敗北の朝
掲載日:2018/05/29
敗北の朝のように全てを受け入れ
空を見ると朝日が眩しい
回りには死体が累々と横たわり
全てが終わったと告げる雲が
一筋、天空に昇る
地獄を通行した者は地獄なりの言葉を語る
天国を辿ってきたものは、天国の言葉を語る
偽善者は偽善から逃れられず
悪人は悪から逃げられない
論理学者は論理を振り払えず
世俗の人間は世俗から逃れられない
もし全てのものから逃れられる人間がいたら
「敗北」した人間であろうと
私は思う
敗北の朝は
身体に心地よい
全てを諦め受け入れた時
窪地に貯まる雨水さえ
喉に心地よい
…我が身は生きている
敗北の後も まだ
人々が闘っている時
敗北する努力を重ねてきた
人々が勝ちを求めて進行している間
敗北する為に歩んできた
今やその夢が叶い
平静な気持ちで世界を眺められる
様々な闘争を行っているこの世界
そこに用はない
私は一人負けた身なのだから
死刑執行人がやってくるのを待ちながら
ごろりと身を横たえる
空の青さが目に染みる
敗北した古人達が繰り返し見た空を
今の私もまた見ている
そう思うと涙も湧いてくる
……目を閉じた
…夜はまだ遠い
死刑執行人が来るまでにはまだ間がある
その間、私は
天地の美しさを我が身に刻もう
人々と共に




