ。正確には異界人さんのインベントリと呼ばれる収納技に、です。あれがあれば便利でしょう?異界人さんの真似をすれば僕にも手に入るかな?と思って真似をしてたんですよ」
こう言っておけば誤魔化せるかな?これで騙されてくれたら僕に演技の才能が少しはある?
「そうですか‥‥一応はそういうことにしておきます。また会いましょう」
ステラさんは残念そうに去っていった。誤魔化せてたかは微妙だけどなぁ‥‥そういう事にしておきましょうって言ってたもんね‥‥さて、めんどくさい事になったぞ‥‥何処かでログアウトしてリアルで拓哉と相談しよう。ゲーム内だと誰かに聞かれるかもしれないからね。
ステラ「あの人‥‥名前は知らないけど住人の振りをして誤魔化そうとしたって事はダンジョン攻略した人物で間違い無さそうね‥‥とりあえず、メンバーと相談ね」
作者からのコメント
前回、次回はのんびり町散策とか言ってましたがなりませんでした‥‥ワールドアナウンスが流れてないの思い出した所から今回の話が思い付いてしまったので。




