帰還
今回は長かったダンジョン編の終わりです‥‥ここまでダンジョン編を伸ばすつもり無かったんだけどなぁ‥‥?
「どう?称号を貰えたかい?」
「ええ。欲しくは無かったですけどね」
「悪くない称号だろう?私がさっき作り出したんだよ」
「まあ、なんとも言えない称号でしたがステータス画面で見えないだけ良かったです」
「そこは配慮させて貰ったよ。まあ、君は基本的に種族とかステータスを隠しているから関係ないかもしれないけどね」
運営だから、僕の行動の事も分かってるんだね。
「ありがとうございます」
「うんうん」
「それで‥‥そろそろダンジョンの外に出たいんですが‥‥」
「あー‥‥うん。そうだよねぇ‥‥」
「え?ダメなんですか?」
「いや、問題無いよ。私がもう少し話したかっただけだからね」
「そうなんですか」
「うん。‥‥あ!」
「どうしたんですか?」
「‥‥‥‥やべぇ」
運営さんが急に焦り始めた。僕の質問も聞こえてないようだ。
「いま、何時だ‥‥?えーと‥‥もうこんな時間なの!?え?会議まで残り10分しかないじゃないか!遅れたらあいつらに何を言われるか分からない!USO初のイベントをどうするかの会議なのに遅れたら初イベントの司会が出来なくなる!やろうと思ってたネタを出来るチャンスが無くなる‥‥!折角のVRMMOだからあのネタをやりたいと思ってるのに‥‥!」
「え、えーと‥‥大丈夫ですか?」
「時間配分を間違っていた‥‥会議まで時間が無くなってしまったじゃないか!会議はVR空間でやるから時間は問題ない‥‥」
「‥‥かなりやばそうだな」
「‥‥5分程で今回の会議の資料作れるか?普通なら無理だが幸いほとんど完成している。問題無いな。すまない!エア君!もう少し話していたかったのだが時間が無くなってしまった。僕が居なくなったらそこに魔法陣が出来る。そこからダンジョンからの脱出が可能だ」
「あ、はい。分かりました」
「では、私は落ちる!またいつか会おう!」
そう言ってかなり焦った様子で運営さんはログアウトしていった。そして、運営さんの言った通りに魔法陣が出来た。
「えーと‥‥この魔法陣でダンジョンから出られるんだよね‥‥?よし!」
僕は気合いを入れて魔法陣の上に乗った。何かが起こったらすぐに対処できるように‥‥だが、心配はなかった。光に包まれたかと思ったら、その瞬間には僕がダンジョンに突入した探求者ギルドの倉庫だ。そして、すぐに倉庫の入り口の扉が開いてハンスさんが来た。そして、僕に声を掛けてきた。
「おい‥‥シン‥‥」
なんか、ハンスさんの機嫌が悪そうだ‥‥何故?
「あ、はい。ただいま戻りました。それで‥‥ハンスさん?何故、機嫌が悪そうなんですか?」
「お前なぁ‥‥普通、初心者ダンジョンに1日近く入りっぱなしの奴がいるか!?そのせいで初心者ダンジョンと認定したのは間違いだったんじゃないかとかダンジョンに入った事が無いような奴らに色々言われたんだぞ!?‥‥とギルマスが言ってた」
あ、そういえばハンスさんってここのギルマス何だっけ?でも、僕には隠してる感じなんだよね?なんでだろ?
「あ、ギルマス~お客さんが来てますよ~」
職員さんであろう若い女性の声が倉庫の外から聞こえた。ハンスさんを呼んでいるようだ。
「分かった。すぐ行く!」
あ。やっぱり僕にだけギルマスだって隠してたのか‥‥運営さんが教えてくれてなかったらここで判明してたんだね。多分。
エア「運営さんが言ってたイベントっていつやるんだろうね‥‥でも、折角のVRMMOだからやりたかったあのネタってなんだろう?」
作者からのコメント
ダンジョン編終わりましたね。本当に見ててくれた人達ありがとうございました。次からは少しの間エア君に町をブラブラ散歩して貰おうと思ってます。




